楽器に思う存分触れられるイベント<Music Park 2015>レポ、浅倉大介&初音ミクのステージも

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「楽器フェアPresents Music Park 2015」が11月7日(土)、8日(日)に東京・渋谷のベルサール渋谷ガーデン・イベントホールで開催された。

「Music Park」は、今年が初めての開催となった楽器イベント。2年に一度行われる楽器の祭典「楽器フェア」の間の奇数年に3回の開催を予定している。初回となる「Music Park 2015」は“音楽をあそぼう!”をキャッチフレーズに開催。ギター&ベース、ドラム、鍵盤&デジタル楽器、管楽器までさまざまな楽器の魅力を体験できるイベントとなった。楽器フェアと比べると出展社数や展示スペースの規模は縮小されているが、最新モデル、気になる楽器をいち早くチェックできるとあって、多くの来場者が訪れた。

会場は1階とB1階に分かれており、1階にはシンセサイザー、キーボードをはじめとしたデジタル楽器を中心とした「デジタルエリア」、B1階にはギターなどを中心とした「展示エリア」、販売店による「販売エリア」、各社ドラムの試奏ができる「ドラマーズパラダイス2015」のエリアを用意。「イベントメインステージ」のほか、デジタルエリア、販売エリアにもステージが設けられ、ライブやトークショー、デモンストレーションなどが行われた。今回のレポは展示エリアの最新モデル、注目楽器を中心にお届けする。


▲楽器店による販売エリアはB1階。ギター、ベース関連の商品が中心だが、管楽器やシンセも。レアなものからお買い得なアウトレットまで、その場で購入が可能。このほかロビーには音楽学校、出版社などが出展。


▲ドラマーズパラダイス2015のエリアにはGretsch、SONOR、LUDWIG、DW、YAMAHA、Pearl、TAMA、SAKAEなど各ブランドのアコースティックドラムがずらり。会場での申し込みで30分間叩き放題。展示の観覧は申し込み不要。


▲販売エリアの奥には飲食できるレストエリアがあり、お腹が減っても大丈夫。隣接するミニステージでは出展メーカーによるデモンストレーション演奏のほか、アコギ体験ブースで行われた「未経験者限定アコギ弾き語り体験 60分で一曲完奏」を終えた来場者による合奏も披露された。


▲アーティスト出演のステージもイベントの醍醐味。デジタルステージで行われた「KORG×SuGスペシャル・トーク・ショー」(写真左)には、SuGのギタリストyujiとmasatoが出演。ギターを始めた頃の話から愛用のPRSギターの紹介、バンドマンへのメッセージも。メインステージのトップバッターはボカロPによる2つのバンドが出演する「ボカロバンド大バトル! @Music Park 2015」。AGOBOTとbuzzG feat. 夏代孝明(写真右)が出演。


▲デジタルエリアのステージで初日最も盛り上がりを見せたのが、「氏家克典×Gakushi refaceバトル!」。それぞれが4台のreface全モデルを並べその場で音色をエディット、多彩なサウンドとテクニックで会場を沸かせた。ステージ両側にはスクリーンが用意され、プレイがしっかしチェックできる。

■コンパクトなシンセに注目! デジタルエリア

デジタルエリアにはシンセサイザー&キーボード、録音関連、PC関連製品が集合。昨年の楽器フェアで目立ったiOS関連製品は影を潜め、“実際に弾ける楽器”が中心という印象。特にヤマハのrefaceやローランドのRoland Boutiqueといったコンパクトなシンセサイザーが人気を集めた。また、ローランドは90年代に絶大な人気を誇ったDTM音源SC-88Proをソフトウェア化したSOUND CanvasのAU/VSTプラグイン版を初披露、熱心に仕様やその音をチェックする人の姿が見られた。


▲インターネットは発売されたばかりのVOCALOID4ライブラリMegpoid V4を中心に展示。それぞれ2種のライブラリを収録する5種のパッケージをラインナップ。DAWソフトのAbility、Singer Song Writer Liteもハンズオン。ステージではボカロPの虹原ぺぺろん氏を迎えMegpoid V4の発売記念デモンストレーションを。


▲大きなマイクとヘッドホンのオブジェが迎えるオーディオテクニカのブース。50シリーズのマイク(中)や、マイク/ギター用のワイヤレスシステム、ヘッドホンを展示。同社のフラッグシップモデル、密閉型のATH-M70x、オープンエアー型のATH-R70x(写真右)も。


▲コルグは、PRS、Kemper、Aguilar、Warwick、VOX、SAKAE、Nord、moog、KORGブランドからアーティスト使用楽器を展示。写真左はyuji(SuG)、masato(SuG)、TAKE-C(SHAKALABBITS)、吉田一郎(ZAZEN BOYS)、TOKIE、真太郎(UVERworld)の楽器を展示(一部衣装も!)。同一モデルではなく実際に使っている本物だ。中でも目を引いたのが、オリジナルのデザインがわからないほどにペインティングされたH ZETT Mのキーボード(右)。


▲デジタルエリアを入ってすぐ、コルグブースのステージ、ビートルのズナンバーで観客を楽しませたのが、レノン&マッカートニーの100曲を収録したアレンジャー・キーボードLiverpoolのデモンストレーション。


▲カラオケのJOYSOUNDは楽器演奏が楽しめる最新機種JOYSOUND MAXをハンズオン。ローランドとのコラボで楽器サービスが進化、ギター/ベース2系統+ドラム入力でバンド練習にも対応、エフェクターも内蔵する。また、タブレット型のカラオケ検索端末では画面上の鍵盤やドラムを叩いて演奏することも。


▲スタインバーグのブースではCubase PRO、10種のVSTインストゥルメントをパッケージしたAbsolute、iOSにも対応した最新オーディオインターフェイスUR22mkIIを展示。Cubase AIをバンドルした初音ミクデザインのインターネット配信用ミキサーAG03-MIKUも。


▲ヤマハのブースで人気を集めたのは、往年の名機をコンパクトなボディに収め、新開発のミニ鍵盤、スピーカーを搭載したrefaceシリーズ4モデル。写真はFM音源シンセサイザーのreface DXと、オルガン専用のOrgan Flutes音源を搭載したreface YC。カラーリングだけでなく操作子も音源に合わせ異なる。オルガンのYCはもちろんドローバー搭載。


▲こちらはエレクトリックピアノ専用音源SCM音源搭載のreface CPと、アナログシンセサイザーをモデリングしたAN音源搭載のreface CS。踏み込む強さに応じて最適な打感が得られるキックパッドKP100を搭載した最新モデルDTX582Kはじめ電子ドラムDTXシリーズも多数試奏可能な状態でスタンバイ。


▲ローランドで人気はなんといってもRoland Boutique。JUPITER-8、JX-3P、JUNO-106といった歴代の名機を最新のモデリング技術で忠実に再現したコンパクトなシンセだ。電池駆動と小型スピーカー搭載でどこでも楽しめる。写真は左からJP-08、JU-06。


▲Roland Boutiqueのオプションとして用意される専用のミニ・キーボードK-25mは、フラットな状態を含め3段階の角度調整が可能。写真はJX-03との組み合わせ。


▲イベント前日に突如登場が予告されたのが、SOUND Canvas VA。DTMの名機SOUND CanvasがiOSに続きWindows/Macでも蘇る。WindowsはVSTi、MacはAU/VSTiプラグインとして動作するGS互換音源。16パートで最大発音数64だが、プラグインは複数同時使用できるのでパート数はいくらでも増やせる。インサーション・エフェクトを複数同時利用したい場合も同様だ。音色エディター、インサーション・エフェクトのエディット機能を搭載、各種パラメーターのオートメーションにも対応する。発売時期・価格は未定。


▲バンド・ユースの定番JUNOシリーズの最新モデルJUNO-DS、Roland Boutiqueのデモンストレーションはブース内のステージで展開。アナログ/デジタルのクロスオーバーシンセJD-XAや、電子ドラムV-Drumsも試奏可能。写真右は家庭向けのコンパクトなTD-1KV、サウンドをカスタマイズできるTD-25KV-S。


▲日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)のブースでは、団体会員のエムアイセブンジャパン、UVI Sounds and Software、REONの特設ブースを設営。JSPAは、キーボードを弾いてベロシティの値に割り当てられた豪華商品が当たるゲームを実施。大阪のシンセメーカーREONはdriftboxシリーズのシンセなどを展示。最新モデルdriftbox Jは2つのジョイスティックでVCA、CVをコントロール、16ステップのシーケンサーで記録・再生することが可能。


▲こちらもJSPA。エムアイセブンジャパンは、日本初公開となるTom OberheimのTwo Voice Pro Synthesizerをハンズオン(写真左)。トム・オーバーハイムがお気に入りのTwo Voiceを自ら復活させたモデルで、2台分のSEM、シーケンサー、キーボードを内蔵する。UVI Sounds and Softwareは、サンプラーであり多彩なシンセエンジンを搭載したハイブリッドインストゥルメントFalcon(写真右)を展示。バーチャルアナログ、FM、ウェーブテーブル、グラニュラー、オルガンなど15種のオシレーター、80以上のエフェクト、多彩なモジュレーションジェネレーターを装備。必要なパラメーターだけをつまみとして並べられるなど、カスタマイズ機能も搭載する。

■ギター、管楽器、照明まで楽しめる展示エリア

B1階の展示エリアはギター、ベース、ウクレレ関連のメーカー、代理店が出展。アコギ体験ブースでの「未経験者限定アコギ弾き語り体験 60分で一曲完奏」は有料ながらも盛況。また、ヤマハミュージックジャパンでは管楽器・弦楽器の体験コーナー「ヤマハTouch & Try」を実施。初めての楽器に触れられるうれしい企画が揃った。


▲アコギ体験ブース(左)と管楽器・弦楽器の体験コーナー「ヤマハTouch & Try」(右)。


▲イースペックは、学園祭の演出にぴったりなリーズナブルな照明機器やPA機器を展示。ホームパーティに最適、1万円以下で買えるコンパクトなミニレーザー(中)や、SeideのコンデンサーマイクEC-MEの初音ミクカラーなども。


▲STR Guitarsはハイエンドベースを多数展示。桜の木やトチをはじめ高価な国産木材を使ったモデル、ブランド初のアコースティックベースも展示。


▲神田商会はGreco、ZEMAITISのギターを多数展示。ハート型のサウンドホールがキュートなアコギ、ウクレレも。ZEMAITIS COUSTOM SHOPの60週年記念モデル(右)は世界限定10本。


▲鈴木楽器製作所は、HAMMOND STAGE KEYBOARD SK2(左)やトリコロールカラーのメロディオンM-37C plus、ピックアップマイク内蔵の鍵盤ハーモニカエレアコモデル(右)ハーモニカにぴったりな小型多目的アンプSPA-03などを展示。


▲日本エレクトロ・ハーモニックスのブースにはENO Music:XTREMEシリーズの超コンパクトエフェクター、EMMAのディストーションがずらり(左)。人気は6本のエフェクターが同時使用できる充電式パワーサプライPOWER TANK、充電しながら通常の電源供給も行える。右はTaurusのペダル型ギター・アンプ・ヘッドStomp Head。


▲Ibanezの星野楽器販売はアコギ、エレアコ、ウクレレを多数ラインナップ。ウクレレサイズのピッコロギター(左奥中央)や、2016年春発売予定のミニギターやエレアコベースも。


▲山野楽器はRickenbackerのギター、Hofnerのベース、KoAlohaのウクレレを大量展示(左)。Taylor Guitarsからは2015年最新モデルが一堂に(中)。ボディシェイプごとのサウンドの違いを試奏でバッチリチェックできる。Baby Taylorのテイラー・スウィフト・モデルも人気(右)。


▲ヤマハミュージックジャパンのアンプブース。Marshall、EDEN、ヤマハのTHRなどがずらり。写真右は発売されたばかりの小型軽量アンプTHR Headシリーズと専用キャビネット、THR100H & THRC112とTHR100HD & THRC212。アンプタイプ、真空管タイプ、動作クラスを選択することで幅広い音作りが可能。THR100HDはデュアルアンプモデル。


▲ヤマハミュージックジャパンのギター/ベースブース。エレキギターPACIFICAやベースBB、アコギのLシリーズやサイレントギター、FISHMANのアンプ/プリアンプなど幅広くラインナップ。防音の試奏ブースも用意(右)。


▲Line 6のブースでは間もなく発売されるギタープロセッサーの新フラッグシップモデルHELIXをメインに展開。iOSやAndroidでコントロールできるマルチエフェクトプロセッサーFirehawk FX、POD HD500X(右)ほか、ギターワイヤレスシステムも。


▲ローランドは展示エリアではBOSSブランド製品を中心にラインナップ。大量のコンパクトペダルはいつ見ても圧巻。写真右は新製品の高音質リバーブペダルRV-6、高音質と使いやすさを究めたディレイペダルDD-500。


▲ローランドのギターアンプJCシリーズの最新モデルJC-40やBlues Cubeも各種ペダルと合わせて試奏可能。エフェクター感覚で使用できるギターシンセSY-300(写真右手前)やギタープロセッサーも用意。


▲DCT JAPANはアコギ、ウクレレを大量展示。ウクレレベースはフレットレスモデルも用意(左、右)。モリダイラ楽器はMorrisの7弦バリトンはじめルシアーメイドモデルなどを展示(右)。

■浅倉大介と初音ミクがコラボ!


▲左からクリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉さん、浅倉大介さん、ボカロPの黒田亜津さん。スクリーンにはVOCALOID Editor for Cubaseの画面が映し出され、黒田さんが浅倉さんに使い方や調声について説明する場面も。

イベント初日メインステージのラストを飾ったのは「DAISUKE ASAKURA meets 初音ミク」。浅倉大介と初音ミクのコラボレーションによるライブだ。ステージは、浅倉さんに加え、初音ミクの制作・企画・開発を行っているクリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉さん、今回のコラボで初音ミクの「歌わせ係」を務めたボカロPの黒田亜津さんによるトークからスタート。

accessのファンだという佐々木さんは、貴水博之さんの高い声や同社のVOCALOIDキャラクターのモチーフになっているDX7やEOSの高い音に魅力を感じ、それが初音ミクの開発に生かされたというエピソードを紹介。今回演奏される楽曲については、浅倉さんから送られてきた曲を黒田さんがメロディを聴き取り、来年リリース予定の初音ミクの新バージョのプロトタイプでボーカルトラックを作成、それが再び浅倉さんに送られ、ミックスなどをほどこし完成に至っていると説明。黒田さんが作ったボーカルトラック、ハーモニーについて「初音ミクV4で作られたボーカルトラックがすごいんですよ、歌詞カードがなくても言葉がはっきり聞こえる」と浅倉さん。それを受け佐々木さんは「子音などの聴き取りやすさは細かく周波数を分析してチューニングしている」と説明、さらに「リハでミクが歌っているのを聞いて、ものすごくマッチングがよくて。初音ミクが浅倉さんに影響を受けて……、このために初音ミクを作ったんだ」と感動を隠せない様子。

また、浅倉さんが「今日は僕の曲に初音ミクさんの声がコラボしますけど、いろいろ今回やってみて逆もしてみたいなって……、ミクのために曲を作るとかもしてみたい」と発言すると、「このコラボの延長線上で、初音ミクをもうちょっとキラキラした音だとかに合うようなチューニングをしたい。浅倉さんのようなテクノポップっぽい楽曲にも合うようなカスタムの初音ミクを作る予定」と佐々木さん。VOCALOIDはもともと電子音なので、電子音の中に入れて声を前に出すのはむずかしいという浅倉さんは「すごく欲しいです」と、今後に期待を寄せる。「(VOCALOIDが)どんどん賢くなっていって、人間の声ではできないけど、言葉を表現できるものというので追求していったら、またひとつ新しい音楽ジャンルが広がるんじゃないのかな」(浅倉さん)。

その後20分以上に渡るライブはヤマハの最新シンセであるrefaceを4モデル並べスタート。お気に入りというFM音源搭載のreface DX、バーチャルアナログシンセreface CSをメインに、これぞシンセという迫力のサウンドを奏でつつ、初音ミクの声を細かく切り刻んだようなグリッチサウンドもリアルタイムでコントロール、伸びやかなボーカルが流れると、この日一番の来場者を集めた満員のホールが大きな高揚感に包まれた。



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