【ライブレポート】Ken Yokoyama、「すげえいい感じに初日を切れた」

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ニューアルバム『Sentimental Trash』をリリースしたばかりのKen Yokoyamaが、本作を携えた全国ツアー<Sentimental Trash Tour>を9月25日に渋谷CLUB QUATTROからスタートさせた。

◆Ken Yokoyama 画像

今回のツアーは2016年3月10日に控えた8年ぶりの日本武道館公演<DEAD AT BUDOKAN Returns>までの約半年にわたり展開されるものであると同時に、Ken Bandの可能性を広げた最新作『Sentimental Trash』からの楽曲を生で体感できる絶好の機会。この日はCOUNTRY YARDをゲストに迎えて、初日に相応しいフレッシュでエネルギッシュなステージを繰り広げることとなった……はずが、実はゲストはこれだけではなかった。

開演時間10分前になると、ステージ上にはギターを手にしたMinamiと、見覚えのあるメンバーの姿が。なんとMinami率いるemberがステージに立つサプライズが用意されていた。状況を掴めないキッズたちを前に、MinamiやTsuyoshi(B)は「12月に企画(ライブ)やります」「ド新曲を2曲やって帰ります」と告げるのだが……なぜかなかなか曲が始まらない。Minamiはここぞとばかりに冗談を連発し、持ち時間ギリギリまで話そうとする。「早く終わっても、COUNTRY YARDがでてくる時間は一緒だから!」と観客をなだめる彼らだが、最終的にメロディアスな新曲2曲を立て続けに演奏して、emberはステージを降りた。

しばらくすると、いよいよゲストバンドのCOUNTRY YARDがステージに登場。ゆらゆらとしたイントロダクションを奏でながら徐々に場を温める彼らがいざ曲に突入すると、フロアはクラウドサーファーやダイバーたちが続出。一瞬でも気を抜くと、ステージにメンバー4人以上のメンツ(クラウドサーフからステージにたどり着き、そのままフロアにダイブしようとするキッズたち)が上がっており、ドキリとさせられる瞬間も多々あった。そんなカオスな状況下でKeisaku "Sit" Matsu-ura(Vo, B)は「限界超えていきましょう!」と観客を煽るのだが、一方でメンバーはKen Bandとの共演、しかも大事なツアー初日を一緒に作り上げることに幸せを感じながら、その事実をしっかりと噛み締めてパフォーマンスする姿もとても印象に残った。結局COUNTRY YARDは最初から最後まで突っ走りまくって、続くKen Bandへの橋渡し役を全うした。




スタッフが機材チェンジやセッティングを済ませると、いよいよこの日の主役、Ken Bandの出番だ。新たな愛機「The Kenny Falcon」を抱えた横山健(Vo, G)は「すごいな! 近いね。今日は初日です。新曲いっぱいやります!」と観客に語りかけ、ニューアルバム『Sentimental Trash』の楽曲からライブをスタートさせた。フロアからは新曲とは思えないほどの大合唱が巻き起こる。それと同時に、クラウドサーファーやダイバーの数も曲が進むに連れてどんどん増えていく。そんな混沌とした状況を前に、横山やMinami、Jun Gray(B)、Matsuura(Dr)は嬉しそうな表情を浮かべつつ、さらに激しいプレイを響かせた。




先の宣言通り、この日演奏された楽曲の約半数が最新作『Sentimental Trash』からの楽曲だ。ストレートなロックンロール、ロカビリーやブギーテイストのナンバーなど、これまでのKen Bandにはなかったタイプの楽曲が加わったことで、彼らのライブは明らかに変わりつつある。もちろん従来のメロディックパンクも健在だが、曲のバラエティが増えたことで、逆に従来の楽曲の魅力を再確認する絶好の機会にもなるのが、今回のツアーになるのではないか、そう個人的には確信している。この日の横山は新曲を1曲終えるごとに、観客からのリアクションを反芻するかのように、場内に響く歓声やキッズからの呼びかけに聞き入る。もちろん曲の合間には、彼らしいウィットに富んだジョークも忘れない。時には暴走気味に下ネタを話し始め、その嬉々とした表情は以前と何ら変わらない横山そのものだ。しかし、そんな下世話なネタのあとにシリアスな「Mama, Let Me Come Home」のような楽曲をプレイすることも忘れない。このバランス感こそがKen Yokoyama、Ken Bandなのだと改めて実感させられた。




さらにこの日は、前日に公開された『横山健の別に危なくないコラム』で触れられていた新ギター、「The Kenny Falcon Jr.」を初お披露目。鮮やかな“アーリー・サマー・グリーン”のギターを手にした横山の表情は、完全にいちギターキッズそのものだ。そしてそんな横山の姿を、同じくロックキッズ、パンクキッズたちが嬉しそうに見つめる光景はピースフル以外の言葉で形容しがたいものがあった。




ライブ後半ではメロウなバラード「A Beautiful Song」で会場を感動の渦に巻き込むと、震災後のパンクキッズを歌った「Ricky Punks III」ではミラーボールが回転するドラマチックな環境に。そしてなんといっても、クライマックスで披露された「I Won't Turn Off My Radio」での大合唱は特筆すべきポイントだ。横山がラジオという“時代遅れになりつつある産物”に自分を重ね合わせた、ある種センチメンタルな楽曲ではあるが、ここでは年代問わずに受け入れられ、すでに横山にとってのみならず、ロックやパンクを愛するすべての野郎どもにとってのアンセムへと上り詰めている。ちょっと涙が溢れそうになるくらい感動的な瞬間だったことは、ぜひ伝えておきたい。その後もライブでの定番曲を連発しつつ、「すげえいい感じに初日を切れたと思うよ。最後にまた、3月10日に日本武道館で会おう!」とその場にいたキッズたち全員と約束して、勢い良くライブを締めくくった。




もちろんライブはこれだけでは終わらない。アンコールに応えたKen Bandは「大事な曲、やり忘れてたわ!」と、彼らのライブには欠かせない鉄板曲を次々に繰り出す。横山はマイクスタンドをステージ中央からいろんな場所に動かして、さまざまな場所の観客に対してアピール。さらにマイクをフロアに放り投げると、キッズたちに曲を始めるきっかけ出しを任せるなど、双方の信頼関係が強靭だからこそ成立する場面を見せた。そして最後に「ちょっと新しい終わり方を考えたわ」と言って、横山は“ある曲”を最後の最後に演奏。その詳細はここでは伏せておくが、コール&レスポンスや合唱など含め、Ken Bandのライブをより楽しむためにぜひ新作『Sentimental Trash』をじっくり聴き込んでおいてほしい。すると、次に彼らのライブに行ったときには、今まで以上に幸せな気持ちを味わえるはずだから。


こうして無事ツアー初日を終えたKen Band。彼らは今後もさまざまな盟友たちをゲストに迎えて、全国各地を回る予定だ。『Sentimental Trash』の新曲群が加わったことで、これまで以上に幅の広がったKen Bandのライブをぜひライブハウスで体感してほしい。

取材・文◎西廣智一 撮影◎Teppei Kishida





■6thアルバム『Sentimental Trash』

2015年9月2日発売
PZCA-73 ¥2,190(税抜)
01. Dream Of You
02. Boys Don't Cry
03. I Don't Care
04. Maybe Maybe
05. Da Da Da
06. Roll The Dice
07. One Last Time
08. Mama,Let Me Come Home
09. Yellow Trash Blues
10. I Won't Turn Off My Radio
11. A Beautiful Song
12. Pressure Drop

■全国ツアー<Ken Yokoyama 『Sentimental Trash Tour』>

09/25(金) 渋谷 CLUB QUATTRO
10/06(火) 長野 CLUB JUNK BOX
10/07(水) 金沢 EIGHT HALL
10/09(金) 新潟 LOTS
10/10(土) 高崎 CLUB FLEEZ
10/16(金) 郡山 HIPSHOT
10/18(日) 弘前 Mag-Net
10/19(月) 秋田 Club SWINDLE
10/21(水) 盛岡 Club Change WAVE
10/22(木) 仙台 Rensa
10/24(土) 山形 MUSIC SHOWA Session
12/19(土) 横浜 Bay Hall
01/20(水) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
01/21(木) 松江 AZTiC canova
01/23(土) 熊本 DRUM B.9 V1
01/24(日) 鹿児島 Caparvo Hall
01/26(火) 長崎 DRUM Be-7
01/27(水) 博多 DRUM LOGOS
01/29(金) 松山 WstudioRED
01/30(土) 広島 CLUB QUATTRO
02/10(水) 清水 ark
02/11(木) 浜松 窓枠
02/13(土) 大阪 Namba Hatch
02/14(日) 名古屋 Diamond Hall

■Ken Yokoyama<DEAD AT BUDOKAN RETURNS>

2016年3月10日(木)日本武道館
OPEN17:30 / START18:30
Guest : SLANG
アリーナ:¥5,800(スタンディング・ブロック指定・税込み)
スタンド席:¥4,800(座席指定・税込み)
制限枚数:アリーナ2枚まで。スタンド4枚まで(申し込み1件に付き)
(問)03-3444-6751(SMASH)
※小学生以上はアリーナ、スタンド席にかかわらずチケットが必要になります。
※餓鬼割:小学生以上~18歳未満は当日16:00より会場窓口にて2,000円キャシュバック。
※要身分証明書(保険証・学生証・免許証等)。
※未就学児は保護者同伴に付きチケット不要。
※スタンド席において未就学児でもお席が必要な場合はスタンド指定席のチケットをご購入下さい。餓鬼割り対応致します。
■<チケットぴあ独占先行予約(抽選制)>
受付URL : http://w.pia.jp/t/ky-budokan/
受付期間:9月26日(土)11:00 – 9月29日(火)11:00
●先行受付チケット料金
アリーナ通常チケット:¥5,800(スタンディング・ブロック指定・税込み)
スタンド席通常チケット:¥4,800(座席指定・税込み)
●一般発売:10/10(土)
アリーナ:¥5,800(スタンディング・ブロック指定・税込み)
スタンド席:¥4,800(座席指定・税込み)
[販売プレイガイド]
チケットぴあ(P:273-445)初日特電:0570-02-9930
ローソンチケット(L:アリーナ立見71717/スタンド指定71720)初日特電:0570-084-636(Lコード必要)
e+ (pre 9/30 12:00-10/4 18:00)
楽天チケット: http://r-t.jp/kenyokoyama
岩盤03-3477-5701(店頭販売のみ)
(問)03-3444-6751(SMASH)
(問)03-5720-9999(HOT STUFF PROMOTION)

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