ダンス☆マン×ヒャダインがこぶしファクトリーで語る「赤羽橋ファンク」と「ハロプロ文法」

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ところで、今回の番組において、“赤羽橋ファンク”とともに、対談のキーワードとなったのが“ハロプロ文法”。

「大好きな人たちに曲を書く。それってすごくデリケートに気を使った部分もやっぱりあって。ハロー!プロジェクトはひとつの文化として完成されているというか、できあがっているので、“ハロプロマナー”にしたがって、“ハロプロ文法”で歌詞とメロディーを書くというのはすごく心がけました。」── ヒャダイン

これまでつんく♂が作品を通して構築し、星部ショウや児玉雨子、中島卓偉といった今のハロプロの楽曲に携わるようになったクリエイター陣がそのDNAを継承。もっとも、つんく♂自身もモーニング娘。作品を中心に現役(「つんく♂さんもまだ攻め続ける楽曲を書き続けている。やっぱりハロプロを引っ張っているのはつんく♂さん。僕らはそれに負けないように、ちょっとでも背中についていけるように頑張らないといけない。」とはヒャダイン・談)。そんなクリエイター陣が切磋琢磨する中で進化し続けているのが、“ハロプロ文法”という作品上に存在するルール、のようなもの。もちろん明文化されている類のものではなく、それはハロプロ楽曲を耳にして“それ”とわかる何かのこと。

では、その“ハロプロ文法”とは具体的にどんなものを指すのか。ヒャダインがこの質問に答えてくれた。

「子供っぽくない。奇をてらい過ぎない。サビがわかりやすいまでのキャッチーさではない……とか。要するにつんく♂さんがやってきたことなんですけど。“はい、サビですこんにちはー!”っていうセルアウト過ぎない(わかりやすく売れ線に走らない)というか、なのに耳に残るっていう微妙なさじ加減が一番難しいんですよ。だから、「チョット愚直に!猪突猛進」のサビも半尺になったんです(最初はサビの長さは倍あった)。僕、ほかのグループではサビを倍作るんですけど、ハロプロはサビはあっさり。その代わりほかのところでキャッチーな部分を作る。これが“ハロプロ文法”であり“ハロプロ女学院”の校則なんです(笑)。」── ヒャダイン

この解説を受けて、あらためて「チョット愚直に!猪突猛進」のポイントを訊いてみた。

「Aメロの畳み掛けは、自分の好きなファンクロックの曲をイメージしてこだわりましたね。あとロングトーンとかも。<チョット!チョット!チョット!チョット!>のキラーフレーズは絶対ハズしたくないな、とか。でも、オマージュ元に寄せるのはアレンジャー・鈴木俊介さんの仕事が大きいし、曲中の“カモン”とかはディレクションの技です。歌詞で言うと、普通だったら僕、<友人>って言葉は使わないんですよ。<友人>とか<両親>とか。あと<この愚直さ バカが付くぐらいね><お天道さま 全部見てるってもんさ>とかも“ハロプロ文法”ですね。」── ヒャダイン

「何か面白いことをしましょう。」と、ヒャダイン×ダンス☆マン×こぶしファクトリーというタッグで楽曲を制作しようという未来の約束を交わして締めくくられた今回の対談。ハロー!プロジェクトの未来を切り開くことになるであろう、まだ見ぬ楽曲は、この瞬間に誕生が約束された、という事実を最後に記しておきたい。

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)


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