【インタビュー】デフ・レパード、『デフ・レパード』は『ヒステリア』を凌ぐ興奮度

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デフ・レパードの最新アルバムがいよいよ10月30日世界同時リリースとなる。このバンド名をタイトルに冠した自信作は、モンスターバンドが「完全なるインディペンデント」として制作した異例ともいえる意欲作だ。ワールドプレミアとなる来日公演直前のジョー・エリオットがインタビューに応えてくれた。大いに語ってくれたジョーの発言を2回に分けてすべて掲載する。まずは最新アルバムが誕生した経緯を語ってもらおう。



   ◆   ◆   ◆

とてもグレイトなアルバムだと思うよ。しかも、何がスゴイって、当初は「アルバムを作ろう!」と決めて取りかかったわけじゃないんだ。実際にこうしてアルバムが存在するわけだから、生まれてくる運命にあったのかもしれないけど、最初はそうじゃなかった。つまりデフ・レパード史上で最も正直で、自然で、無計画な作品と言える。

これまでの活動は緻密な計画に基づいていた。デビュー・アルバムの時からずっとそう。音楽作りだけでなく、例えばステージ衣装からフォトセッションの立ち位置まで、決め事は多かった。レコード契約という縛りもあった。

今回はまるで逆。レコード会社もレコード契約も決まっていない状態でとりあえず集まってみようってことで集まった。頼れるのは自分たちの経験値のみ。あとは成り行きまかせ。『MIRROR BALL』の時みたいに、まずは3曲くらい作ってみようかって話だった。ちなみにあの3曲は、僕らとしてはとてもハイスタンダードな楽曲ばかりで、あの頃から曲作りへの意欲が高まったと言えるかもしれない。5人で僕のスタジオに集まり、それぞれ持って来たアイディアの断片を、iPhoneだのカセットから披露し合った。「うんそれいいね、キープ」「あ、それも使えそうだね、キープ」っていう風にやっていたら、一週間後、12曲分のアイディアがたまっていた。

そこで問題。12曲分のアイディアを、当初の予定通り、3曲までふるいにかけるにはどうすればいいか。答えはすぐ出た。しばらく意見交換をするうち、別にふるいにかける必要はないじゃない、「このままアルバム作っちゃおうよ!」ってことになった。

それが去年の2月の話。その時は約1ヶ月うちのスタジオで作業をした。5人全員で演奏し、アイディアを出し合い曲を作った。そして4人は家に帰り、残った僕とローナンとで作業を続けローナンがアイディアを編集し僕は歌詞を考え始めた。

次は5月に2週間2回目のセッションを行なった。この時は、ヴィヴィアンは治療に専念するため不在。4人でやれることをやって、ヴィヴはあとでキャッチアップすればいい。でも気づいたらこの時また2曲書いていた。

ある金曜日の夜9時半頃だったかな、フィルとふたりソファーに座ってギターをポロポロ弾いている時「そうだフィル、ずっと前からトム・ロビンソン・バンドの「2-4-6-8 Motorway」みたいな曲を書きたくて考えているんだけど」と言ったら、「僕が持っているサビと合わせてみようよ」と言うからやってみたら、10時15分には「Broke ‘N Brokenhearted」ができていた。歌詞以外はね。「Forever Young」も前からあたためていたリフがデヴィッド・ボウイっぽくて凄くクールだから何とかしたくて、ちょっと手を加えてみたら形になった。ヴィヴィアンのギター・パートは入っていなかったけどだいぶアルバムの骨格は見えてきた。

その後KISSとのツアーがあったからしばらく曲は寝かせつつ、少し時間の余裕があるたび、楽屋やホテルの部屋でヴィヴィアンのギター録りをしていた。今やラップトップひとつあれば録音できちゃうからね。マジにアビー・ロードなんて必要ないよ。僕のスタジオとラップトップさえあれば十分。そう考えるとこのアルバムのレコーディング場所は世界中ってことになる。実際「Let's Go」のある部分は、今年の6月だったか7月だったかに追加録音することになって、ずっとツアー中だったから、どこかの町でラップトップで録ったんだ。あとはローナンが手を加えれば完成。テクノロジーのおかげで本当に自由になれる。

とにかく、今回のアルバムで言えることは、すごく楽しく作れたってこと。グレイトだよ。何一つ制約がなく、常に見張っている人間もいないし、決定権はすべて僕らの手中にあった。選曲から曲順からアートワークから何もかも。あとは「さあ、デフ・レパードの新譜が完成しましたよ。誰か出してくれませんか?」と言うだけ。誰にも何にも邪魔されずに作った作品だから、最も正直でエキサイティングなアルバムになったんだ。

僕としては『HYSTERIA』以来の興奮度の高さなんだ。

ジョー・エリオット

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撮影:Ross Halfin
インタビュー:中村美夏


<デフ・レパード・35周年ジャパンツアー>

11月9日(月)日本武道館
11月10日(火)オリックス劇場(大阪)
11月12日(木)ZEPP NAGOYA
11月13日(金)仙台サンプラザホール
ウドー音楽事務所 udo.jp/

デフ・レパード『デフ・レパード』


10月30日世界同時リリース
メンバー全員直筆サイン フォトカード付き通販限定スーパー・プレミアム・ボックス・サイト
1.レッツ・ゴー
2.デンジャラス
3.マン・イナフ
4.ウィ・ビロング
5.インヴィンシブル
6.シー・オブ・ラヴ
7.エネジャイズド
8.オール・タイム・ハイ
9.バトル・オブ・マイ・オウン
10.ブロークン・ブロークンハーテッド
11.フォーエヴァー・ヤング
12.ラスト・ダンス
13.ウィングス・オブ・アン・エンジェル
14.ブラインド・フェイス
15.ラスト・ダンス(デモ)※日本盤限定ボーナストラック

◆『デフ・レパード』オフィシャルサイト
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