【インタビュー】flumpool、地元野外ライブ映像作リリースに「家族にしか見せない表情が」

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flumpoolの最新ライブ映像作品『flumpool 真夏の野外★LIVE 2015 「FOR ROOTS」 ~オオサカ・フィールズ・フォーエバー~ at OSAKA OIZUMI RYOKUCHI』が、11月18日にリリースされる。これは2015年8月8日と9日にメンバーのふるさとである大阪・大泉緑地で行なわれた初の単独野外ライブを収録したもの。DISC1には2日目の模様を全曲、DISC2にはライブ決定時からのエピソードやリハーサル風景、そして当日のドキュメンタリーなどを収めた2枚組となる。

◆flumpool 画像

このインタビューでは、“これまでで最高の映像作品”とメンバーが口を揃えるその内容と、12月30日および31日に行われる初の単独カウントダウンライブ<flumpool COUNTDOWN LIVE 2015→2016「ヒツジの皮を被ったサルたちの歌合戦」>への意気込み、映画&TVシリーズ『亜人』の主題歌として制作されたニューシングル「夜は眠れるかい?」について話を訊いた。

   ◆   ◆   ◆


■“今自分たちにあるものは何だろう?”という
■バンドとしての存在を再確認する意味があった

──まずは、野外ライブの映像作品の話から。あらためて作品として見た時に、何を感じますか。

隆太:これが何作目の映像作品かはわからないですけど、一番見応えがあるし、客観的に見て一番いいなと思います。あと、みんなで映像を確認していた時に思ったことは、本物よりも暑くないぶん、いいなと(笑)。

──あはは。確かに。

隆太:野外だから、表情も屋内でやってる時とは違うんですよね。僕らもそうですし、来てくれた人もそうですけど、人の力が溢れているというか。何度も見たくなるライブだなと思います。

誠司:僕も、今までで一番好きかもしれない。特にDISC2のドキュメンタリーのほうが。3人の地元ということをすごく強く感じる作品になったと思うし、途中で隆太が「子供の頃に遊んでいた場所にこんなに人が集まるなんて夢のようです」みたいなことを言うんですけど、地元でないとその言葉は出て来ないと思うんですよね。演奏もやっぱり熱の入れ方が違うし、今までのライブももちろん力が入ってたんですけど、それとはまた違ったライブになっているというのが、見ていてすごく伝わってくるので。

隆太:確かに。

誠司:それを今までより強く感じるから、見ててすごく面白いのかなと思います。僕も3人の地元に自分もいるんだという気持ちになれたし、みんなも“ここが幼なじみのflumpoolが育って来た場所なんだ”ということがわかると思うので、すごく面白いなと思いました。

──元気くんの思う、見どころというと?

元気:やっぱり、あれですね。要所要所に、画面の下に気温を出してもらったんですけど、それでもやっぱり伝わらないんですよ。あんなに暑かったのに、それが全然伝わってこない!と思って。

──それが見どころ?(笑)。

元気:文字だけで37度とか書いてあるのを、見てる人はさらっと流すでしょ。もっとしんどかったぞ!と言いたいです。

──わかりました(笑)。

元気:ドキュメンタリーのほうに、初日の大雨の様子が入ってるじゃないですか。あの土砂降りも、もっと土砂降りだったんですよ! 全然伝わらないから、“雨エフェクト足してくれ”って言ったんですけど、さすがに採用されなかった(笑)。

隆太:なんなんだよ、そのこだわりは(笑)。しんどかったことを伝えたいという。

誠司:喜びを伝えろ!(笑)。

──一生くんの、見どころは?

一生:そうですね……画質がいい。

──そこですか(笑)。

一生:野外だし、すごい解放感が、室内の映像とは違うんですよね。空の色がすごいし。

元気:(冷静に)色と画質は違うから。

隆太:一生の見どころは、あのシーンじゃない? 水着ダンサーと絡むところ。

一生:やめて! あとで見たらキモいな~と思った。胸の谷間に顔をうずめる勢いで、ガンガン行ってるつもりでいたんだけど、あんなに腰が引けてるとは思わなかった(笑)。

隆太:ドキュメンタリーにはそういう、映したくないところも細かく入ってるので(笑)。ライブのシーンも、当日スカパー!で生中継したものとはまた違うんですよ。編集し直してるんで、映してほしいところをちゃんと拾ってくれてるし。今回初めて、お客さんに囲まれて、サブステージで向かい合って演奏したんですよ。その画もちゃんと俯瞰で映してたり、実際に見ていたものとはまた違った視点も入っているので、来てくれた人も楽しめると思うんですよね。

──楽曲として、特に印象的なものというと?

隆太:「大切なものは君以外に見当たらなくて」は、すごく良かったと思います。現役の中学生たちである母校の後輩や、僕が教育実習をしていた時の生徒や、一緒にライブを作ってくれたマーチングバンドのLegend of ANGELSや、みんなでステージに立って歌ったんですけど。アコースティックギター1本で、大泉緑地に来てくれた全員で歌ったのは、すごい感動的でしたね。野外でアコギでみんなで歌うのは僕らの原点である路上ライブっぽいし、この歌は自分たちの中でもライブのへそだと思っていたので。野外ライブは、ふるさとに凱旋という意味もありましたけど、それ以上に“今自分たちにあるものは何だろう?”という、バンドとしての存在を再確認するという意味があった。だから、あそこに集まってくれた人の大合唱はすごく感動的でした。それがちゃんと映像に入っているのがうれしいですね。あのシーンを見るだけで、あの日に戻った感覚になるというか、すごくいいシーンだったと思います。

一生:そういう意味では、「reboot_~あきらめない詩~」につながるSEの部分もいいシーンだった。あのSEは僕が作ったんですけど、映像や演出は当日までリアルには見ることが出来なかったんで。実際に目の当たりにして、あそこは一番感動しました。

隆太:映画みたいだった。花が咲くシーンとか、まさに“再生”で。

一生:見入ってしまって、ステージまでめっちゃゆっくり歩いて行った。間に合わないところでした(笑)。

元気:初日、雨のあとは特に良かったよね。

隆太:あと、「夏よ止めないで_~You’re Romantic~」は気持ち良かったな。夏に向けて作ったんですけど、あそこまでハマるとは思わなかった。空も晴れて、緑の中で、一度きりの夏を楽しみたいという全員の思いが、一個になった感じがしましたね。“この瞬間を忘れたくない”という。

誠司:僕は「Sprechchor」かな。もちろんアガる楽曲だなとは思ってたんですけど、そんなに浸透してないと思ってたから、言うほど盛り上がらないだろうと思ってたんですけど……意外や意外、ハマるし、アガるし、すごくいいライブ楽曲だなと思いました。

元気:俺、あの曲が一番好きかもしれない。

隆太:確かに、ハマッたな。この曲は元気がやりたいと言ったんですよ。僕も盛り上がらないと思ったから、いかに元気を説得しようかと考えてたんですけど(笑)。

元気:やっぱりね、なんだかんだ言って、俺が一番好きなんですよ。flumpoolのことが。

全員:ははは(笑)。

元気:批判的な面もあるけど、一番冷静に見てるんですよ。flumpoolが誰よりも好きで、誰よりも嫌いかもしれない。

隆太:それ、カッコええな。

──では、この映像作品を手にとる方へメッセージを。

隆太:自分たちにとって初めての単独野外ライブだし、誠司が言ったように、生まれ育った大切なふるさとの空の下でやったライブだったので。大阪城ホール、横浜アリーナ、武道館とかもいい思い出があるんですけど、それとはまた違ったホーム感というのかな。家族にしか見せない表情とか、ちょっと安心してる感じとか、穏やかな部分をすごく見せられたと思います。実際はかなり過酷な環境だったんですけど、それ以上に帰って来れたという幸福感が溢れていて、それがいいのか悪いのかはわからないけど、ここでしか見れないものだし、ほかの映像作品とは全然違うものだと思います。来れなかった人にはぜひそれを感じ取ってほしいし、もう一回新たに音楽を届けて行くスタート地点ができたので、それが作品になったことはすごくうれしいです。何回も見てほしいですね。僕も何回見てるし、見るたびに新たな発見があるんじゃないかと思えるぐらい、内容が盛りだくさんになってると思います。

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