藤井麻輝と森岡賢によるminus(-)のワンマンライブ<minus(-)LIVE 2016“ecru”>が、去る2月22日に東京・恵比寿リキッドルームにて開催された。オフィシャルから届いたレポートを紹介しよう。

◆<minus(-)LIVE 2016“ecru”>画像

2015年12月にminus(-)の2枚目のミニアルバム『G』をリリースした後、藤井は盟友、今井寿(BUCK-TICK)とのユニット・SCHAFTの活動を21年ぶりに始動。YOW-ROW(Vo/gari)、上田剛士(B/AA=)とyukihiro(Dr/L'Arc-en-Ciel、acid android)をメンバーに迎え、音源のリリースのみならず、ツアーも開催。確実な存在感を示してきた。ツアーは大阪でファイナルとなったが、それほど間隔を空けることなく、今度はminus(-)のワンマン。その精力的な動きには恐れ入る。

2016年初ワンマンとなる本公演は、前年末のライヴと同様、サポートにYuumi(FliP)と山口美代子(detroit7)の女性凄腕ドラマーをツインドラムで迎えてのものだ。minus(-)の独特のスタイルと言えるこのセッティングに開場時からいやがうえにも期待が高まる。加えてゲストに平沢進だ。90年代前半に対バンの歴史はあるものの、ゲストとしての告知。そして昨今、俗世間から距離を取るかのように、孤高の道を歩んでいた平沢である。ゲスト出演、という告知がされた瞬間、いわゆるテクノ界隈のざわつきはとんでもなかった。それが止むことはなく、チケットはソールドアウト。リキッドルームはお客さんで膨れ上がっている。

10分押して客電が落ちる。1曲目は「No_9」。闇を引き裂くようなドラムと、アバンギャルドなピアノ。そして森岡の咆哮。このバンドの本当の根っこにあるのは、このような森岡のプリミティブさである。ダークでアンビエントなダブステップ。まるでアート。

そして4曲目には早くも新曲を披露。BPMの早いアッパーなダンス・ミュージック。90年代初頭の匂いがとても新鮮。続いて「No_4」「RZM」「Maze」というミディアムなナンバーを披露。そしてさらなる新曲は、美しいテクノバラード。世界が広がっていくその感じは、森岡賢の真骨頂か。彼のロマンチシズムが生きている。

しかし音圧が凄い。ビリビリと鼓膜が震え、会場の壁や机が音で震えている。しかし決して嫌ではない。この音響体験は、日本で本当に初と言ってもいいような体験だった。


そして遂にゲストの平沢進が登場。ギターを片手にステージに登場した、御年61歳の師匠は、なんと白髪。観客の度肝を抜く。そしてやまない声援に対して「やかましい」と一言。そのツンデレっぷりはまさしく平沢通常仕様の証。どうなるかと期待していると、始まったのはminus(-)の中でもかなりのアッパーなダンスナンバー「Descent into Madness」。ここに平沢のギター、EVOが絡みまくる。彼にしか出せない流麗でスペイシーなギターソロ。minus(-)の楽曲と融合し、強烈な個性を主張する。だんだんそのギターも暴走し始め。「Peepshow」や「Dawn words Falling」では、オリエンタルな旋律が絡んでさらに強烈に。またこれに絡むツインドラムがまた凄い。どちらもパワフルなのだが、まったくズレない。minus(-)の世界観を高みに引っ張りあげていた。ラストの名バラード「B612」では、藤井のヴォーカルに合わせ、繊細なギターを鳴らす。いや、本当に凄かった!


さらなる驚きはアンコールで待っていた。森岡と藤井がMCで、7月末のフル・アルバムリリース、そして8月13日の赤坂BLITZワンマンを発表。最高潮に盛り上がる会場に、ツインドラムの2人、そして最後に再び平沢進を呼びこむ。そして披露された1曲は、イントロのオリエンタルな和テイストから客席に息を飲ませた。そう、ソフトバレエの「Texture」。そう、過去にもこの曲をセッションしたことはあるだけに、予想ができなくはなかったが、まさか、まさかの1曲で、客席は“阿鼻叫喚”。いや、本当に貴重なセッションだった。

minus(-) LIVE2016 “ecru”SET LIST

1. No_9
2. No_6
3. The Victim
4. New Song
5. No_4
6.RZM
7. Maze
8. Demo#1
9. Descent into Madness
10. Close
11. Peepshow
12. Dawn words falling
13. B612
encore 1.Texture(cover)