【ライブレポート】花澤香菜、終わってほしくない多幸感溢れるひととき

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2016年2月28日(日)、朗読とアコースティックライヴで巡る花澤香菜の全国サーキット<かなめぐり~歌って、読んで、旅をして~>の最終公演ライヴが横須賀市文化会館で行われ、新曲情報も発表された。

◆花澤香菜画像

声優として活躍する一方、2012年よりスタートした音楽活動も高い評価を得ている花澤香菜は、昨年4月3rdアルバム『Blue Avenue』をリリース後、5月には自身初となる日本武道館公演を成功させた。夢のステージである日本武道館公演を成功させたことで大きく成長し、”アーティスト・花澤香菜“と呼ぶにふさわしい表現力にもさらに磨きがかかっている。

そんな花澤香菜の極上の「声」を一人でも多くの人に届けたい。花澤香菜をもっと身近に感じてほしい――。そんな想いをコンセプトに、息づかいや空気の振動が直接伝わるような大きさの空間で、花澤香菜の「声」の魅力を存分に感じられるプレミアムなイベント、それがこの<かなめぐり~歌って、読んで、旅をして~>である。各地ゆかりの名作や花澤香菜お勧めの作品を堪能できる朗読パートと、最小限の楽器ユニットの演奏と共にお送りするアコースティックライヴで構成されていた。

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16時30分、開場が始まる。舞台ではすずらんをかたどったランプに明かりが灯り、中央の丸テーブルには赤い装丁の本が置かれている。心地よい雰囲気のなか、バンドマスターG.北川勝利(ROUND TABLE)、Key.末永華子が登場、会場から拍手が湧き上がる。2人はディスティネーションズとして花澤のバックバンドも務めている。

北川の合図で、ウインドチャイムとピアノの音色が響き、2ndアルバム『25』からM1「ダエンケイ」のイントロが奏でられた。美しい響きの中、下手から「どうも花澤香菜ですー!今日は楽しんでいってねー!」と嬉しそうな花澤がステージに上がると、大きな拍手が巻き起こった。ソロデビューを果たした2012年から、花澤の約4年の音楽活動を支えてきた、北川と末永。そんな3人の落ち着いた雰囲気と信頼感が見ているだけで伝わってくる息ぴったりなコーラスから曲がスタートした。まずはしっとりと聴かせる楽曲だ。

続くM2「Eeny,meeny, miny moe」は軽快なギターのカッティングと手拍子からスタート。ステップを踏みながら楽しそうに手拍子をする花澤に合わせ、会場もそれにこたえるように手拍子でリズムをとる。つづいてはバラード「花びら」を披露。アルバム「25」から3曲続けて演奏し、M3「花びら」では美しいピアノのアウトロから、本公演の最大の見どころでもある朗読パートへとうつった。


ステージが暗転し、花澤が中央に置かれた椅子に腰かけると、スタンドに明かりが灯った。今回の『かなめぐり』では、その土地ごとに、ゆかりのある作品を朗読してきた。横須賀では、佐藤さとる著のファンタジー小説「だれも知らない小さな国」(講談社)の一節を披露した。声優である花澤の朗読当代随一のトップ声優ならではの表現力、TVアニメなどの作品で花澤の声を聞くのとはまたひと味違った臨場感を感じる場面であった。花澤本人を目の前に朗読を間近で聞ける(見れる)またとない機会に客席のファンも息をのみ、集中して耳を傾けているのがわかる。先ほどまでステージでにこやかに歌っていたアーティスト花澤香菜だが、ここにきて「声優」としての圧倒的な声の存在感、演技力や実力を実感させられた。

朗読終りのMCでは、作品に出てくるコロポックルにちなんで、花澤自身の妖精体験について語り、ファンの笑いを誘った。花澤の「コロポックル見たことあるひとー?」の問いかけに対して、「あるー!(どんなだったか)覚えてないけどー」と答えるファンもいて、会場は和やかなムードに包まれた。

「ラストめぐり”盛り上がって行きましょう!」の合図で「I .NEWDAY!」のイントロがスタート。M5「ブルーベリーナイト」と、会場と一緒に盛り上がれる曲が続く。

「もしもし?」という花澤のセリフが会場に響くと、客席は「来た!」といった表情になった。M6「CALL ME EVERYDAY」ではライヴ演奏時恒例ともなっている「もしもしコール」。「私が“もしもし?”と言ったら、“もしもし”と答えて下さい。いいですかー?」との問いかけに、湧き上がる歓声。会場が一つになった。「最後みんなで一緒に!」と花澤がいうと、「もしもしー!」と観客も最大限こたえる。ファイナルにふさわしい、かなめぐり公演最大のレスポンスに花澤も嬉しそうな表情を浮かべる。

続くMCでは「今日はどんな人がきてるのー?遠くから来た人ー?はじめて来た人ー?1人で来た人ー?」とアンケート形式で問いかける花澤に、挙手してアピールするファン。アコースティック編成で巡ってきた8公演を振りかえり、その土地ごとのノリ方が異なり、県民性が見られた事に日本各地を回ってきた喜びを噛みしめているようにみえた。「皆で作り上げた感がある」と花澤が言うように、手作り感と温かみのあるステージに、会場の空気もリラックスしていた。


「アコースティックにぴったりなこの曲聴いて下さい」と告げると、大きく息を吸った。「思い出して~♪」と歌い出しM7「flattery?」がスタート。M8「曖昧な世界」M9「Trace」M10「Nobody Knows」と曲が続く。

中盤もすぎ、ここで再度MCの時間がやってきた。かなめぐり開催地域のアニメイトと連動してウェルカムボードにメッセージを記入できるキャンペーンを行っており、その中からいくつかのメッセージが読み上げられた。「香菜ちゃんお誕生日おめでとう。私も4月に27歳になります」というメッセージが読み上げられると、4月に誕生日を迎えるファンに向けて「ハッピーバースデー」を花澤が歌うという一幕もあった。2月25日に27歳の誕生日を迎えた花澤に対して「あなたも誕生日だったでしょ」と北川が笑顔で突っ込むと、ピアノの伴奏がスタート。今度は客席にいるファンから「ハッピーバースデー」の大合唱だ。とても自然な流れで、花澤をお祝いする場面もあり、花澤も満面の笑みで「ありがとー!と叫んだ。嬉しそうな花澤を見てファンも嬉しそうだった。

この多幸感につつまれた空気の中、「まだまだ盛り上がっていくよー!」とラストパートに突入。北川が手拍子を煽ると、「Night And Day」のイントロがはじまり、軽快にステップを踏む花澤。喜びとステージに立つ楽しさを全身で表現しているようだ。マイクスタンドの前に立ち、「残り2曲―!盛り上がっていくよー!」と手拍子を煽り、客席の盛り上がりも最高潮に。そしてM12「Merry Go Round」のイントロがスタート。以前のライヴでも披露していた手をピストルのようにして“バン!バン!”と客席に向ける可愛らしい振付で観客のハートを撃ち抜いていく。本編ラストとなる13曲目は「恋する惑星」。ここで本編が終了。曲が終わっての花澤のMCでは「アンコールやってくれるなら…」と、アンコールを催促するやりとり。このやりとりは『かなめぐり』では恒例となった。盛岡公演からご当地ネタを取り入れたコールがひとつの楽しみとなっている。<※盛岡「ワンコール!」(椀子そば)、松山「パンコール!」「塩!」(塩パン)、新潟「おかわり!」(お米)、岡山「ご主人!」(桃太郎:かな太郎)、那覇「かなさんどー!」(沖縄方言:愛してるの意)、桑名「パンあーるよ!」(その手は桑名の焼きはまぐり)>


今回最終公演を迎えた横須賀では「ラスめぐり!」「ラスめぐり!」と花澤を待つファンも楽しそうだ。オレンジ色のペンライトを振るその手の力強さには熱気がこもっていた。

自身の考案したコールを聞きながら、嬉しそうな花澤が再びステージへ。「舞台袖で本当に最後なんだなと3人でしみじみしていました。いやー寂しいねー!本当にたのしかったよ。」と、ここで花澤から「実はね。かなめぐりの最中にも楽曲制作をしていまして…私が作詞で。北川さんが作曲で!曲をつくってるんだよー!発表出来る日を楽しみにしててね。」と新曲を制作中であることが初めて明かされた。作曲はサーキットを一緒に回ってきた北川勝利。加えて花澤が作詞するという、うれしい発表にファンからは拍手と大きな歓声が上がった。

声優の仕事と並行して週末に行ってきたかなめぐり全国サーキット、花澤は「週末このライヴで皆からパワーをもらい、週明けからアフレコとか仕事を頑張って、またツアーがあって元気をもらって…ほんとに皆には感謝しているよ」と感謝の気持ちをファンに伝えた。

「まだ歌ってない曲あるよねー」とEn1はデビュー曲である「星空☆ディスティネーション」。コーラス部分を観客も合唱する。En2は、これからの季節にぴったりな春らしい軽やかな一曲「We Are So in Love」。

「最後はかなめぐりにぴったりな曲皆も一緒に歌って下さい」と「あるいていこう」のイントロ・手拍子がスタート。曲間で「今日はほんとにほんとに、ありがとうございました!」と頭を深々とさげ、集まってくれたファンに感謝の気持ちを伝えた。サビの繰り返し部分は皆で大合唱。会場は多幸感に満ち、とても心地よい空気に包まれた。

曲が終わり、北川・末永と3人で中央に集まると、マイクを通さずに「ありがとうございます!」とご挨拶。客席からは大喝采が巻き起こった。会場も興奮冷めやらず「もう1回!もう1回!」というコールが起きると、時間をあけて再びメンバーが登場した。Wアンコールだ。「終わって欲しくない」という客席のファンとメンバーの気持ちが通じた瞬間だった。

ラストは「この会場って立ってもいいのかな?ドンドンやらなければ大丈夫だよね…?みなさん立って下さい!」と再び「We Are So in Love」が演奏された。着座していた客席も最後に立って全身でノッて、合唱して、本公演最大の盛り上がりを見せた。曲中サビのWe Are So in Love~♪の合唱パートが心地よく会場に響いた。

「では、また。」と花澤が言うと1st~3rdアルバムまで新旧織り交ぜた全16曲を演奏し、幕を閉じた(※Wアンコールは曲数に含まない。)




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