ヴェノモス・コンセプト、グラインド・コアな新作完成

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ナパーム・デスとブルータル・トゥルースのメンバーによるエクストリーム・スーパー・プロジェクト:ヴェノモス・コンセプトが、8年振りのアルバムを1月6日に日本先行発売する。全23曲、1曲あたりの平均時間が1分半ばとハード・コア・ファンの期待を裏切らない速度と切れ味を備えた期待の新作だ。

◆ヴェノモス・コンセプト画像

2004年に結成されたヴェノモス・コンセプトは、ナパーム・デスのシェイン・エンバリー(B)とダニー・ヘレーラ(Dr)、ブルータル・トゥルースのフロントマン、ケヴィン・シャープ(Vo)、そして彼らの盟友であるメルヴィンズのバズ・オズボーン(G)というメンバーで結成された。各メンバーのルーツである“1980年代のハードコア・パンクの再現”をコンセプトに、ブラック・フラッグやポイズン・アイディアといったオリジネイター/第1世代のハードコア・スタイルを第2世代の牽引者である彼らがプレイするものであり、ハード・ロック・バンドやメタル・バンドがディスチャージをカヴァーしたり“パンク・スタイル”をプレイするのとは一線を画したものと言える。

2004年にマイク・パットン(フェイス・ノー・モア)が主宰するイペキャック・レコーディングスからリリースされた1stアルバム『レトロアクティヴ・アボーション』は、それを証明するかのようにシージやスカンディナビアン・ハードコアを思わせるトラディショナルなグレースケールのカヴァー・アートで登場してみせた。ジャパニーズ・ハードコア直系のドライヴィンなスタイルから、ヘレシーなどを想起させるプレ・グラインドコアのフィーリングを持つファスト・チューン、そして彼らがこれまでにカヴァーを披露してきたMDCやデッド・ケネディーズに通じるブラック・ユーモアまでを網羅し、かつそれぞれのキャリアと貫禄が滲み出る傑作となった。その勢いのままに2年後の2006年にはレイト90s~00s最強の東京グラインドコア、324とのスプリット作『Making Friends Vol.1』を名門HG Factよりリリースしており、このスプリット相手やレーベルのセレクトからも、彼らのパンク・スピリットが窺えるというものだ


2008年のバズ・オズボーン脱退後、エンバリーがベースからギターにシフトし、ベーシストとしてミスター・ブルータル・トゥルース、ダニー・リルカーが加入することとなり、完全にナパーム・デスとブルータル・トゥルースのハーフ&ハーフとなった。ドイツのセンチュリー・メディア・レコーズより2ndアルバム『ポイズンド・アップル』をリリースした際は、前作から一転してキッチュかつシニカルなカヴァー・アートとなっているものの、音楽スタイルはそのまま継続されナパーム・デスとの縁も深い英国ハードコア・パンクのレジェンド、エクストリーム・ノイズ・テラーのオリジナルシンガー、フィル・ヴェインがゲスト参加というトピックで世界中のハード・コアファンを喜ばせた。さらに同年にはオーストラリアの名物ロッキン・グラインド、ブラッド・ダスターとのスプリット作をリリース、そして2年後の2010年にはヴェノモス・コンセプトとして日本初上陸、ナパーム・デスとのジャパン・ツアーを敢行している。

現在は2014年のナパーム・デス来日公演でミッチ・ハリスの代役を務めたギタリスト、ジョン・クークが加入し、ヴェノモス・コンセプトは5人体制となった。3作目となる本作『キック・ミー・シリー VC III』では、各要素の配置バランスが格段に向上し、オールド・スクールのハード・コアへのリスペクトからスタートしたプロジェクトは、もはや“ヴェノモス・コンセプト”スタイルとも言うべきサウンドへと進化を遂げている。日本盤にはLPヴァージョンに収録されている「ロケット・サイエンス」がボーナス・トラックとして追加される見込みだ。

ヴェノモス・コンセプト
・ケヴィン・シャープ(Vo)
・ダニー・リルカー(B)
・ダニー・ヘレーラ(Dr)
・ジョン・クーク(G、Vo)
・シェイン・エンバリー(G、Vo)

ヴェノモス・コンセプト『キック・ミー・シリー VC III』



2016年1月6日 日本先行発売
【通常盤CD/歌詞対訳付/日本語解説書封入】2,500円+税
【通販限定CD/Tシャツ/歌詞対訳付/日本語解説書封入】5,000円+税
1.ライズ
2.ビジー・ウィズ・ユア・デット
3.アンセム
4.ポーターズ・グラウンド
5.ヒューマン・ウェイスト
6.レパー・ドッグ
7.ファーム・ボーイ
8.ヘッド・オン・ア・スティック
9.プリテンド
10.チーズバーガー
11.フォーエヴァー・ウォー
12.グッド・タイムス
13.プリティ・オン・ザ・インサイド
14.ホリディ・イン・スイス
15.ファックド・イン・チェコ
16.ネック・タイ
17.フロンタル・ローブ
18.デイ・ケア
19.クァジモド
20.バーニング・ファティーグ
21.ロケット・サイエンス
22.ロケット・サイエンス(LPヴァージョン)(日本盤限定ボーナス・トラック)
23.ピッシング・マッチ(エクストラ)(ボーナス・トラック)

◆ヴェノモス・コンセプト『キック・ミー・シリー VC III』オフィシャルページ
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