【ライヴレポート】MONORAL、Halloween Partyで「今日はロックスターしばり」

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MONORALが10月31日(土)、Zeppブルーシアター六本木にて<MONORAL presents Halloween Party 2015>を開催、ハロウィンで盛り上がる土曜日の東京でひときわ熱い夜を演出した。

◆MONORAL 画像

デビュー以降、毎年恒例となっているMONORAL主宰<Halloween Party>は、これまでスタンディングホールで行われていたが、今年の会場となったZeppブルーシアター六本木は全席座席指定だ。スタンディング会場とはまったく趣が違う劇場型の会場で、MONORALがどんなショーを魅せてくれるのか。また、VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2015>でも活躍したヴォーカリストAnisは、3週連続のハロウィン・パーティとなり、VAMPS主宰のハロパでは女装姿で連日艶やかにステージを彩っていたAnisの仮装はいかなるものとなるか。相棒であるAli(B)をはじめ、バンドのメンバーたちの仮装にも興味が尽きない。もちろん、どんな楽曲を聴かせてくれるのかも気になるところだ。

900人収容の広い場内には、花魁や赤ずきんちゃん、囚人からガンズ&ローゼズのアクセル・ローズとスラッシュのコンビまで、さまざまな仮装に身を包みつつキチンと着席して開演を待っているのがなんだか微笑ましい。一方、ステージ上にはいくつもの墓石が並んでおり、おどろおどろしいムードを演出している。そんな光景を見ながらBGMに流れるブラックサバス、デヴィッド・ボウイ、ジミ・ヘンドリックス、レディー・ガガらの曲を聴いているうちに、いよいよ開演時間となった。


客電が落ちてステージに現れたのはエルトン・ジョンに扮したバラキ(ナレーター/ミュージシャン)だ。ド派手な衣装でキーボードを弾きながらオープニングパフォーマンスを盛り上げると、「超ド級の友人たち、最高級のスーパーバンドを紹介します!」とMONORALとバンドメンバーを呼び込んだ。

まず登場したのがドラマーの松本淳が扮するレディー・ガガだ。まぶたの上にバッチリ目を描いている徹底ぶりで客席から喝さいを浴びると、続いてはギタリストのPABLOがジミヘンの姿で登場。さらにもう一方のギタリストのアキラはザ・キュアーのロバート・スミスに仮装している。いよいよステージへ登場したMONORALの2人は、Aliが『アラジン・セイン』のジャケットでおなじみのメイクを施したデヴィッド・ボウイ。Anisは黒づくめの衣装に丸いサングラス姿といったオジー・オズボーンでステージへ。全員完璧なまでになり切った見事な仮装で、超豪華ロックスターバンドがここに誕生した。開演前のBGMはそれぞれのアーティストの曲を流し、仮装を予告していたということなのだろう。


場内に雷鳴のようなビートが響き、ブラックサバスのカバー「War Pigs」からライブがスタート。着席スタイルにも関わらずやはりオーディエンスは初っ端から総立ち。2曲目からは「Casbah」「Sparta」といったMONORALのオリジナル曲だが、カバー曲との差はない。ロンドン生まれのAnisはアラビア語、フランス語、英語、日本語など多言語を操るマルチリンガルだけに、観ているこちらも海外ロックバンドの来日公演を観ているような気分にすらなる。それでいて、オリエンタルなスパイスを加えたギターリフやアレンジも秀逸だ。そんなことを思いつつステージを眺めていると、Anisはサングラスに手を添えたりしながらオジーのアクションを再現しつつ、Aliは凛々しいボウイの姿でブンブンとベースを唸らせている。時折、ジミヘン仮装のPABLOと向かい合う姿は、有り得ないロックショーが目の前で繰り広げられているような錯覚に陥れられる。いや、目の前で豪華で贅沢なショウが行われていることはまぎれもない事実だ。

「グッドイブニング! 今日はロックスターしばりの仮装です。誰だかわかる? オジーだよ!」と自らのキャラクターを改めて紹介したAnis。Aliと並ぶモデル体型の2人のシルエットは実にステージ映えして実にカッコいい。ロバート・スミスに仮装したアキラとのやりとりからザ・キュアーの「Friday I'm in love」をAnisがワンコーラス歌うシーンからは、音楽を共有できる仲間とサウンドを鳴らす喜びが伝わってくるよう。Anisのマイクスタンド横には目が赤く光り、鳴き声も発するカラスの人形が置かれているほか、ユーモアたっぷりに繰り広げられる親しみやすいトークも充実のエンターテイメントだ。




また、この日のライブは選曲もベストなもの。「せっかくだから、懐かしい曲をやります」と、2005年リリースの1stアルバム『Petrol』から「Healthy sick Bastard」や「Widow's stool」、アニメ『Ergo Proxy』のオープニングテーマとして知られる「Kiri」などを立て続けに披露した。Anisのヴォーカルは太く男らしいものだが、独特の哀愁を帯びてとりわけバラードは絶品だ。

ライブ中盤には再びテンポアップして「Like You」へ。Anisの歌声は激しさを増し、Aliのパフォーマンスにも熱がこもる。「Perfect Gold」ではPABLOとアキラのツインギターが高度なアンサンブルを描き、松本が叩く絶妙なハイハットのクローズが爆音の中に心地よさを感じさせるなど、バンドメンバーの表現力も豊か。

「実はHYDEさんから衣装のジャケットをお借りしているんですよ」と、<HALLOWEEN PARTY 2015>神戸会場で借りたというジャケットを指さすと「わ~!」とどよめきが起こる。「貸してって言ったんだけど、返さないよね(笑)」とのひとことには場内も笑顔に。



ライヴ後半では、Anisが拡声器を手に「You」へ。こうした歪んだギターサウンドには、90年代のオルタナティヴロックの影響も感じさせるが、メロディはポップでキャッチー。一聴しただけで思わず身体が反応してしまうところが彼らの楽曲に共通している。さらに、前述したとおりバンドの演奏力は抜群だ。メロディを活かすAliの骨太なベースをはじめ、セッションドラマーとしての豊富なキャリアを持つ松本のドラムはタイトなリズムで曲をドライヴさせている。また、バッキングを中心としたPABLOと単音リフやオブリを奏でることも多いアキラのギターアンサンブルも見事。オルタナティブからポップ、ダンス、バラードまで、緊張と緩和を自在に操るバンドサウンドは完成度が高い。ライブは、オーディエンスを客席に座らせてのアンビエントな「Turbulence」から「Session 9」へ。メロディアスな流れでクールかつ熱くチルアウトさせて本編を終了した。

アンコールでは、「1曲目にブラックサバスのカバーをしたんですけど、僕だけ自分(オジー・オズボーン)の曲をやるのはズルいので」と、Aliが扮するデヴィッド・ボウイの「Rebel Rebel」をカバー。その後も豪快な演奏を叩きつけ、コール&レスポンスを繰り返したり、客席中がタオルを回すなどアンコールは多幸感に包まれたもの。さらにWアンコールの声に応えて披露されたラストナンバー「So Long」では、神々しい光の中、バンドサウンドがゆったりとした大河の流れのように場内に広がっていく。その中をたゆたうようなAnisの歌声が伸びやかに、次第に力強さとスケールを増し、エンディングに向かうさまは一夜限りのパーティーを光り輝かせる感動的なものとなった。


すべての演奏を終えたメンバーは客席をバックに全員で記念撮影を行ない、「Thank you so much! 外に出てもまだまだハロウィンは続くよ!」とAnisが告げてステージを降りた。ロックスターの仮装と、それに負けない素晴らしいパフォーマンスからは、彼らの誇り高きミュージシャンシップを感じ取ることができた。また、邦楽も洋楽も超越したロックバンドとしての完成されたサウンドは、類い希なもの。この日集まったオーディエンスにとってもMONORAL=ロックスターという存在感がより大きくなったはずだ。MONORALは11月13日にZEPP TOKYOで行われる<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>へJOINT ACTとして出演することが決定している。

撮影◎緒車寿一

■<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666 (ジョイント スリーシックス)>

2015年11月13日(金)  ZEPP TOKYO
OPEN 18:00 / START(JOINT ACT) 19:06

◆MONORAL オフィシャルサイト
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