【連載】「藤田麻衣子の恋愛相談室」 case16 ～自分の足で立つ～

こんにちは。シンガーソングライターの藤田麻衣子です。

「藤田麻衣子の恋愛相談室」ということで、みなさんといろんな恋愛話がしたい！というこの連載。今回もたくさんのおたより、ありがとうございます。

前回はみなさんのおたよりから「解決しないまま、時間は進んでいく」について恋愛話をしました。

今回はいつも以上におたよりをたくさんいただき、おたよりを選ぶのに迷いました……。
ご紹介できなかったおたよりも、また今度読ませていただくこともあります。
送ってくださったみなさん、ありがとうございます。

今回は恋愛や夢や家族など、狭間で揺れている方々のおたよりです。共感がたくさんでした！

　　◆　　◆　　◆　　

ペンネーム：鉢乃（東京都/女性）

私は来年から就活生なのですが、今悩んでいることがあります。
それは地元の北海道に帰るか、彼のいる東京に残るか、です。

たくさんの演劇や音楽に触れたくて上京しましたが、このまま一生こちらに住むとなると、その覚悟がありません。

やはり都会の喧騒になれないというのもありますが、1番の理由は親です。
兄が今年から東京で就職しているので、私が帰らなければ親になにかあった際すぐに駆け付けることが出来ません。

上京の際、両親ともに私には何も言いませんでしたが、父親は兄に色々と心配事をぶつけていたそうです。
母親はこちらで恋人ができたことを喜んでくれていますが、私がこちらにずっと住むと言えばどう思うか……。
それらを踏まえれば素直にUターン就職するべきなのですが、私にはこちらで出来た恋人がいます。

初めて出来た恋人で、優しくて素敵な人で、地元に戻って彼以上の人には出会えないと思える人です。
彼は一人っ子ですから、親元を離れて北海道へ来て欲しいなんて言えません。
（今のところ彼は地元の埼玉県で地方公務員を目指しています）

彼に相談するべきだとは思うのですが、地元と彼を比べていることで彼がどんな反応をするのか、怖くていまだ聞けずにいます。将来の話をすることがあるので、将来がないとなればすぐ別れることになるかもしれません。それも怖いです。
将来の話を聞くたび苦しくなります。

東京は好きですがこんなことなら東京に来なければよかったとか、彼を好きにならなければよかったとか、そんなことまで考えてしまいます。私は随分と甘い気持ちで地元を離れてしまったのだなと痛感しています。

麻衣子さんや周りの方で、こんな状況になった方はいますか？

　　◆　　◆

なるほど。もうすぐ就活なんですね。

今東京に来ているなら、まず上京すること自体とても大変だったり勇気がいることで、一度でも出てこられたなら、私はこのまま東京でがんばってみるのもいいんじゃないかなと思います。ずっと住むかどうかも、まだ今の年齢で決めなくても「とりあえずもう少し住んでみる」でいいと思います。彼が好きならそばにいればいいのではないでしょうか。

彼には夢があるわけだから、地元に来てとは言えないですね……。

地元は、帰りたくなったらいつでも帰れる場所だと思います。
夢でも仕事でも恋愛でもなんでも、悔いのないところまでやって気が済んでから地元に帰るほうが、いいんじゃないのかなと。

親のことが心配な気持ちはとてもわかりますが、一人っ子の人が上京したら親のそばに子どもが一人もいなくなるおうちもありますよね。細かい事情を知らずに言うのはよくないかもしれませんが……。これから就活だっていう若い年齢なんだから、親とか彼とか身近な人だけを見つめるだけじゃなくて、東京にもしこのまま残るとしたら数年後どんな自分になりたいか想像とかしてみたらどうでしょう……可能性があっておもしろい場所にせっかくいるんだから、こっちで就活をがんばってみるのもいいんじゃないかなと思いますよ。

彼と将来の話をすることもいいとは思いますが、これから目指しているものがある彼に結婚の話を出したり、ましてや地元に来てほしいという話をするのはまだ早すぎると思うので、彼のそばにいたいと思う気持ちでまずは自分の生活力を東京で身につけよう！という感じがいいような気がします。

がんばってみるのは無駄にはなりませんからね。

覚悟は、初めはなくても大丈夫です。いろんなことが起きるたびに、自然と覚悟できていくものだと思うので、私もずっと東京に来て覚悟とかはありませんでしたよ。ずっと東京で生きていくとかも特に決めてないし、ただその時その時で、やりたいことや一緒にいたい人はこの街にいたから、今もいます。

選択しなきゃいけない時は悩みますよね。誰かのためじゃなく、自分の心はどうしたいのか、自分と向き合ってみてくださいね！応援しています。