【インタビュー】モラトリアム、鋭才異色ユニット最新作に「棘や毒も発信したい」

■ヴォーカルとピアノの男同士のユニットって珍しい
■音楽だけではなく、MCひとつとっても楽しませられる

──A-TYPE盤には英詞のラブソング「lovin’ you」が、B-TYPE盤には「逃避行」のライヴヴァージョンが収録されていますね。

悠：はい。「lovin’ you」に関しては前から英詞のラブソングを歌ってみたいという気持ちがあって。それが初めて形になった曲なんですけど、この曲は歌もピアノも歌詞もアレンジもとにかくシンプル。洋楽って構成がシンプルなのに楽曲としてカッコいい。あのバランス感覚を追求してみたかったんです。あとは僕の声に英詞が合うんじゃないかっていうところもあって。

藤井：「英詞で歌ってみたほうがいいよ」って僕が言い続けていたんです。発音がキレイだし、声の質感にすごく合うんじゃないかと。1stシングルにもミニアルバムにもアコースティック編成の曲を入れてきたので、今回は英詞でミニマムにピアノと歌だけで勝負できる曲。レコーディングも2人でせーので録ったんですけど、いい感じに仕上がったんじゃないかと思っています。

悠：最初は届くかなって不安もあったんですよ、英詞なので。でもライヴで歌っている時にみんなの顔を見ていたら受け取ってもらえたみたいで、すごく嬉しかったですね。

藤井：「逃避行」に関しては昨年のワンマンライヴのヴァージョンなんですが、生の熱をまんまパッケージすることによって、1回ライヴに来てほしいなって。僕、いつも言うんですけど、1回でいいんです。そうしたら、もう1回見にきてくれるだろうって自信があるので。

──リピーターにさせる自信アリ？

藤井：あります！　でも、1回は来てくれないとノーチャンスじゃないですか。

──確かに。ライヴの話が出たところで5月から＜Ray-May Tour 2016＞と題してのツアーがありますが、モラトリアムのライヴの魅力とは？

藤井：まず、ヴォーカルとピアノの男同士のユニットって珍しいと思うんですよ。2人のシンプルなカッコよさを見ていただきたいですね。楽曲は盛り上がるポップな曲あり、バラードあり、ロックありとヴァリエーション豊かなので、老若男女に楽しんでいただけると思います。若い人たちのお父さん、お母さん世代が見ても、“この声いいな。このピアノいいな”って思ってもらえるようなアーティストになりたいんですよ。それに、音楽だけではなく、MCひとつとっても楽しませられるし。

──2人のかけあいで笑わせてくれるんですか？

藤井：めちゃくちゃ面白いと思いますよ。

悠：たまに芸人なんじゃないかと思うぐらい（笑）。

──学生時代から培ってきたボケとツッコミが？

藤井：モラトリアムって芸人の方にいそうな名前じゃないですか（笑）。だから、「音楽ユニットです！」って必ず言ってる。

──カッコいいとか癒されるとか笑えるとか、いろいろな要素を持ってるぞっていうことですね。

悠：やっぱり、ライヴ会場って人間味を感じたくて足を運ぶ場所だと思うんですよ。「ゴースト人間」にも通じることですが、こういう時代だからこそ、エモーショナルで血の通った生身の部分を共有したいと思ってます。

──ということは、目指すは、息長く愛され続ける3世代アーティスト？

藤井：将来的にはそうなりたいですね。

悠：それって難しいし、ハードルが高いことだけど、純粋に「曲がいいね」「声がいいね」って言われる土俵に僕らは立ちたい。そこを目指して頑張りたいですね。

取材・文◎山本弘子






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