【インタビュー】モラトリアム、鋭才異色ユニット最新作に「棘や毒も発信したい」

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ヴォーカリストとキーボーディストによる異色ユニット“モラトリアム”が3月9日、2ndシングル「ゴースト人間」をリリースした。モラトリアムは、The Sketchbookのドラマーとしてメジャーデビューを果たした後、ヴォーカリストとして活動していくことを決めた悠(Vo)が、ポルノグラフィティやchayなどのサポートを務める藤井洋(Key)に声をかけたのが結成のきっかけ。悠は「想い出まくら」のミリオンセラーなどで知られるシンガーソングライター小坂恭子を母親に持つサラブレッドであり、藤井とは大学時代からのバンド仲間でもある。

◆モラトリアム 画像

幅広い世代に訴えかける音楽をクリエイトし、細分化された情報社会の中で、あえてストレート勝負を賭けるという2人に、結成の経緯について、「ゴースト人間」について、東名阪仙を回る初ツアー<Ray-May Tour2016>について話を訊いた初登場インタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■このタイミングでゼロから始めるには大きな意味がある
■と同時に、猶予期間はないという戒めの意味も込めて

▲「ゴースト人間」(Type-A)

▲「ゴースト人間」(Type-B)

──まずは結成のいきさつから教えてください。

悠:結成は2015年の春なんですが、もともと僕たちは昔からの友人なんです。

藤井:大学の同級生で同じサークルに所属して、プロ志向のバンドを組んでいたんですよ。当時、悠くんはドラマーで。

悠:そのバンドが解散した後、僕はドラマーとしてThe Sketchbookというバンドで3年間メジャーで活動しまして。藤井のほうもキーボーディストとして、メジャーアーティストのサポートを。

藤井:ポルノグラフィティさんとかchayさん、高橋優さんとか近藤晃央さん、いろいろな方の後ろでキーボードを弾かせていただいています。

悠:それぞれの道を歩んでいたんですけど、The Sketchbookが解散して、ちょうど節目の時期が重なったというか。

藤井:俺は別に節目じゃなかったけどね(笑)。

悠:ははは。まず、俺が彼に相談したんですよ。

──「一緒にやらない?」という相談ですか?

藤井:というより、「歌やりたいんだよね」って言われて。

悠:歌いたかったので、「フロントマンとしてやってみたいんだけど、どう思う?」っていう相談でしたね。藤井はアレンジ能力が非常に高いので、自分が作った曲を聴いてもらって力を借りたかったんですよ。「じゃあ、アレンジしてみるよ」っていうところから始まったから、最初はメンバーというよりもプロデューサーみたいな。当時、僕はバンドでやるのかソロでやるのかも固まっていなかったんですけど、そんな作業をしていく内に「じゃあ、2人でやろうよ」っていうことになって。

──藤井さんは悠さんの歌声や曲を聴いて、どんなことを感じたんですか?

藤井:The Sketchbookのライヴでもドラムを叩きながら歌ったりしていたので、キレイな声をしていることは知ってたんですよ。歌の実力に関しては未知数だけど、可能性を感じたので面白そうだなって。実はデビューするとか表に立って発信することに関しては、僕の中では大学時代のバンドが解散した時、気持ち的に一度終わっていたんです。遊びではなくデビューしたいと思ってやっていたので。

──大学時代は2人でどんなバンドを?

藤井:ロックバンドですね。ジャズとかフュージョンを演奏するテクニック志向のサークルに所属しつつ、それとは別にやっていたんです。そんな経緯を経て、アレンジャー、作曲やサポートキーボーディストとして活動していたんですが、ポルノグラフィティさんのサポートでスタジアムクラスの会場に立たせていただいた時、うらやましさを感じて「いつか自分も、自分のバンドでやりたいな」と思うようになって。

──藤井さんも表舞台に立ちたいと思っていた時期だったわけですね。ユニット名をモラトリアムにしたのは?

悠:今、お話したような経緯があって、このタイミングでゼロから新しいことを始めるのはすごく大きな意味があると思ったのと同時に、プレッシャーもあるし、時間も足りない。猶予期間は存在しないだろうという戒めの意味も込めてモラトリアムにしたんです。

──ちょっと逆説的な意味も込めて?

悠:そうですね。あとはモラトリアムって猶予期間っていう意味だから“悠”と“洋”っていうシャレも(笑)。

藤井:まぁ、後付けですけどね(笑)。

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