【鼎談】逹瑯×seek×一聖、<Tokyo Chaos>を語る「これがないと寂しいよね」

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毎年恒例V系シーンの集大成ともいえるカウントダウンライヴイベント<Over The Edge>が、タイトルも新たに<Tokyo Chaos 2015>として2015年12月31日、国立代々木競技場 第2体育館にて開催される。2015年のV系シーンを魅力的なものにした全14組の出演アーティストに加え、目玉企画“お年玉セッションバンド”は参加メンバー発表後から話題騒然。大晦日を大いに盛り上げること受け合いだ。

◆<Tokyo Chaos 2015>鼎談 画像

<Over The Edge>のスタートは2007年。2015年で9回目を迎える同イベントは、シーンの隆盛と変遷を映す鏡であると同時に、数々の事件やハチャメチャエピソードをその歴史に刻んできた。BARKSではMUCCの逹瑯、Mix Speaker's,Inc.のseekといったイベント始動時からの主催幹事メンバーに、新世代代表としてBugLugの一聖を加えた3名による鼎談を行なった。同イベントのコンセプトをはじめ、知られざる楽屋裏、改名と会場変更、そして2015年の見どころまで、アグレッシヴな歩みを続ける<Tokyo Chaos>のすべてを訊いた長編トークセッションをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■仲間内でワイワイやってるイベントだから
■バックヤードもホントDIYって感じ──逹瑯(MUCC)

▲逹瑯(MUCC)

──2007年に始まった<OVER THE EDGE>も、今やヴィジュアルシーンではお馴染みの年越しイベントとなりましたが、なんと2015年で9回目を迎えますね。

逹瑯:9回目!? そんなにやってんだね。

seek:そんなに経ちますか……。

──イベント立ち上げの言いだしっぺである逹瑯さんは、こんなに続くと思ってました?

逹瑯:いや、別に始めようとも続けようとも思ってたわけじゃなく。単純にMUCCが始まってから年越しは毎年、地元の水戸ライトハウスで同郷のラヴィアンローズと一緒にイベントやってたわけですよ。もう、昼から集まって楽屋でワイワイしながら、酒飲んでライヴやって、終わったら打ち上げ行くぞ!みたいな。ま、地元の仲間みんな集まっての忘年会みたいな感じですよね。だけどラヴィアンローズが解散しちゃったから、ウチらだけでやるのもなぁ……ってことで、当時のマネージャーに「同じようなノリで、なんかイベントできないですかね?」って相談したんです。そうしたら、いろんな事務所に掛け合ってくれて。これ、ホントは第一回目って代々木第二体育館でやるはずだったんですよ。

seek:企画当初の予定では?

逹瑯:そう。その年の大晦日はMERRYが渋谷公会堂をキープしてたんですけど、結局MERRYがやらないことになったんで、じゃあ、渋公をくれ!と。代々木第二体育館は昼間に他のイベントが入ってたから、夜からしか使えなかったんですよね。

seek:確か最初の年は、一部と二部に分かれてましたね。ウチが一部でMUCCが二部で、二部のセッションにメンバーが出させてもらったり。

▲seek(Mix Speaker's,Inc.)

──そこから2014年までの8回を渋谷公会堂で開催し続けて、建て替えに伴う閉館により、2015年は9年越しで当初の予定だった代々木第二体育館に場を移すことになったと。Mix Speaker’s,Inc.は、このイベント皆勤賞ですよね。

seek:そうなんです。今、皆勤なのって僕らとheidi.なんですよね。その2バンドのみになっちゃったんで、振り返ると寂しさを感じるときはありますけど。

逹瑯:俺が言いだしっぺだから、俺とかMUCCがやってるイベントって見られがちですけど、ウチらが出なかった年もあるんですよね。どこかが旗振ってやってる商業ベースのライヴではなく、いろんな音楽事務所で仕事を分担して、仲間内でワイワイやってるイベントだから、バックヤードもホントDIYって感じで。みんなからの差し入れで成り立ってる飲み部屋があったり、そういうところが他のイベントと違って楽しいんですよ。

──ちなみに一聖さんは<OVER THE EDGE>というイベントについて、いつ頃からご存じでした?

一聖:もう、BugLugをやる前から知っていて、やっぱり憧れのイベントでしたよね。ヴィジュアル系のすごく大きな年末イベントっていうイメージがあったので、どうやったら出られるんだろう? いつか絶対出たい!って、ずっと思ってました。

逹瑯:BugLugって今、結成何年目?

一聖:今年で5年ですね。

逹瑯:まだ5年!? その前は何してたの?

一聖:もともと十代からヴィジュアル系のバンドをやってたんですけど、このバンドを始める前はブランクが2年くらいありました。

逹瑯:で、今年で出るの何回目?

一聖:2012年からなんで4回目です。最初の年は出順が年始の一番目で、メチャメチャ緊張しました!

▲一聖(BugLug)

──2012年はカウントダウンから年始一発目に雪崩れ込むんじゃなく、いったん幕が閉まってからのスタートだったので、よけいに緊張するシチュエーションでしたよね。

逹瑯:そのへんの流れも年によって違うんですよ。一つのバンドの持ち時間の中でカウントダウンをやる年もあるし、年末最後、カウントダウン、年始一発目と、全部別個にやることもあるし、カウントダウンの瞬間から次のバンドの持ち時間になるパターンもある。そういう企画も全体会議で決めるんですけど、俺、あの全体会議が意外と好きでね。

seek:そんな楽しいと思ったことないですけど……。

逹瑯:ウソ!? 全体会議、おもろくない? みんな変な人たちが集まってて。

seek:ああ。ヴィジュアル業界の各事務所の方が集まるプロダクションミーティングみたいなものなんで、確かにキャラクターは濃いなぁとは思いますね。“みんなで作ろう”っていう趣旨の下に集まっているから、会議の進め方も硬い感じではなく、もっとフランクに「こんなんしましょ」ってアイデア出し合うような雰囲気があって。

──その会議にアーティストも参加しているんですか?

逹瑯:アーティストで出てるのは幸也-YUKIYA-さん(JILS、Kαin)、seek、俺くらいですね。ただ、幸也さんとseekは自分の会社の代表として出てるんで、純粋にアーティストとして参加してるのは俺だけかも。で、一人だけミュージシャンの目線で話してるから、やっぱりマネジメントの人たちとの感覚の違いを感じるんですよ。それが面白いし、たぶん、そういう人間が一人いないと、会議に風穴が開かない気がする。みんな、ちゃんと真面目に仕事してるから。

seek:実際、逹瑯くんが「こんなんやりたいです」って出してくれるアイデアもあったりして。

逹瑯:ずっと「やりたい!」って言ってて、どうもハードルが高くて実現できないのが、出演アーティスト全員のパンフを作ることなんですよね。アーティスト写真を寄せ集めただけのパンフじゃなく、ちゃんと全員での集合写真を撮り下ろして、バンド同士の対談とかも入った小冊子を作りたい。ただ、やっぱり全アーティストを呼ぶとなると、スケジュールが1日も合わないんですよ! みんな年単位でスケジュールを切ってるでしょ。このイベントは出演バンドが決まるのが夏だから、調整が間に合わないんです。

一聖:なるほど。

──観に行く側としても、パンフはあったら嬉しいですね。

seek:あと、渋公でバーベキューやりたいって言ってましたよね。

逹瑯:そう! 俺ね、ずっと渋公でバーベキューやりたいと思ってたんですよ。搬入口の喫煙所に意外とみんな溜まってたりするから、外の寒いところでバーベキューしたら暖かいし、人も集まるし。ただ、どうも敷地内で火を焚くことに許可が下りないらしく。まぁ、飲み部屋でも焼肉とか鍋とかやってるんですけど、屋外で寒いなか、暖を取りながら肉を焼くっていうのがいいんですよ(笑)。

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