【インタビュー】keeno、寡作なボカロPの“ひとつの区切りになる作品”が生まれるまで

■中学校の音楽の授業でギターに初めて触れて
■安いエレキギターを買いに行きました。

── 音楽を好きになったきっかけを教えてください。

keeno：好きになったきっかけというと難しいですが、意識して音楽を聴くようになったのはスピッツのアルバムの『ハチミツ』を聴いた時からかもしれません。私が初めて買ったCDだったんですが、今でも聴いてる大好きなアルバムです。好きなアーティストはスピッツ、Cocco、奥華子さん、澤野弘之さん、Oasis、Coldplay、Sigur Rósなどなどです。

── 楽曲を作りはじめたきっかけを教えてください。

keeno：中学校の音楽の授業でギターに初めて触れて、簡単なコードならすぐに弾けるようになったので、これならば自分でも出来るかもしれないと思いまして、安いエレキギターを買いに行きました。色々な曲をコピーしつつ、ある程度コードを覚えてからはそれを適当に組み合わせて適当に歌うようになっていました。曲らしいものを作れるようになったのは高校でバンドを組んでからだと思います。

── ボーカロイドとの出会いのきっかけは？

keeno：2010年に友人からボーカロイドというものが面白いらしいと教えてもらって、実際に聴いてみたら自分が思っていたよりもしっかりと歌っていて、しかも様々な方が様々なジャンルの楽曲を発表されていてすぐに魅せられました。DTMというもので自分でも作ることが出来るらしいとわかってからは、すぐに必要なものを揃えて作り始めました。ちょうど普段の仕事も落ち着いていてタイミングもよかったと思います。

── なぜ、自身の作品にボーカロイドを使われようと思われましたか？

keeno：ひとつ前の質問でお答えしたように、単純にボーカロイドというものに魅力を感じたことと、ボーカルがいなくても一人で完結できることが大きいです。あとは私がボーカロイドを始めた頃にはすでにシーン自体に十分熱があって聴いてもらえる環境があったこともありがたかったです。

── keenoサウンドには、とてもストーリーテリングされた物語性を感じますが、お好きな映画や小説、漫画作品などがありましたら教えてください。音楽活動への影響はありますか？

keeno：映画も小説もアニメも好きですが、なかなか好きな作品をあげるのは難しいです……。ただ映画でも小説でも、勝手にテーマソングとして曲を作ったりはします。

── ニコニコ動画は、ランキングや再生回数、マイリスなどで人気や評価が可視化されることは、ご自身の活動に影響を与えていますか？

keeno：楽曲を投稿してからラグなしに反応がもらえるのは嬉しいですし、モチベーションにも繋がっていると思います。ただ投稿してすぐ以外はあまり自分の動画は見ないかもしれません。恥ずかしいので。

── 今回レコーディングをされるなかで大変だったこと、勉強になったこと、楽しかったこと、大変だったことなどを教えてください。

keeno：とにかく曲が出来ない状況が続いていて苦しかったことしか覚えていないのですが、今回はミックスをエンジニアのyasuさんにお願いすることが出来て、当たり前ですが自分でミックスするよりも何倍も良くなっていて、嬉しかったですし、勉強にもなりました。

── なかなか選べなくて大変だと思いますが、たとえば今日時点で、アルバム『before light』の中で特に自信があるナンバーを3曲あげて、選ばれた理由を一言ずつ解説お願いします。

〜「yours」〜
歌詞が気に入っています。今まで一途な歌詞を多く書いてきましたが、この曲は綺麗な部分と生々しい部分を表現できたかなと思っています。


〜「alternate」〜
楽曲の完成度ではこの曲が一番ではないかと思います。歌詞の繋がりはないですが、「yours」と姉妹みたいな関係の曲かなと思っています。


〜「madder」〜
サウンド面で自分らしい雰囲気を出しながら、今までと違う部分も表現できた曲です。サビ後からCメロにかけてのアレンジが気に入っています。

── 最後に、アルバムを待ち望んでいたリスナーに向けてメッセージをお願いします！

keeno：延期を重ねてしまい、本当に申し訳ございませんでした。今出来ることを精一杯やったつもりでいます。新曲もたくさんありますので、クロスフェードなど聴いていただいて、ご興味を持っていただければ幸いです。

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