【インタビュー】Nothing More、「VAMPSのステージはどんな場所でもクオリティが高い」

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■次にNothing Moreのライヴを観るときは
■また新しいことが起きていると思うよ(笑)

──楽しいステージという意味では、特にオーディエンスの目と耳を奪ったのが「Bass Solo」で。これは1本のベースをダニエルとマークが連弾したり、そこにジョニーも加わって3人で奏でるという、ある意味アクロバティックなものですが、発想の元というのは?

ダニエル:これはバンド始動当初からやっているコーナーなんだ。楽曲をただライヴで披露するだけではなく、それよりも大きいヴィジョンを描いて始めたことでね。大学時代にマークとジョニーと3人で、“エンターテイメントやショウとして、ステージでどういった新しいことができるか”について話をして。その時に、“ひとつの楽器にひとりのプレイヤー”という概念を覆して、何人かでひとつの楽器を弾いてみたら面白いんじゃないかというアイデアが生まれたんだ。

▲VAMPS主宰<VAMPARK FEST> 2015年2月18日@日本武道館

──アイデアは学生時代からあったんですね。

ダニエル:そう。当時、ジョニーはヴォーカルではなくてドラムを担当していたんだよ。たとえば、固定した1本のベースをマークと僕でピアノのようにタッピングで連弾したり、そのうえでジョニーがスティックでベース弦を叩いて打楽器のように扱う……みたいなアイデアがどんどん膨らんでいって。最終的には固定したベース本体がネックを軸にクルクル回ってグランドフィナーレ!みたいに、演出的にも派手に見せられるようなところまで行き着いたという(笑)。

──ベースの固定の仕方は、“バスドラム”や“スネア”などがセットされたジョニーのパーカッションキットの一部に設置するようなカタチですが、これは?

ダニエル:僕自身、物を作ることが好きで得意だったりするんでね。1年くらいかけていろいろな実験をして現在のカタチになったんだけど、キット自体は僕のハンドメイドなんだ。

ジョニー:さっきダニエルが話したように、もともと僕はNothing Moreのドラマーで。ヴォーカルになってからもドラムには触れていたかった。だからあのキットにはバスドラムとスネアとシンバルを組み込んでいるんだよ。それに僕は高校時代、音楽の授業で“和太鼓”を学んだことがあって。それは僕のパフォーマンススタイルを観るとわかるかもしれないね。

▲VAMPS主宰<VAMPARK FEST> 2015年2月18日@日本武道館

──今回のセットリストでは様々なシーンでジョニーがキットを叩く姿が見受けられますが、なかでも「Salem」は和太鼓を彷彿とさせるフォームでした。

ジョニー:そうそう。そういう必要性に加えて、ドラムの上に立ってパフォーマンスしたいという気持ちがあったから、ダニエルとの相談の上でキットはあの形になったんだ。

ダニエル:今となっては、あのキットも「Bass Solo」も、Nothing Moreになくてはならないもののひとつだよね。

──なるほど。「Bass Solo」についてもう少し詳しく訊かせてください。ダニエルとマークはベースをタッピングしたり、ジョニーは弦をスティックで叩いたりしていますけど、ベースの弦は5本しかないわけで。3人でプレイするときのそれぞれの分担はどのように?

ダニエル:僕とマークが2人だけでベースを奏でるときは、それぞれが異なる弦をタッピングしているんだけど、ジョニーが加わるとまた新しい奏法になる。というのも、僕が2本の弦を押さえて、マークも2本の弦を押さえる。そのすべてをジョニーがスティックで叩くことによって、和音を同時発音しつつ、リズムを刻んでいるというわけ。

──あー! それはすごい(笑)。だから、あの「Bass Solo」には旋律的なドラマがあるんですね。それと、昨晩のステージではヴォーカルエフェクトもキットに装着されていたように観えたんですが?

ジョニー:うん。ワイヤレスのエフェクトコントローラーを装着している。そのツマミをリアルタイムに動かすことによって、“あ───!”って発音した声が“あああああ!”と途切れるような効果を生み出したり、そのスピードも変化させることができるんだ。

──キットひとつで、Nothing Moreの表現が広がっていくばかりですね。

ダニエル:実は今もその表現は広がり続けていてね。次にNothing Moreのライヴを観るときは、また新しいことが起きていると思うよ(笑)。というのも、今後キット自体をMIDI化したりとか、進化させていく予定で。たとえばジョニーのタイコをトリガースイッチにしてヴォーカルエフェクトを掛けるとか、全体の楽器にもエフェクトを掛けるとか、新しいアイデアはどんどん膨らんでいるから(笑)。

──そういう斬新なチャレンジも、Nothing More本来の楽曲の良さがあるからできるわけで。

ジョニー:ありがとう。本当にその通りだと思う。しっかりとした音楽ありきのパフォーマンス、これが最も重要なことで。楽曲こそファンが唯一、家に持ち帰ることのできるコンテンツだからね。その土台があるからエンターテイメントとしてショウアップした部分を作り上げることができるんだ。

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