【ライブレポート】POLYSICS、1日100曲ライブで「燃え尽きようぜ、灰になる!」

ツイート

POLYSICSが3月4日、大阪BIGCATにてライブ<20周年まであと1年!!!~まだまだやるで無茶なこと!!! 1日100曲かましたる!!!>を開催した。そのレポートをお届けしたい。

◆POLYSICS 画像

2015年9月10日および11日の2日間、渋谷CLUB QUATTROにてワンマンライブ<ウルトラチャレンジOR DIE!!!~燃えろ! クアトロ地獄! 2日で100曲カブリ無し!!!~>というハードなライブに挑んだのも記憶に新しい。そして彼らは今年、19周年を記念して、<20周年まであと1年!!!~まだまだやるで無茶なこと!!! 1日100曲かましたる!!!>という、1日で100曲に挑む最高に無謀なライブに挑んだ。ちなみに、この日のライブはニコ生でも生配信された。


夜7時、SOLD OUTで超満員の会場が暗転して登場SEが流れると、オーディエンスはハンドクラップと大歓声でメンバーを迎える。雪崩れ込むかのように演奏が始まり、ハヤシ(G, Vo, Syn, Programming) は「トイス!」とお馴染みの挨拶でオーディエンスを煽った。ステージ両サイドには曲数をカウント表示するモニターを用意。1曲目の「Introduction!」を経て、2005年リリースのアルバム『Now is the time!』より「Tei! Tei! Tei!」がかまされる。初っ端からフロアは波打つほどに盛り上がり、「Moog is Love」ではフロア全員が手を上げてジャンプする壮大な光景が見られた。







「やべえんじゃねえの?! でも、20周年まで後1年! 今日は100曲ぶちかましてやるぜ!!」──ハヤシ

6曲終えた時点で息が上がっているハヤシは自らを鼓舞するかのように、オーディエンスにこう訴えかけた。「Bero Bero」では演奏に合わせて、ハヤシがズッコケたりピタッと止まるモーションを見せたほか、「Pike」ではトランペットを披露するなど、彼ならではのパフォーマンスに大きな歓声が起きる一幕も。

MCではハヤシとフミ(B, Vo, Syn) が、イベントタイトルを関西弁でオーディエンスに読ませるなどの遊び心を発揮しながら、3月2日リリースの最新アルバム『What’s This???』の話題へ。ハヤシの「新曲をコンコンコンとやっていこうと思います!」という言葉を皮切りに「アルプスルンルン」や「8 Beat Division」、そして「299」では猫の肉球をイメージさせるキュートな振り付けをオーディエンスに伝授。フロア全体が猫ダンスを繰り広げる様は実に微笑ましかった。





「この調子だと深夜2時とか3時になるので、ここから一気にトントントンと稼ぎます! 去年、渋谷でやった『スペシャルメドレー 2016BIGCAT 19周年バージョン』、いってみよー!」──ハヤシ

13曲が終わった時点で既に約50分が経過。ハヤシがMCでこう告げると長尺のメドレーコーナーへ。ヤノ(Dr) が「トイス!」と叫んだ「踊れHeaven」からは怒涛。「We are Oil Loverd~ペスター、タッコング、オイルドリンカー登場~」ではハヤシ、フミ、ヤノの3人が楽器を持たず、打込みサウンドに合わせて踊りを披露した。また、ヤノがトランペットを吹いた「Boy’s Head」、拡声器で歌うハヤシとフミに対してヤノがギターを弾くというレアな演出が繰り広げられた「KI.KA.I.DA!」、「COLON」はヤノとフミがメガホンを持ってハヤシが“♪なんなんなんなんでやねんねんねん!”と歌うなど3人のユーモアが爆発する。さらに「テクノドラキュラ」では完全なるテクノサウンドを鳴らし、「Ski Ski Die Ski(n)」で人文字ダンスを披露。サイレンが場内に鳴り響き、ハヤシのギターに合わせてフミとヤノがカズーを吹くと「I My Me Mine」へ。これら通常編成にとらわれないパフォーマンスを10曲以上にわたって堪能することができた。しかしメドレーコーナーはまだまだ続く。





ハヤシがギター、フミがベース、ヤノがドラムという普段の編成に戻ってからも、3人の演奏は止まるところを知らない。2002年リリースのミニアルバム『LO-BITS』収録曲「Code4」で自然に手拍子が沸き起こり、オーディエンスがスペイシーにサウンドにノリながら拳を突き上げる。結果、メドレーは「機械食べちゃいました」まで全24曲におよぶものとなった。さらには、この時点で計41曲を演奏した彼らだが、ヤノが「ギター以上にカズーが難しかった…。疲れた…」と冗談交じりに弱音を吐いたところ、ハヤシから「物凄い速い曲をクイッククイックでメドレーするのは、どうかな?! ずっと暴れまわる感じかな!」と提案が。「Life In Yellow」から「Pretty Good」までの計11曲がたった4分、物凄いスピードで演奏された。

そして中盤。「半分終わったぜ! 少しBPMを下げようか!」と「ラスポテトメモリーズ」や「Cleaning」で速すぎない心地よいテンポを披露。60曲目の「DTMK未来」ではこの日初めてメンバー紹介が行われた。改めてハヤシが「今日は、みんな無茶しに来たんだろ?! 俺も無茶するよ! 打ち上げに行かずにラウンドワンとかに行くよ! こっから飛ばすぞ!」と、「MS-17」や2000年リリースのメジャーデビューシングル「XCT」などメジャー初期の名曲をずらり。「MAD MAC」ではハヤシが客席にダイブするなど、勢いに拍車をかける。「Young OH! OH!」では“ウッハ! ウッウッハ!”とオーディンエンスが叫びまくり、「ピーチパイ・オン・ザ・ピーチ」で3人が金色のポンポンをカツラのように装着。ヤノはスティックを握る両手にもポンポンをつけて、パフォーマンスも華やかだ。







「この後はゆっくりした曲はやりません! もっとダバダバしたいんじゃないの?!」──ハヤシ

と、この日のために用意した「Let’s ダバダバ」の特別バージョンを73曲目で披露。そのとき、ステージ後方に“POLYSICS SINCE 1997”とデザインされた巨大フラッグが現れた。“POLYSICS”の“LY”部分が19周年にかけて“19”という数字を象るなど演出も粋だ。その後はSTYXの名曲「Mr.Roboto」のリメイク「ドモアリガトミスターロボット」のドラマチックな曲展開でオーディエンスを魅了。81曲目で再度「Let’s ダバダバ」に戻るとハヤシはギターを持ったままフロアへ。オーディエンスに身体を支えられながらギターをかき鳴らすなど大合唱の中、「ダバダバスペシャルメドレーでした!」と同コーナーを締めくくった。

100曲まであと19曲。しかし、残りの曲数はワンマン本編に相当するもの。ハヤシは「1日で100曲というのは準備が相当大変で、“ライブをするも20曲足りていない”っていう夢を観たりしたよ!」と苦労を笑い飛ばす。「こっからもペース配分はしてらんない! 燃え尽きようぜ! 灰になる! 打ち上げ行けないくらいに、出しきるぜ!!」と絶叫して後半戦の狼煙を上げた。「Rocket」ではオーディエンスの両手がどんどん激しく振られ、円谷プロとのコラボが実現したミニアルバム『HEN 愛 LET’S GO! 2 ~ウルトラ怪獣総進撃~』からはゴモラの鳴き声がたまらない「怪獣殿下~古代怪獣ゴモラ登場~」を。「MEGA OVER DRIVE」でハヤシがショルダーキーボードを操り、「カジャカジャグー」や「シーラカンス イズ アンドロイド」での激しい演奏に、スタッフがハヤシの背中に水を差しかける。このライブがいかに過酷で、3人が本気で向き合っていることが伝わってくるシーンに胸が熱くなった。





「ほぼフル尺で!」という宣言通り、88曲目「Dr Pepper!!!!!」からは1曲1曲をじっくり聴かせていく。カヨ脱退後、3人体制初のミニアルバム『eee-P!!!』収録曲「How are you?」ではメインボーカルのフミの歌声が凛々しく響き、ここで再びハヤシがギターを持ったまま客席へダイブ。「URGE ON!!」では音が鳴り出した瞬間にフロアが暴発、それに呼応したハヤシが口に含んだ水をフロアへ吐きかけた。自らの熱を下げるかのように頭から水を浴びた「Hot Stuff」、1999年リリースのインディーズデビューアルバム『1st P』収録曲「Buggie Technica」は、95曲目だというのに何かが始まる衝動感に溢れ、フロアも全く静まる気配がない。しかし時刻は夜9時53分。スタートしてから3時間弱が経過したところで本編が終了した。ステージを降りていく3人の姿はまさに満身創痍だ。



「P・O・L・Y・S・I・C・S!!!」とアルファベットでアンコールを求めるオーディエンスももちろん衰弱しているはずだが、声援は高まるばかり。その声に応えて3人が再びステージへ登場した。

「19周年ライブで“1日100曲”とか無謀なことをやっているのに、盛り上がってくれて感謝しています。こんなファンがいてくれて、嬉しいです。こういう面白いことをやっていきたいよね。それに新しいアルバムの『What’s This???』も繰り返し聞くと、いろんな発見があるので宜しくお願いします!! “キュー!” “ワシャー!” “グチュー!”、ライブハウスは、そんな密な空間です!!! なので有効利用したいし、これから先もPOLYSICSは楽しいライブしかしません!!!」──ハヤシ

とファンにお礼を述べると同時に決意を語った。96曲目は感謝の気持ちを込めた「ありがTOISU!」。キラーチューンの「Baby BIAS」ではフミがハヤシを蹴るアクションを見せるなど、最後の最後まで全力だ。





さらには、POLYが初めてファンへの想いを込めたナンバー「Electric Surfin’Go Go」、最新アルバムから「SUN ELECTRIC」と立て続けに投下して、会場を再び興奮のるつぼへ。迎えた100曲目は「AT-AT」だった。赤いピコピコハンマーを持ったフミと黄金のピコピコハンマーを持ったハヤシがオーディエンスの頭をまるでモグラ叩きのように叩いていく。ヤノも負けじと全力でシンバルを叩く。すさまじい熱量のもと、ハヤシのシンセ、フミのシーケンス、ヤノのドラムと3人の音が入り乱れたまま全100曲のライブが終演を迎えた。足腰が疲弊しきって、3人とも立っているのがやっと。全3時間強全100曲、それをやり遂げた姿は感動的であり、実にカッコいいものだった。




「好きやで~大阪! ポリシックのみんな、大好きやで~! バイバイ!!」

こう叫んだハヤシは最後に「トイス!」を連呼して「おやすみ~!!」とステージを去った。時刻は夜10時16分。前人未到の宴が幕を閉じた。

撮影◎渡邉一生

■アルバム『What‘s This???』

2016年3月2日発売
【1000枚完全生産限定盤(CD+BD)】KSCL-2691~2692 6,300円(税抜)
特典BD:<ウルトラチャレンジ OR DIE!!! ~燃えろ!クアトロ地獄!2日で100曲カブリ無し!!!~>完全版

【初回生産限定盤(CD+DVD)】KSCL-2693~2694 4,000円(税抜)
特典DVD:<ウルトラチャレンジ OR DIE!!! ~燃えろ!クアトロ地獄!2日で100曲カブリ無し!!!~>ダイジェスト版&メンバーおしゃべり

【通常盤(CD)】KSCL-2695 3,240円(税抜)
01.Introduction!
02.SUN ELECTRIC
03.アルプスルンルン
04.Funny Attitude
05.8 Beat Division
06.Nail
07.Dig Down!
08.春夏秋冬
09.Take Away
10.Be a Human
11.Flying V
12.ロボットマイムマイム
13.1.2.3.4
14.ドップラーごっこ
15.Hurry Up
16.Vow Vow
17.299
18.Tempo Tempo Tempo
19.Goody-Goody

■全国ワンマンツアー<POLYSICS TOUR 2016 ツアーでルンルン!!!>

2016/05/11(水) 埼玉HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)VINTAGE ROCK std. 03-3770-6900
2016/05/13(金) 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 18:15 / START 19:00
(問)JAILHOUSE 052-936-6041
2016/05/15(日) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)FOB新潟 025-229-5000
2016/05/20(金) 京都MUSE
OPEN 18:15 / START 19:00
(問)清水音泉 06-6357-3666
2016/05/21(土) 高松MONSTER
OPEN 17:30 / START 18:00
(問)DUKE高松 087-822-2520
2016/05/22(日) 広島4.14
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)夢番地広島 082-249-3571
2016/05/27(金) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)G.I.P. 022-222-9999
2016/05/29(日) 札幌BESSIE HALL
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)WESS 011-614-9999
2016/06/03(金) 神戸VARIT.
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)清水音泉 06-6357-3666
2016/06/05(日) 福岡the voodoo lounge
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)BEA 092-712-4221
2016/06/12(日) 東京 品川ステラボール
OPEN 16:45 / START 17:30
(問)VINTAGE ROCK std. 03-3770-6900
前売:\3,800 当日:\4,300 (D代別)※東京公演は1F立見/2F指定
一般発売:04/09(土)

◆POLYSICS オフィシャルサイト
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス