【ライブレポート】三浦大知の10周年FEVERツアー終了。「みなさんとの思い出が、三浦大知を歌わせるパワーの源」

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全国21公演で4万5000人を動員した三浦大知の全国ツアー<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2015 “FEVER”>が、11月13日に中野サンプラザでファイナルを迎えた。

最終日ということで、いつにも増してファンの期待感が高まっていた会場。開演前からクラップが巻き起こり、すでにどこかで公演を観たという人、今回初めてツアーを観る人、初めて三浦大知のライブを観るという人、いろんな人たちのいろんな興奮が熱を帯びる。まさに開演前からひとりひとりの胸の内でFEVERはふつふつと沸き上がっているのである。

開演時間を少し過ぎ暗転。三浦大知のエンターテインメントショウのはじまりを告げるオープニング映像が映し出されると、悲鳴にも似た「大知ー!」の歓声がいたるところから飛んでくる。そして1曲目の「Supa Dupa Paper Plane」で、オーディエンスの感情が解き放たれれば、即座にフロアは熱狂モードに突入していく。そのままハッピーチューン「Welcome!」では、今回のツアー演出の中でも初日から驚きをもって迎え入れられたトランポリンが登場。コミカルさも加わって、ダンサーズも大知も飛んで跳ねての大騒動に。自然と笑顔がこぼれてしまう瞬間でもある。

そうかと思えば、興奮を加速させるような迫力のドラムのサウンドにしびれる「I'm On Fire」では、早替えにワンハンドで側転も決めて早くもかっこいいの最上級を見せつける。本人はかつて「かっこいいの最上級は爆笑」と言っていたが、最上級は本当に笑いなのか、それとも感動か(「かっこよすぎて泣く」という経験をした人もいるはず)。眼前で繰り広げられる圧倒的なステージングに興奮を覚えながらも、同時に両方の、もしくはどちらか一方の感情に襲われていたという観客も多かったことだろう(なお、毎回「I'm On Fire」で“かっこいいの最上級”の話が出るかというと、この曲のMVについて、大知がまさに“かっこいいの最上級”について楽しそうに語ってくれたからである)。

「<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2015 “FEVER”>ファイナル、in 中野サンプラザにみなさんようこそ! 本当にたくさんの方が集まってくださって、ありがとうございます。」

「今日は、みなさんと“FEVER”したいわけですよ!」と語る大知。そして「今日、僕がみなさんに伝えたいことっていうのはこういうことなんです。つまり……」と、MCからそのままツアーのタイトル(そしてアルバムのタイトル曲)としても掲げられている「FEVER」になだれ込む。ホットにクールに、そしてセクシーなビートで思わず体が動き出せば、それこそがまさしく理屈じゃない三浦大知の音楽に対して体がみせる“気づき”。そしてここからはもう、高揚していくエモーションで誘われるがままに心のフラッグもはためく。そのモーションひとつひとつに目が離せなくなり、大知が生み出す求心力に引き寄せられていく。

ダンスナンバーでは、三浦大知が大知クルーひとりひとりと直接ダンス対決。そもそもs**t kingzをはじめとしてダンサーズは世界基準のスキルであるということ。それにまったく見劣りしない三浦大知のダンススキル。そんな驚愕の事実すら忘れさせてしまう、両者一歩も譲らない展開は、観客を大いに楽しませる。

「ふれあうだけで~Always with you~」からのバラードでは、アコギに持ち替えた上條頌の奏でるギターの音色ともあいまって、大知の包み込むような歌声が序盤の興奮を落ち着かせ、静かに感情を震わせる。大知とバンドが楽しみながらセッションしているのが伝わってくる「I Remember」で、大知は音の中でなんとも楽しそうに、気持ちよさそうに両手を広げて泳ぐ。

コレオビデオにおける菅原小春との鬼気迫るバキバキのシンクロが、長年、三浦大知を観てきた副作用で“世界基準”をも越える作品ですら、“少しの驚きとともに普通に受け入れてきた人たち”にも大きな衝撃を与えることになった「Unlock」。ツアーでもこのナンバーは中盤の火付け役。大知は歌いながらなのにも関わらず、ダンサーズとこれでもかというほどに“三浦基準”のパフォーマンスを見せつけて、最後には手元のマイクをくるり。見事なまでにキマる姿に、中野サンプラザは大きな歓声に沸き、ひとりひとりが三浦大知に心踊らされ、またもや一気にFEVERする。

そして本ツアーの一番の目玉だった「One Shot」。“三浦大知 meets ロック”とも言うべきこの曲に対して、本ツアーで大知は、ドラムを叩きながら歌うという演出をぶつけてきた。もちろん三浦大知がドラムパフォーマンスを披露したのは本ツアーが初めて。普段はダンスでビートを表現する大知が、自ら力強いビードを生み出しながらシャウトする姿。初日からファイナルまで各公演、大きな驚きをもって迎えられたなんてことは書くまでもないことだろう。
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