韓国のグッカステン(GUCKKASTEN)というバンドをご存知でしょうか。母国では武道館サイズを埋めることができ、韓国内最大級の音楽フェス、ジサン・バレー・ロック・フェスティバルではヘッドライナーを担った実力と人気を誇る彼らですが、日本ではまだ知られていないような気がします。


日本におけるK-POPの浸透度は絶大なものですが、K-ROCKに関しては情報も扱いも印象が強く残るほどのものを目にしたことがありません。私がグッカステンを知ったのは、音楽ギョーカイ内で自身が姉と慕う人が日本側のプロモーションに携わるようになったのがきっかけで、前回の来日公演(2015年9月)は都合がつかず一度ライブを見てみたいと思っていたところ、3月3日にようやく生グッカステンを見ることができました。



今回はグッカステンが9mmを韓国へ呼び、9mmがグッカステンを日本に呼ぶという共同開催の2マンライブの日本公演で、9mm Parabellum Bulletとの対バンをするための来日でした。会場はリキッドルームでグッカステンが先攻。9mmは数年前のフェス現場で見た以来だしどっちも楽しみだな~という、かなり軽い気持ちで行きましたがライブ序盤で「うわ、これって大成功なんじゃない?」と鋭く確信させられるほど、見る事が出来て良かったと思えたライブでした。

何が良かったって、2バンドのオーディエンスの皆さんと2バンドが作り上げていたあの空気感と温度。日韓ロックの交叉から生まれた、見ていてドキドキするほどに純度の高い音楽愛、ロック愛で会場が目一杯満たされているわ、演奏うまいわ、お客さんたちの顔最高だわで心打たれまくりでした。

あの会場に充満していた強烈な暖かみは、双方のファンが双方のバンドを、両手を大きく広げて受け入れている心地よさと、その中を貫く爆音が融合されて生まれた奇異なもので、ロックなんだけど、激しい音が爆裂しているんだけど、なぜだか心はほっこり和む暖かさでいっぱいという、他のライブでは感じたことのない初めての感覚でした。それは私が長年抱いていた日韓の関係性にあるマイナスイメージをもじんわりと優しく溶かしてくれました。





やっぱり音楽はボーダーレスであるということをロックで体現してくれたグッカステンと9mm。今まであったようでなかったこういった企画で今後も韓国の音楽ファンとの距離を縮められたら一番いいですよね。

ちなみにグッカステンは過去サマソニに出演していたとのこと。今夏彼らはフランスなどの海外フェスにも出るようなので、日本でもどこかで見られたらいいですね。

Photo:畔柳ユキ、西槇太一、dorami

◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】