【座談会】オムニバス盤『Agitation Clysis』、「目的はメタルシーンの底上げです」

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オムニバスアルバム『Agitation Clysis』第3弾となる2タイトルが2作連続リリースされる。『Agitation Clysis』は音源販売方法が配信販売やストリーミングサイトに移行する現在、あえてCDのみで発売されるオムニバスアルバムだ。1990年代にリリースされた数々のインディーズVA盤をリスペクトし、“扇動的注入”をコンセプトに現代のインディーズシーンへ一石を投じる劇薬的役割として放たれてきた。その第3弾は、【HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!!】【Metalize 03】名義の2タイトルとなる。

◆『Agitation Clysis』座談会 画像

3月2日リリースの【Metalize 03】は、“ジャパメタ”をテーマとした『Agitation Clysis』定番シリーズの第3弾となるもの。前2作のテイストを踏襲しつつ、V系メタルバンドや女性アーティストからベテランプレイヤーまで、ジャヤパメタの枠に収まりきらない多彩なアーティストがラインナップされている。プロデュースを手がけたのは、成田☆一家やソロプロジェクトNAOTO PROJECT~Crystal Peach~などで知られるNAOTOだ。

BARKSでは先ごろ公開した【HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!!】女子会に続いて、全11アーティストが参加した【Metalize 03】より、プロデューサーのNAOTO、NAOTO PROJECT~Crystal Peach~のmarie、Scarlet ValseのYou.、Vagu* ProjectのYuIの4者による座談会を行なった。“Metalize”をテーマにスタートしたトークはその内容を象徴するように、メタルシーンやV系シーン、そしてライヴハウスシーンの現在まで多岐にわるものとなった。

   ◆   ◆   ◆

■オムニバスの意図はメタルシーンの底上げにあるけど
■ジャンルにこだわらず幅広く紹介したいという気持ちも──NAOTO(プロデューサー)

──まずは『Agitation Clysis ~Metalize~』がどういう想いのもとに立ち上げられたオムニバスアルバムなのかをプロデューサーの視点からお話いただけますか?

NAOTO:目的はメタルシーンの底上げです。ヘヴィメタルというカテゴリーがどんどん小さくなって、CDも売れないという今の状況を少しでも良い方向に持っていくためにはどうすれば良いかと。であれば、カタログ的なオムニバスアルバムを作って、1人でも多くの方に聴いていただきたいと思ったところから始まったんです。これまですでに2枚のオムニバスを発表しましたが、その第一弾は純粋なメタルであり男クサいバンドを集めたもの。第二弾はそこからもう少し幅を広げたもの。そして今回の第三弾は、女性ボーカルやScarlet Valseみたいにヴィジュアル系寄りのメタルという風に、さらに幅広く取り揃えたオムニバスアルバムになっています。

▲NAOTO (プロデューサー/成田☆一家/NAOTO PROJECT~Crystal Peach~)

──いろいろなタイプのアーティストが参加されていてメタルに馴染みのないリスナーも楽しめる内容になっています。参加者はどういうふうに決めたのでしょう?

NAOTO:僕は成田☆一家のベースを担当しつつ、イベンター的なこともしているんですね。そういう中で、実際に自分の目で見て、良いと思った人たちに声をかけさせてもらっています。噂とか人気があるとかいうことではなくて、完全に僕自身の判断。それに、大御所と言われる方たちにも声をかけますね。第二弾にはRAJASさんやMARINOのLEOさんがREACTIONのYUKIさんと新たに結成したLEGACY OF SOULも入っていますし。今回はカブキロックスにいた美女丸さんのバンドが参加してくれました。

You.:Scarlet ValseはNAOTOさんとの付き合いが長いですけど、こういうオムニバスアルバムを作っていることは知らなかったんです。僕たちはヴィジュアル系という枠の中で活動しているんですが、そこだけでやっていてもなかなか広がっていかないというのがあって。ライブには、ヘヴィメタルが好きな男性の方も来てくれるので、そういう人たちにもアプローチしたほうが良いかなと考えていたんです。ちょうどそのタイミングで今回の話をいただいたので、もう即決で参加させてもらうことにしました。

NAOTO:ヴィジュアル系バンドの人ってルーツがメタルという人が結構多いんでしょう?

You.:僕もX JAPANから入ってハロウィンとかアイアン・メイデンを聴くようになったんですけど、意外とそういう人は多いですね。

NAOTO:となると『Agitation Clysis ~Metalize~』の今後は、ヴィジュアル系も増えるかもしれないな。You.は僕の直接の後輩で昔から知っているんですよ。最近Scarlet Valseに僕のイベントへ出てもらったんですけど、ライブを観たらすごく良かったのでね。後輩だから誘ったわけじゃなくて、純粋に良いバンドだから参加してもらったんです。Vagu* Projectもライヴを観て、声をかけたんだよね。

YuI:僕は今回の話をいただく前から、『Agitation Clysis ~Metalize~』のことは知っていました。ポスターを見たことがあって、面白そうなオムニバスだなと興味を惹かれたんです。まさか我々に声が掛かるとは思っていなかったので、光栄に感じています。

NAOTO:Vagu* Projectはライブを観てホンマに一目惚れ。いわゆるメタルバンドではないし、このオムニバスの意図はメタルシーンの底上げにあるんだけど、一方ではジャンルにこだわらず良いバンドを幅広く紹介したいという気持ちもあるから。なかなか最近はいないよ、Vagu* Projectみたいなバンドは。

marie:私はVagu* ProjectもScarlet Valseもライブを観たことがあるんですけど、両方ともすごくカッコいいんですよ。Vagu* Projectは独自の音楽と深い世界観のパフォーマンスに惹き込まれました。Scarlet Valseはヴィジュアル系だと思っていたらサウンドはメタルで、ビックリしたんです。ファンになりました(笑)。

NAOTO:その前に自分のこと喋れや(笑)。

marie:あっ、そうですね(笑)。私は、実は『Agitation Clysis ~Metalize~』の第一弾にも別バンドでこっそり参加しているんですね。これから始動するバンドだったので、参加させてもらうことで名前を憶えてもらえると良いなというのがあったんですが、残念ながらそのバンドは解散してしまって。そうしたらNAOTOさんからNAOTO PRPJECT~Crystal Peach~で歌いませんかというお話をいただいて、第二弾に続いて今回もNAOTO PRPJECT~Crystal Peach~で参加させていただきました。

NAOTO:marieがフリーになった時は、僕も前のバンドがちょうど解散して、また新しいことをやろうかなと考えていた時だったんですよ。すごく良いボーカリストなのは知っていたので、もう迷わず誘いました。

◆インタビュー(2)へ
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