【インタビュー】愛と情熱と爆笑のイル・ディーヴォ

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7枚目のスタジオ・アルバム『アモール&パシオン』を発表したイル・ディーヴォ。“愛と情熱”、そしてラテン・ソングという彼らにぴったりのテーマでまたもや世界を魅了する。

◆イル・ディーヴォ画像

リリースに合わせ来日した彼らが、新作や2016年春に行われる日本ツアー、歌への愛と情熱、そしてプライベートについて語ってくれた。この4人がなぜあれだけ美しいハーモニーを奏でることができるのか、その一体感、絆の深さがわかる、笑いがいっぱいの楽しいひと時だった。

Posted by Sony Music Japan International on 2015年10月30日


――前作『ミュージカル・アフェア』から2年ですね。この期間、なにか変化はありましたか?

セバスチャン:もちろん!僕ら、新しいアルバム『アモール&パシオン』を作った。リズムがいっぱいで、これまでとは違うメロディーがたくさんある。レコーディング、スタジオへ行くのが楽しかったよ。みんなもイル・ディーヴォの新しいスタイルを気に入ってくれるといいな。4月にはツアーで日本に戻ってくる。ここは天国だ。僕ら、日本を愛してる。

――素晴らしい、きれいにまとめてくれました(笑)。

カルロス:はい、インタビュー終了!

ウルス:ありがとう、さようなら(笑)。

セバスチャン:ワハハ

ウルス:そうじゃなくてさ、ほら、マリブに引っ越してどれくらい経つ?

セバスチャン:ああ、そうだ。LAね。いま、LAに住んでるんだ。最高だよ。2~3日に一度ボートに乗ったり、自然を楽しんでいる。鳥の声で目が覚めるんだ。鷲とか野生のオウムもいる。ガーデニングも家の改装も楽しいし、子供たちを学校へ連れて行ったり、普通の生活を送っているよ。僕は洗濯も大好きなんだ。


――ウルスも何年か前、家を改築しているって言っていましたよね?

ウルス:そう、南仏にものすごく古い家を持っている。2007年の夏に買ったんだ。だから、この8年改築していることになるね。収入全てをつぎ込んでいる(笑)。すごく大きなプロジェクトなんだ。ずい分、良くなったけど、まだ住める状態じゃない。この2年、僕の生活にはとくに大きな変化はないね。

――カルロスは?新しいロマンスとか?

カルロス:ないんだよ(笑)。この1年、頑張っているのに。日本で出会うかもね(笑)。それ以外は、アルバムを作って、オフのときはメキシコへ行ったり、マドリッドでゆっくりしていた。

デイヴィッド:僕はいろんなことしたよ。去年は大きな世界ツアーがあって、ものすごく楽しかったけど、ものすごく疲れた。今年はアルバムの年だから時間に融通がきいて、デトロイトで妻とオペラを上演したんだ。それに、NYから引っ越した。あと、ウルスとバイクでアメリカを横断したんだよ。Nordoff Robbins(音楽療法の支援団体)のためのチャリティーでね。いろんなことやって充実したオフだった。それでいま、仕事に戻るのがすごく楽しみなんだ。

――ワン・ダイレクションが長期活動休止に入りますが、あなた達も11年間続けてきて、長い休みを取りたいなんて思ったことありませんか?

セバスチャン:正直言って…、いまやっていることはホリデーみたいなとこあるからね(笑)。移動するのは疲れるけど、ファンのみんなと僕らが作った音楽を共有できるのは何ものにも代えがたい。僕らはラッキーだと思うよ。例えば、ツアーやプロモーションで日本へ来ることができる。最高に楽しみなことの1つだよ。だって、ここでは毎回新しい発見があるからね。面白いお店がいっぱいあるし、素敵な街を訪れ、伝統も…、素晴らしいことだらけだ。ヨーロッパ出身の者としては、日本は天国だ。僕らはラッキーだよ。歌うのが仕事なんだから。それって、かなりクールだよね?

カルロス:ああ、かなりクールだ(笑)。

――新作『アモール&パシオン』について教えてください。ラテン・アルバムを作るというのは誰のアイディアだったのでしょう?

カルロス:スペインのテレビ番組に出演したとき、ラテンのアルバムを作るべきだって言われたんだ。それで、スペインだけでなく南米なんかのスペイン語のバラードを挙げ出して…。選ぶの、大変だったよ、いい曲いっぱいあるからね。でも、上手くいったと思う。すごく誇りに思っている。レコーディングに3ヶ月、4ヶ月かけたんだ。素晴らしい体験だったよ。

――レコーディングはどこで?

デイヴィッド:メキシコ・シティ、マイアミ、バルセロナ…、いろんなところへ行った。その街が持つ雰囲気、要素、全てがインスピレーションになった。

――イル・ディーヴォのアルバムは、毎回テーマは違っても、ダイナミックで、情熱やロマンチックという共通点があると思います。こういった強い感情を常にスタジオやステージで持ち続けるのは大変なのでは?

ウルス:さっきの長い休みを取りたいかっていう質問への答えと同じなんだけど、簡単だよ。僕ら、これ以上に愛していることはないからね。ツアーやってファンに会えるのはもちろんだし、何よりもまず、僕ら、歌うことを愛している。それに心が躍るんだ。僕らの中で“今夜、ステージに上がりたくない”なんて思ったことある人、いないと思う。疲れていたり、時差ボケで、朝起きたくないって思うことはあっても、今日歌いたくないとは絶対に思わない。歌うことが大好きで、自分の中で発見した感情を音楽を通じ外に出し、それをみんなと分かち合うって素晴らしい体験だ。僕らはそうできることに感謝している。

――スタジオの雰囲気は?

セバスチャン:最悪だよ! ワハハハ!

デイヴィッド:僕ら、仲悪いから(笑)。

カルロス:お互い、大っ嫌い(笑)。

セバスチャン:寿司ばっかり食べていた。僕ら、一緒にいることを本当に楽しんでるんだ。だから、休みの間離れて、それぞれ別のことをして、またレコーディングを始めるために集まるとすごく楽しいし、一緒に歌いたくて仕方がない。その感情、愛や情熱、それに一体感が音楽にも出るんだと思う。

ウルス:曲も素晴らしかったからね。美しい曲を歌うのは、純粋に楽しい。このアルバムでは、歌いたくないと思う曲は1つもなかった。正直言って、これまでのアルバムの中には…、毎回12~15曲レコーディングしていると、大好きな曲もあるけど、これ歌いたくないなって思うものもあった。でも、このアルバムでそれはなかった。どれも歌っていて楽しかった。


――では、難しいかもしれませんが、ニュー・アルバムの中からそれぞれ1番のお気に入りの曲を挙げてください。

ウルス:僕は「首の差で(ポル・ウナ・カベーサ)」だね。この曲のこと、知らなかったんだ。映画『セント・オブ・ウーマン』でアル・パチーノがタンゴを踊ったときに使われた有名な曲なんだけど、僕は知らなかった。映画も観たことなかったし。でも、初めて聴いたとき、なんてハッピーな曲なんだろう、元気がもらえるって思った。歌詞も面白いって思ったよ。競馬の“首の差で”負けるのを失恋にかけたり、競馬にはまるのを女性にはまるのと一緒にしたり、一小節聴いただけで、心を奪われたよ。

セバスチャン:ものすごく難しい質問だね。

――時間が必要なら、ほかの人が先でも…

セバスチャン:いや。

デイヴィッド:時間かけろよ(笑)。

セバスチャン:全部好きだから難しい。昨日は「帰郷(ボルベール)」だった。でも、今日は天気が違うから…、「遠く離れていても(コンティーゴ・エン・ラ・ディスタンシア)」だね。歌詞が素晴らしいんだよ。最初はスペイン語でわからなかったけど、カルロスやプロデューサーが訳してくれて、内容を理解できた。すごくロマンチックな歌だ。

カルロス:僕は…

セバスチャン:それに…

カルロス:黙れ、セバスチャン!一同爆笑。

セバスチャン:それと…(笑)。

カルロス:僕は(笑)、「抱きしめて(アブラサメ)」だね。小さいころから聴いていた。当時、フリオ・イグレシアスが歌っていて、すごく有名な曲だったんだ。僕は、17歳のときすでにこれを歌っていた。だから、1番好きな曲だね。

デイヴィッド:僕は「ベサメ・ムーチョ」。このアルバムでのアレンジは、これまでのヴァージョンとは全く違うから。初めて、この曲を聴いたのはハネムーンでメキシコへ行ったときだった。レストランで2人組のギタリストがラテン音楽をプレイしてて、僕がイル・ディーヴォのメンバーだって気づくと、毎晩、僕らのテーブルの横で1時間プレイしていたんだ。

セバスチャン:ああ、あれは僕とカルロスだったんだよ。

デイヴィッド:ハハハ、確かにあのとき、君ら2人のこと思い出したよ(笑)。

セバスチャン:金くれって言っていた? それは間違いなく僕だ(笑)!

デイヴィッド:それで僕らのCD買うって言っていたよ(笑)。とにかく、彼らは「ベサメ・ムーチョ」を毎晩プレイしていた。美しいラブ・ソングで、すごくソウルフルなスタンダードだ。大抵、トラディショナルなアレンジでプレイされるんだけど、僕らのヴァージョンは映画のサウンドトラックみたいになった。オーケストラが入って、007シリーズの映画で流れているような。ダークな面が出ているよ。

――では最後に、日本ツアーが発表されましたが、どんな公演になるのでしょう?

デイヴィッド:いい質問だね。いまちょうど、計画中なんだよ。ニュー・アルバムをリリースして、曲をTVやイベントで歌い始めたところだ。レコーディングのときっていろいろ試していて…、君はこのパート、僕はこのパートをやってみるとかハーモニーにしてみようとか、ジグソー・パズルを完成させていくような手順で進めている。それで、アルバムが完成し、曲を消化する時間を持って、どの曲をライヴでやろうか考え始める。いまがその時期だ。ラテン・ツアーにするなら、全部プレイするかもしれない。今回はそうなるかな。ショウの雰囲気が全く違ってくると思う。まだなんとも言えないけど、初めてダンサーを入れのもいいかもしれない。

セバスチャン:僕とウルスがギターをプレイする。

デイヴィッド:そう、2人がギターをプレイする。それって本当に初めてだ…。僕もいま初めて知った(笑)。

カルロス:僕は太鼓とラッパをやるよ(笑)。

デイヴィッド:そう(笑)、いまいろいろ計画している。でも、コンサートに来てくれた人達は、情熱、愛、ロマンチック、そんな感情を抱いて会場を後にするはずだよ。

ラテン・ソングを歌ったイル・ディーヴォのニュー・アルバム『アモール&パシオン』は10月28日、日本先行発売された。2016年4月に札幌、仙台、大阪、名古屋、広島、東京で公演を開く。

PHOTO:MAX DODSON
Ako Suzuki

イル・ディーヴォ『アモール&パシオン』


2015.10.28日本先行発売
\2,800+税
SICP-30850
1.首の差で(ポル・ウナ・カベーサ)
2.抱きしめて(アブラサメ)
3.ドント・ウォナ・ルーズ・ユー(シ・ボイ・ア・ペルデールテ)
4.キサス・キサス・キサス
5.ベサメ・ムーチョ
6.誰だろう(キエン・セラ)
7.帰郷(ボルベール)
8.愛の遍歴(イストリア・デ・ウ・ナモール)
9.あなたなしでは(エレス・トゥー)
10.遠く離れていても(コンティーゴ・エン・ラ・ディスタンシア)
11.かつて愛した人へ
12.喜びのシンフォニー(イムノ・デ・ラ・アレグリア)

<ジャパン・ツアー2016>

●札幌公演
4/14(木) 北海きたえーる
[問]道新プレイガイド 011-241-3871
●仙台公演
4/16(土) ゼビオアリーナ仙台
[問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999 udo.jp
●大阪公演
4/18(月) 大阪城ホール
4/19(火) フェスティバルホール
[問]大阪ウドー音楽事務所 06-6341-4506 udo.jp/Osaka
●名古屋公演
4/20(水) 日本ガイシホール
[問]CBCテレビ事業部 052-241-8118
●広島公演
4/22(金) 広島文化学園HBGホール
[問]HOMEイベントセンター 082-221-7116
YUMEBANCHI 082-249-3571
●東京公演
4/25(月)・26(火)・27(水) 日本武道館
[問]ウドー音楽事務所 03-3402-5999 udo.jp
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