【ライブレポート】sebuhiroko(世武裕子)、渋谷WWWワンマンで見せた自由自在な情景の旅

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sébuhirokoが10月21日の渋谷WWWにて、ワンマンライブ<The Soft Hell Club special 燃えるワンダーランド篇>を開催した。

◆sébuhiroko ライブ画像

ミニアルバム『WONDERLAND』を9月16日に発売し、同作からシンガーソングライターとしてのsébuhiroko名義を打ち出した彼女。これまで作曲家・世武裕子の名義としてはフジテレビ系ドラマ『恋仲』をはじめとした数多くのドラマ、映画、CM音楽などに携わっており、その一つ一つがまさに“情景”という言葉にふさわしい独自の世界観を呼び起こさせるものだ。

この日のライブでは中央にキーボードが配置され、sébuhirokoが演奏しながら観客の顔を見られるように(また、観客も彼女の顔を見られるように)なっていた。下手側にはグランドピアノが置かれており、こちらは通常どおり彼女の顔が横向きになる配置が取られている。


会場が暗転して観客が待ち構える中、sébuhirokoは女性ダンサー2名と共にステージに登場。ニューアルバムより「Forgive」のイントロを流し、歌い出しの一声目から澄んだヴォカリーズで会場を一気に惹きつけた。ダンサー2人のコンテンポラリーな舞いもアンビエントな曲調とあいまって、会場の中に外界と切り離されたようなゆったりとした時間が流れる。


続く2曲目「君のほんの少しの愛で」、3曲目「恋をしようよ」では一挙に軽やかなポップチューンを披露。微かにスモーキーながら爽やかさを感じさせるsébuhirokoの歌声は、ラブソングでも甘くなりすぎず心地よい。かと思えば4曲め「私の愛したスパイ」では悲哀あふれるキーボードのメロディから「記憶力が悪い 勘違いも多い…」と落差の激しいどこかコミカルな歌詞が飛び出し、そこからシンセサイザーでアラビアン且つ70年代スパイ風の曲調にもっていくという、なんとも自由自在なパフォーマンス。序盤にして既に彼女が持つ引き出しの多さが気になってくる状態だ。

ラジオでのオンエアも相次いだ「YOU」を伸び伸びプレイした後は、扇情的な「美しいあなた」から世界観の広がりを感じさせる「Night Walk」へ。この曲ではなんと全パートを同時に1人でライヴ演奏しており、両手両足で何台もの鍵盤を操る姿は圧巻。MCでは「やっぱ一人ってね。孤独感がすごい。嫌いじゃないけど。だけど今までずっとピアノって横向いて演奏することが多くて、皆さんの顔見て演奏することがなかなかないんですね。なので“ずっとピアノの音を聴いて欲しい”とか色々な葛藤もあるなか、(今回は前を向いて)行儀の悪い足とかほとんど隠れたりしてる顔を見せるはめになっているんですけど。私はすごい楽しいです。意外と皆の顔が見えてるというか」とワンマンにあたっての思いがsébuhirokoから語られた。
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