【座談会】オムニバス盤『Agitation Clysis』女子会で「褒めて伸ばしてほしい (笑)」

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■自分のお客さんにもほかのバンドさんの音源を聴いていただいて
■音楽やシーンの輪がもっともっと広がればいいな──キサキエミ

──活動する上で、女性ならではの大変さってありますか?

mana:最近はガールズバンドと対バンすることも多いんですが、男性バンドと対バンすると、楽屋がね(笑)。ガールズバンドとの対バンでは女の子しかいないから、わりと気にせず楽屋で着替えちゃったりするんですよ(笑)。そのノリで、男の人のいるところで普通に着替えようとすると、「ごめんなさい、出ていきます……」って気を遣わせちゃうっていう(笑)。申し訳ないなって思うんですけど。

真由:だから、ガールズイベントに出るとうちの男性メンバーは困ってます。居場所がないというか。楽屋にはアイドルの子もいたりするので、すみっこのほうで小さく(笑)。

mana:そういう状況を見ると申し訳ないなって思うんです。うちらは全然気にしないんですけど、男性からすれば女の子だらけだと居づらいんでしょうね。

もえみ:ただ、“女だから大変”ってことはそんなにないんですよね。もうずっとやってるからわからなくなってるのかもしれないけど。あります?

真由:逞しくはなるかもしれないね(笑)。

もえみ:たしかに。私たちは男女混合バンドだけど、女だからってバンド内で優遇されない(笑)。

真由:もっと労わってほしいよね! ちゃんと褒めて伸ばしてほしい(笑)。

▲キサキエミ

mana:ははは。女の子同士のバンドだと、ライブ前にメイクとか髪の毛とか“こっちがいいよ”とか言い合えるっていう楽しみもあるかな。

真由:そうだよね。私たちは“衣装、どっちがいい?”みたいなこと聞けないんですよ。たぶん男の子からしたら、“どっちも一緒”っていうか。

mana:女の子同士だとそういう細かいところは気づけますね。アクセサリーひとつとっても“それはないほうがいい”とか“あったほうがいい”とか。

真由:そういうのいいなぁ。たまにぼそっと“そのスカートはちょっと……”とか言われるくらいだもんなぁ(笑)。

もえみ:“今日のはあんまり……”とかね。何があかんのかわらかんけど、“あんまり”って言われるっていう。で、“どれが?!”って。

──それはバンドに限らず、普段の生活でもあることかもしれないですね(笑)。今、ガールズバンドが増えてるなという感覚はありますか?

mana:女の子ボーカルのバンドはたしかに多い気がします。

真由:私のイメージだと、ガールズバンドは最近増えたのかなって思っているんです。女性だけのバンドとかアイドルを集めたイベントも多いですよね。きっと、SCANDALとかSilent Sirenの影響も大きいと思うんです。

mana:Milkey Miltonはバンドを作ったのがキーボードのChikaで。ChikaはSCANDALが好きだったから“女の子のバンドを組みたい”って始まったバンドなんですよね。

【キサキエミ】2013年12月、ソロワークとしてバンド活動開始。ヘヴィなサウンドと美しいメロディを高次元で融合させた楽曲は、全てキサキエミ本人の作詞作曲によるもの。そのルックスから想像できない激しいパフォーマンスでオーディエンスと一体となったライブを展開中。

──それぞれのルーツ的なところにも、ガールズバンドや女性ボーカル/女性シンガーっていうのはあるんですか?

mana:私自身はもともとガールズバンドを聴いてたわけではなかったんです。

キサキ:私は九州人なので、ずっとあゆ(浜崎あゆみ)が大好きで。今やってる音楽は全然ジャンルが違いますけどね。どちらかというと現在はマリリン・マンソンとか寄りだから(笑)。あと、女性ではアヴリル・ラヴィーンとかPINKとかが好きで。

真由:ああ、なるほど。私はストフリの音楽にも通じる部分で、School food Punishmentが大好きでしたね。あとはSUPERCELLとか。そういった音楽がうまく合わさって、自分のルーツになっているのかなと思います。

もえみ:私は安室奈美恵さんやSPEEDさんなどの女性ボーカルばかり聴いていて、ずっとカラオケで歌っていました。

──今回オムニバスアルバムがリリースされて、聴いてくれる層もさらに広がると思うんです。バンドとしてアーティストとして、またはガールズシーンとして、今後どんな状況になっていけばいいと思いますか。

mana:知っているバンドをきっかけにこの作品を手に取ってもらったとしても、アルバムだからきっと全曲聴いてもらえると思うんですね。お目当てとは他のバンドの曲を聴く機会となって、“いいな”って感じてもらえたら嬉しいです。

──そういう発見がオムニバスのいいところですもんね。

mana:はい。それに、初めてのアーティストのライブに行くという行為は、なかなか勇気がいることだと思うんです。でも今回のオムニバスはレコ発ライブもあって、そういう機会に来てもらったり。少しでもライブに来るきっかけや他のアーティストを聴くきっかけになればいいですね。

真由:今回のオムニバスをきっかけにガールズのライブシーンが盛り上がったらいいなと思ってます。あとは単純に、ストフリを聴く人が増えていったら嬉しいですよね。ライブシーンが盛り上がらないと自分たちも盛り上がらないし、その逆もまた然りなので。

もえみ:そうですね、ライブに来てほしいですよね。今、私たちはまずいろんな人に知ってもらうことに全力を注いで活動しているので。そのひとつの方法が路上ライブだったりするんですね。このオムニバスアルバムは、自分の手の届かないところでも聴いてもらえるものだと思うし、全国にも届く。そうやってどんどん広がったらいいな。そこからライブに来てもらって、あとは漫才で湧かせますので(笑)。

キサキ:ガールズシーンのみならず、ロックシーンもまだまだ狭いもので。観てくれる人や知ってくれる人も限られていると思うんです。今回のオムニバスにはいいバンドばかり収録されているので、そのラインナップに入れることが嬉しいし、これをスタートにキサキエミを知らないお客さんに知ってほしい。もちろん自分のお客さんにもほかのバンドさんの音源を聴いていただいて、音楽やシーンの輪がもっともっと広がればいいなと思ってます。

取材・文◎吉羽さおり


■オムニバスアルバム『Agitation Clysis』第3弾2アイテム連続リリース

■『Agitation Clysis vol.3【HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!!】』
2016年2月24日発売
LZLNV-008 ¥3,000(tax out)
収録バンド(A to Z):Femtocell / fillyshylly / 27<HATANANA> / KONSOME+ / Milkey Milton / mimic. / Panchromatic / Straight Free Children / THE LEAPS / ZipOut. / キサキエミ

■『Agitation Clysis vol.3【Metalize 03】』
2016年3月2日発売
LZLNV-009 ¥3,000(tax out)
収録バンド(A to Z):ADAM / BEAM / EITA / El.Mira / Kelly SIMONZ’s BLIND FAITH / NAOTO PROJECT~Crystal Peach~ / Scarlet Valse / Tribal Soul / Vagu*Project / WINDZOR /美女丸BAND

■『Agitation Clysis』リリース記念イベント<Agitation Bangers>開催

<HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!!>
◆2月17日(水) 渋谷DESEO
mimic. / 27<HATANANA>/ fillyshylly / Straight Free Children / KONSOME +
◆2月18日(木) 渋谷DESEO
THE LEAPS / キサキエミ / Milkey Milton / ZipOut / Panchromatic

<Agitation Bangers~Metalize~>
◆3月04日(金) 目黒LIVE STATION
VELL’zFIRE / Angel’s Ladder / LEGACY OF THE SOUL / NAOTO PROJECT~Crystal Peach~ / BLACK YAK / El.Mira
◆3月05日(土) 目黒LIVE STATION
SKILL ACTOR / BEAM / DEATH☆LAND / RED RAW / 美女丸BAND / 武尊 / DEAD EYED SRYDER / 成田☆一家

◆Agitation Clysis オフィシャルサイト
◆Milkey Milton オフィシャルサイト
◆KONSOME+ オフィシャルサイト
◆Straight Free Children オフィシャルサイト
◆キサキエミ オフィシャルサイト

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◆【座談会】オムニバス『Agitation Clysis』メタル版へ
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