【ライブレポート】サンダー、観衆の心をロールさせる普段着のブリティッシュ・ロック

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最新アルバム『ワンダー・デイズ』を引っ提げて、サンダーが11月30日東京・六本木EXシアターで来日公演を行った。

◆サンダー画像

1990年のデビューから25年、彼らのタイムレスなブリティッシュ・ロックは常に我々の全身を熱くしてきた。<ラウド・パーク14>での熱演も記憶に新しい彼らだが、この日も元気いっぱいのステージ・パフォーマンスで魅せてくれた。

「ワンダー・デイズ」「ブラック・ウォーター」と、オープニングから新作の曲で畳みかける。それは彼らが過去のクラシックスに依存するだけでなく、常に前進を続けるバンドであることを証明するものだ。バンドの演奏にファン達は沸き上がり、ルークとシンガーのダニー・ボウズが一瞬驚いたように顔を見合わせて、すぐに笑顔になったのも納得だ。

しかし場内が本格的にヒートアップしたのは「リヴァー・オブ・ペイン」からだった。20年間演奏され続けながら緊張感を失わないこの曲は、サンダーのハード・サイドを代表するアップテンポ・ナンバーだ。


ダニーの伸びやかでソウルフルなヴォーカルは歴代の来日公演でも最上級の絶好調ぶりだったし、ルークのギブソン・レスポールから弾き出される艶気のあるリフとリードも、そんじょそこいらの若僧には出せない円熟味を伴っている。ベン・マシューズのギターとクリス・チャイルズのベースも、バンドをバックアップしながら独自の存在感を放つものだ。

彼らが『ワンダー・デイズ』の楽曲に絶対の自信を持っていることは、<ラウド・パーク14>でまだアルバムが発売前だったにも拘わらず「ワンダー・デイズ」「ザ・シング・アイ・ウォント」が披露されたことからも明らかだ。今回の来日ではさらに「リザレクション・デイ」「ブロークン」「ホェン・ザ・ミュージック・プレイド」「サーペンティン」が追加されたが、いずれもサンダーならではの濃厚な味わいで楽しませてくれた。

一方、往年のクラシックスも「バックストリート・シンフォニー」で骨のあるブリティッシュ節を聴かせ、「アイル・ビー・ウェイティング」「ラヴ・ウォークド・イン」のバラードで泣かせる。比較的最近のナンバーである「ザ・デヴィル・メイド・ミー・ドゥ・イット」「アイ・ラヴ・ユー・モア・ザン・ロックンロール」の心地よいグルーヴ感もユルい盛り上がりを見せていた。

そしてもちろん、これがなければサンダーのショーが終わらないのが「ダーティー・ラヴ」だ。観客をじらしにじらしたあげく、オープニング・リフのカッティングが始まると、パーティーは最高潮だ。ダニーは歌いながらステージ上を走り回り、独特のアクションを交えながら、ファンを歌わせ、ジャンプさせる。彼らに残されたエネルギーを最後まで絞り尽くさせて、彼らのショーはフィナーレを迎えた。

派手なコスチュームも、ステージ・セットもない。だが彼らは、虚飾を必要としない普段着のブリティッシュ・ロックで観衆の心をロールしてくれた。また遠くない将来、彼らは日本でプレイしてくれるだろう。サンダーの“ワンダー・デイズ”は終わらない。

来週初めには、最新作となるライヴCDとライヴ映像やドキュメンタリーが網羅された、ライヴ・アンソロジー超大作が発表される。



ライプレポート:山崎智之
写真:有賀幹夫

<サンダー来日公演 11月30日@東京・六本木EXシアター>

1.Wonder Days
2.Black Water
3.River of Pain
4.Resurrection Day
5.Broken
6.The Devil Made Me Do It
7.Backstreet Symphony
8.I'll Be Waiting
9.The Thing I Want
10.When the Music Played
11.Love Walked In
12.I Love You More Than Rock 'N' Roll
Encore
1.Low Life In High Places
2.Serpentine
3.Dirty Love

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