【インタビュー】B'zの松本孝弘、『enigma』完成で「音楽創りがまた面白くなってきた」

twitterツイート

■「enigma」のボーカルの部分の言葉に
■僕自身の思いが脈々と流れている

──『enigma』はボーナストラックを入れて15曲というボリュームがありますが、曲順……アルバムの流れが見事ですね。

Tak Matsumoto:曲順は、曲がだいたい出揃ってから並びを考えましたね。3~4パターンぐらい考えて落ち着いたかな。

──まるでコンセプト・アルバムのような、あるいはライブの曲順であるかのような起承転結が感じられて気持ちいいです。

Tak Matsumoto:ありがとうございます。珍しく自分の中ではテーマを決めて創ろうっていう思いがあったんですね。それで「enigma」を一番最初に創って、そこからどこに行くのかが自分でもわからなくなったときもあったんですけど、でも最終的には「enigma」のボーカルの部分に流れている言葉がね、テーマというか今回の僕自身の思いが脈々と流れている作品に落ち着けたので、良かったと思っています。

──僕は、アルバム半ばのクリーントーンが際立っている「Drifting」「The Voyage」「Hopes」の流れがとても好きです。

Tak Matsumoto:ああ、そのへんがいわゆる今回のアルバムの中の肝心なところ……大事なところですね。

──客観的に自分で聴いてみて、どんなアルバムになったと思いますか?

Tak Matsumoto:うーん、客観的になるには何年か経たないと……自分自身の作品としてどういう位置づけなのかは、何年か経たないとわからないです。

──『ミュージックステーション』でお馴染みの「#1090 ~Thousand Dreams~」が「#1090 ~Million Dreams~」となって再収録されましたが。

Tak Matsumoto:『ミュージックステーション』が30周年ということでやってみようかと。オリジナルのグルーヴを超えられる自信がなかったので、ずっとリテイクはしてなかったんだけど、でも結果的には良くなったと思います。

──アルバム制作に対して好き放題にやった印象を持ちましたが、どういう意識で臨んだんですか?

Tak Matsumoto:今まで以上のものを創ろうとか、そういう気張った感じはないんだけど、でもやっぱり自分自身が創りたいものというか、後から聴いて“創って良かったな”って思えるものを創りたいですよね、いつも。

──今作ではクリーントーンが美しいことに感服しました。

Tak Matsumoto:ラリー(・カールトン)さんとやった後からかな、少しジャズ・フュージョン的なところにまた行ってみたりして、それもとっても勉強になったので、少しフレージングも変わりましたよね。クリーントーンに関しては、前回の『New Horizon』の反省点がひとつあって、『New Horizon』を改めて聴いていると、音はいいんだけど、どの曲も同じトーンなんですよね。

──ほお、そうですか。

Tak Matsumoto:良かれと思ってやっていたんです。なんでひとつのトーンで演っていたかというと、前回はファイヤーバードを使うことに執着していたから。だけど今回は、ヴィンテージのレスポールを使ったり、SGを使ったりとか、使ったギターの幅が広いんですよ。

──アコースティックのサウンドも絶品ですね。

Tak Matsumoto:最近はジョン・メイヤー(・シグネチャーモデル)を使っています。

──C.F.マーティン OOO-18は引退ですか?

Tak Matsumoto:一度ね、ロサンゼルスに持っていったときにあまりの乾燥で割れたときがあったんですよ。それを全部きれいに修復してもらったんで、日本からは持ち出さないようにしているんです。だから日本で録った「Mystic Journey」はOOO-18を使っていて、ロサンゼルスで録ったアコースティックは全部ジョン・メイヤーです。

──「Mystic Journey」の音は絶品ですね。

Tak Matsumoto:いいですよね。

──曲間に様々なSEが入っているのも楽しいですね。あれは遊び心?

Tak Matsumoto:そうですね。曲のイメージを連想させるような、そういうつもりもあって入れたんです。

──今作のプロデューサーは?

Tak Matsumoto:今回は全部僕です。前回は曲によってポール・ブラウンさんにお願いしていたんですけど、今回はセルフプロデュースです。

──ということは、これらのアイデアもすべて松本さん自身なんですね。海の音、鳥のさえずり、犬の声、雷…いろいろありますが、車のエンジン音は?

Tak Matsumoto:あれは自分の車の音なんです。

──すごい音ですね、怪獣が叫ぶような音で。

Tak Matsumoto:そうそうそう(笑)。めちゃめちゃいい音で録れてますよね。

──ガレージでアクセルふかして、生録したんですか?

Tak Matsumoto:そうですね。僕がふかしているのを録音してもらったんです。

──他のSEもそれぞれ生録で?

Tak Matsumoto:スタッフが六本木の交差点に行って録ってきてくれたりとか。水の流れる音とか、犬の吠える音も実際に録りに行ってもらいました(笑)。

──楽曲の中にも、ピアノやサックス、ハモンドなど振れ幅の広い多種多様な音が入っていますね。

Tak Matsumoto:その辺りは参加してくれたミュージシャンが本当にすごく良かったので、おかげでいいカタチになりました。サックスは、『New Horizon』のときにグレッグ・ベイルさんにお願いしてすごいファンになったので、今回も絶対に彼に頼もうと思っていたから。

──曲を創っているときにそのイメージができあがるんですか?

Tak Matsumoto:そうですね。ここはグレッグさんにやってもらおうと思っていました。

◆インタビュー(3)へ
◆インタビュー(1)へ戻る
twitterこの記事をツイート

この記事の関連情報

amazon
amazon
amazon