クリス・スクワイアのラストプレイがうねる、ビリー・シャーウッドのプログレ大作

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長年に渡りイエスを支えてきたプログレシーンを代表するプロデューサー&マルチ・プレイヤー、ビリー・シャーウッド最新作『シチズン』がいよいよ10/28に日本先行発売された。

◆ビリー・シャーウッド画像

スティーヴ・ハケット、リック・ウェイクマン、パトリック・モラーツらレジェンドを迎えたシンフォニックかつプログレッシヴなヘヴィ・サウンドが注目のアルバムだが、何といっても2015年6月に惜しまれつつこの世を去ったイエスのクリス・スクワイア最後の録音となったことは心に留めておきたいメモリアルな作品だ。


TOTOのデヴィッド・ペイチとスティーヴ・ポーカロのプロデュースでデビューしたロジックでの活動に始まり、ワールド・トレードに参加したことでイエス~クリス・スクワイアとの交流を深めたビリー・シャーウッドだが、イエスのアルバム『トーク』リリース時のワールド・ツアーにサポート・メンバーとして参加以降、イエスの活動を支えてきたキーマンでもある。さらにクリス・スクワイアとは1990年代に再編されたワールド・トレードや、共同名義ユニットのコンスピラシーで共演するなど深い交流が続いてきた。

そんなスクワイアが2015年6月27日に逝去したことから、両者の最後の共演となったのがビリー・シャーウッドの2015年最新スタジオ録音である本作だ。今年の北米ツアーで亡きスクワイアの代役としてベーシストとして参加しているが、本作では作詞作曲、プロデュースに加え、ヴォーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムスを担当、ゲストミュージシャンと各曲でコラボレイトしている。そしてオープニングのタイトル曲「シチズン」のベースは生前のクリス・スクワイアが弾いている。

またそれだけでも多くのファンにとっては感慨深いものだが、本作は決して単なる追悼作品ではない。スティーヴ・ハウ、リック・ウェイクマン、パトリック・モラーツ、ジェフ・ダウンズ、コリン・モールディング、ジェリー・グッドマン、ジョン・デイヴィソン(イエス)、スティーヴ・モーズ(ディープ・パープル)等を迎えてのシンフォニックなプログレッシヴ・サウンドは、王道のメロディと緻密な実験主義に彩られた高い完成度を誇っている。スクワイア最後の録音となったことは当然意図せざることであり、プログレシーンの重要人物であるビリー・シャーウッドによる本作はぜひオープニングからエンディングまで通して聴くべき“プログレッシヴ・ロック”大作だ。

【ミュージシャン】
ビリー・シャーウッド
クリス・スクワイア[イエス]
スティーヴ・ハケット[元ジェネシス]
リック・ウェイクマン[元イエス]
ジェフ・ダウンズ[エイジア/イエス]
アラン・パーソンズ[アラン・パーソンズ・プロジェクト]
スティーヴ・モーズ[ディープ・パープル]
ジョーダン・ルーデス[ドリーム・シアター]
トニー・ケイ[元イエス]
コリン・モールディング[元XTC]
ジョン・デイヴィソン[イエス]
ジェリー・グッドマン[元マハヴィシュヌ・オーケストラ]
パトリック・モラーツ[元イエス]
ジョン・ウェスレイ


ビリー・シャーウッド『シチズン』

CD 2,700円+税
1.ザ・シチズン(feat.クリス・スクワイア[イエス]/トニー・ケイ[元イエス])
2.マン&ザ・マシーン(feat.スティーヴ・ハケット[元ジェネシス])
3.ジャスト・ガリレオ・アンド・ミー(feat.コリン・モールディング[元XTC])
4.ノーマンズ・ランド(feat.スティーヴ・モーズ[ディープ・パープル])
5.ザ・グレート・ディプレッション(feat.リック・ウェイクマン[元イエス])
6.エンパイア(feat.アラン・パーソンズ[アラン・パーソンズ・プロジェクト]/ジェリー・グッドマン[元マハヴィシュヌ・オーケストラ])
7.エイジ・オブ・ザ・アトム(feat.ジェフ・ダウンズ[エイジア/イエス])
8.トレイル・オブ・ティアーズ(feat.パトリック・モラーツ[元イエス])
9.エスケイプ・ヴェロシティ(feat.ジョーダン・ルーデス[ドリーム・シアター])
10.ア・セオリー・オール・イッツ・オウン(feat.ジョン・ウェスレイ)
11.リトゥン・イン・ザ・センチュリーズ(feat.ジョン・デイヴィソン[イエス])
12. ザ・グレート・ディプレッション(アコースティック・ヴァージョン)(日本盤限定ボーナストラック)

◆ビリー・シャーウッド『シチズン』オフィシャルページ
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