【インタビュー】Jam9、人生は点じゃなくて線だなと思えるようになってきたニューアルバム『SKETCH』

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Jam9は2003年結成の静岡県浜松市在住の3人組。2010年6月にリリースしたメジャー・デビュー・シングル「家族」が有線キャンシステム月間お問い合わせランキング1位を獲得するなど大きな話題になった。それ以降も静岡から音楽を発信。メンバーそれぞれが複数の楽器を操るなど、ミュージシャンとしてのプレイアビリティもさることながら、AAA、E-girls、KARA、倖田來未などにも楽曲を提供し、ソングクリエイターとしても注目を浴びている。そして、待望のニューアルバム『SKETCH』が3月23日にリリースとなる。アルバムに込めた、人々の人生の節目における、暖かく、熱く、切ない気持ちをJam9に聞いた。

◆Jam9~画像~

■依頼を受けた時は曲を書く前にインタビューを読んだり
■まずその方の人となりを調べますね


──2003年に結成以来、地元の静岡を拠点に活動を続け、レコード会社との契約時も地元在住を条件にしたとほどの地元愛を持つ皆さんですが、静岡を愛する一番の理由は?

Giz'Mo:インディーズ時代に遡るのですが、各地ライブツアーで地元バンドさんに混ぜてもらう時、必ず「Jam9(from 静岡)」と書いてあるんですよね。そうなると「静岡のアーティスト良かったね」とオーディエンスに言ってもらえるか否かが大事になってきて。デビューするからと言って東京に移るのは、掲げてきた看板を下ろす様な気がしてイヤだったんです。それに、やっぱり地元で長くやってきたから静岡の人たちが「Jam9は郷土の誇り」と言ってくれることも多くて。インディーズ時代に何度も書いてもらった「Jam9(from静岡)」は、いわば清水エスパルスとかジュビロ磐田みたいな物で、静岡を含めてJam9だと思っています。

──地元在住であることは、音楽にどんな効果を生み出していると思いますか?

イシノユウキ:もちろんレコード会社は東京だし、キャンペーンやライブで各地に行ったりもするので、決して閉じこもっているわけじゃないんですが、一番良いことはノスタルジックな気分になった時にすぐ現場にいけることじゃないですかね。すぐに思い出が蘇るし、そこで感じた気持ちを歌詞にすることも多いですね。

──Giz’Moさんとイシノユウキさんは実のご兄弟とのことですが、結成以来13年の中で、制作中に兄弟喧嘩になったエピソードがあれば聞かせてください。

Giz'Mo:忘れもしないのは、2007年に制作していた『FANTAREAL』というアルバムの最終確認ですね。一通り聴いた弟のイシノユウキが「今回のアルバムは良い曲が1つも無い」と言い出して。じゃあお前が作れよみたいな口論になったんです。でも、悔しくて1日で作った「桜」という曲が、僕らをメジャーシーンに導いてくれる1曲になりました。他にも色々あるんですけど、大抵兄弟ケンカが始まるとMOCKYは黙って下を向いてますね。自分に飛び火しないことを祈っているんだと思います(笑)。


▲ニューアルバム『SKETCH』

──アーティスト活動と並行して作家活動も行なっていますが、音楽制作においての違いがあれば、どう違うのかお答えください。

イシノユウキ:基本的に曲って歌っている人のパーソナルな部分が反映されている方がより良いと思ってます。だから依頼を受けた時は曲を書く前にインタビューを読んだりして、まずその方の人となりを調べますね。ある意味じゃスタイリストさんの仕事に似ています。好き勝手に格好いいコーディネートを作るのは簡単ですが、依頼人のキャラを投影したような似合う服を用意するのがプロだと思うので。作家仕事のアーカイブを見ていただくと、キラキラしたガールポップやセクシーで格好いい男性グループ等に提供した曲が並んでいると思うんですが、これはJam9で歌うのはちょっと違いますからね(笑)。僕らがいい男風の曲やっていたらツッコミ所ありすぎます(笑)。僕らには僕らに似合う服があって歌があるので。全ての曲がパターンメイドじゃなくオーダーメイドでやっているので、いい作品ができて嬉しくなることはあっても、惜しくなることは無いですね。

──音楽制作におけるポリシーをメンバーそれぞれお聞かせください。

Giz'Mo:10代の頃は「こんな変拍子やテクニカルな転調が出来るんだぞ!」という技術を示す様な楽曲を作る事が多くて。でもJam9を始めてからは「人が好きになってくれる歌を作ろう」と思えるようになりました。

イシノユウキ:先程の作家仕事の話と同じになってしまうんですが、キャラに合わないことはやりたくないですね。もちろんいい意味でのイメチェンは必要ですけど、デビュー当時その辺でいろいろと苦労したので(笑)。

MOCKY:基本的にメロディーや歌詞は2人のセンスを信じていて、最終確認が多いです。DJとして、音に関する部分は少し意見しながら進めています。

──3人での楽曲制作は、どのような形で行なっているんですか?

Giz'Mo:メロディーは、兄弟それぞれが先に作って現場に持ち込むことが多いですね。そこから歌詞のコンセプトを話し合いつつアレンジを固めて行くという流れが多いです。全員ある程度の楽器が弾けることもあって、メロディー先行では無く「このコード感とこのリズムで」みたいに話し合ってのアレンジ先行というパターンも多々あります。

──4thアルバム『SKETCH』は「暖かい言葉とメロディー」にフォーカスを当てた作品とのことですが、そういう作品にしようと思い至った経緯は?

イシノユウキ:前作の『INDUSTRUST』では、今の音楽を取り巻く環境にいろいろと言いたいこともあったので歌詞の中にやや攻撃的な言葉が並んでましたが、今作は主張や問題定義するアルバムではなく、リスナーの暮らしの中に寄り添うような作風になっています。元々僕らのストロングポイントってメロと描写だと思うので一度そこに立ち返ってみようかなと。

──『SKETCH』というタイトルにはどんな思いがこもっていますか?

Giz'Mo:人生は、点じゃなくて線だなと思えるようになってきた気がしています。だから何年も筆を入れ続けて完成させる油絵じゃなく、今この時、今の自分たちだから歌える歌を作りたかった。それはスケッチみたいな物なのかなと思ってタイトルにしました。

──『SKETCH』の制作中で一番産みの苦しみを味わったのはどんな時ですか?

イシノユウキ:プロモーションで1ヶ月ほど山口県に行ってたのですが、その間も制作は続いてて、本当に簡易のレコーディング機材しか持っていかなかったのでなかなか難儀でしたね。河原に停めた車の中とかで歌ってデモを作ったりしていました(笑)。

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