【インタビュー】モラトリアム、鋭才異色ユニット最新作に「棘や毒も発信したい」

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■“そうじゃないだろ”って疑問を投げかけたかった
■チャレンジを含んだ曲でもありますね

──リリースされたばかりの2ndシングル「ゴースト人間」はポップでありながらシニカルな曲ですね。死んでるみたいに生きてる人間を皮肉っている。

悠:まさにシニカルな曲ですね。軽快なリズムの曲だけど、メロディはちょっと歌謡っぽくて切ないから、そういう歌詞が合うんじゃないかって。今の時代は技術が進化して選択肢も多い。非常に便利ですけど、一方で進みすぎたゆえに肝心な部分、血の通った人間らしさが抜け落ちちゃってると感じることがあって。“そうじゃないだろ”って疑問を投げかけたかった。僕もうまく立ち回って取り繕っちゃう部分があるので、自分自身に対して“オマエ、そんなんでいいのかよ!?”って言っている歌詞でもあるんです。“本当にそう思ってるの? それホントに必要なの?”って。

──自分を押し殺して生きている現代人へのメッセージ?

悠:2015年までは葛藤の部分を描いたり、もう少し内向的な曲が多かったんですけど、今年になってアーティストとしての棘や毒の部分も発信したいと思うようになったので、チャレンジを含んだ曲でもありますね。「ゴースト人間」というタイトルは洋ちゃんが決めたんですよ。

藤井:そういう人たちのことを総称して何と呼ぼうか僕らなりに考えた結果、「ゴースト人間」。“なんだろう?”って思うようなひっかかりのあるタイトルにしたかったんです。

──モラトリアムというユニット名とリンクするタイトルですよね。ピアノと同じぐらいギターリフも印象的で。間奏とかレッド・ツェッペリン風だなって(笑)。

悠:まさに(笑)。僕のデモを元に洋ちゃんがアレンジしてくれているんですけど、間奏の部分は僕ですね。レッド・ツェッペリンとかMUSEが好きなので、ギターリフは激しい感じにしたいなって。

──なるほど。カップリングの「2ピースパズル」はライヴで音源化が待ち望まれていた曲だとか。

藤井:「2ピースパズル」は結成してお披露目ライヴで演奏した曲でもあり、ワンマンでは毎回のようにやっている曲です。この曲は僕が書いて、歌詞を悠くんに書いてもらいました。温かみがあって疾走感のある曲にしたくて、当時はリリースのことは頭になかったですね。ライヴで演奏するために書いた曲で「こんな感じはどうですか?」って提出したんですよ。結果、ライヴで好評だったので今回、収録させてもらったという流れです。

──非常にメロディアスな曲ですね。

藤井:そうですね。僕は覚えやすくてキャッチーな曲が好きなんですけど、悠くんが書いた歌詞が曲とすごくリンクしていたので、そこから「じゃあ、こういう感じがいいな」ってアレンジを変えて。すごく素敵な流れで完成した曲ですね。

──歌詞は必要不可欠な人に向けたラブソング?

悠:素直に恋心を歌った曲です。最初、恋に関して歌うのはテレくさくてイヤだったんですけど、この曲のキレイなメロディと浮遊感のあるコード感にはラブソングが合うなって。2人の関係をパズルに例えているんですが、実際には2ピースのパズルなんかないじゃないですか。だけど、“君しかいないよ”って思える相手と一緒になれた時には2つのパズルがカチッと噛み合う。“2人で一緒にいられればそれが完成図なんだよ”って想いを歌詞にしました。と同時に“君が欠けちゃったら僕はもうダメなんだ”っていうダメ男の部分も吐露してる(笑)。

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