【コラム】学業両立、フェス文化の稔り、10代ミュージシャンが輝かしい理由

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今は10代ミュージシャン百花繚乱の時代。だからこそ、そんな中で頭一つ抜けているミュージシャンは、ホンモノと言えよう。では、何故このような時代になったのだろうか?

◆焚吐「ふたりの秒針」MVダイジェスト 動画

シンガーソングライターでは、90年代後半から、宇多田ヒカル、倉木麻衣、YUI、miwaなど、華々しい才能を引っ提げて10代でデビューするミュージシャンが目立ち始めた。そういった先人に影響を受けて、また後続の10代のミュージシャンが生まれていくという流れも出来てきたと思う。実際に、とある大学の芸術学部に在学しながら、2015年12月に18歳でメジャーデビューシングル「オールカテゴライズ」をリリースした焚吐(タクト)は、「小学校4年生の時にギターを習い始めて、テレビで拝見したYUIさんに憧れて曲を作り始めました」と語っている。


そこで一つ、不思議に思うところは、そんなに早い段階でミュージシャンに憧れたにもかかわらず、現段階ではミュージシャン一本に絞ることなく、学業と両立しているというところ。それについて焚吐は、「曲を作り始めたときから漠然とシンガーソングライターになりたいという夢は抱いていましたが、その決心がより強固になったのは高校受験で進路について考えたときです。学校に通い続けている理由は、日常会話で吐き出せない思いを曲に起こしてきたため、人と関わる場を欠いたら元も子もないと思ったからです」と答えてくれた。

そう、そこにこそ10代ミュージシャンの魅力が関わっている。学生時代を終え、ミュージシャンとして生きていけば、どうしても生活は非日常なものになる。それも、ミュージシャンのカリスマ性やオリジナリティを際立たせるには重要だが、その一方で、等身大のミュージシャンも音楽シーンには不可欠な存在だ。しかも、代弁者を求める10代のリスナーにとっては、等身大の姿勢はとても魅力的。そういった同世代の思いを背負うことが出来るのは、学業と二足の草鞋を履いている10代ミュージシャンならでは。例えば、制服姿で今を歌う井上苑子も、瞬く間に女子高生の星となった。


焚吐は、10代のミュージシャンの魅力について、客観的にこう答えている。「荒削りなところではないでしょうか。同年代のファンから見たら自分が歳を重ねるのと同様にミュージシャンも成長を遂げていく様は、曲に対する共感にも繋がりますし、非常に魅力的だと思います。これからもお互いを高め合って、より良い作品が生まれることに期待します」──まさにミュージシャン自身も、同世代のリスナーからの刺激を求めているのだ。ステージの上と下に分かれた関係性ではなく、お互いを高め合える関係性という意識。もしかしたら、この意識は、フェス文化が当たり前に根付いた時代に生まれ育った世代ならでは、かもしれない。柔らかな感性同士がぶつかり合えば、10代ならではの表現に昇華されていくことは必然だろう。

フェス文化、というところでいうと、10代のバンドが躍進するキッカケを作ったフェスやコンテストも、近年は数多く開催されている。ねごとなどを輩出した、10代限定のロックフェス<閃光ライオット>(2008年~2014年まで開催/現・未確認フェスティバル)、Plentyなどを輩出したコンテスト<RO69 JACK>(2008年から開催中)など。ロックバンドなら、今は、Shout it OutやMrs.GREEN APPLEも、ロックシーンのメインストリームに駆け上がる勢いで躍進中だ。10代ならではの等身大の姿勢、そして刹那的なきらめき、恐れを知らないアイデンティティ……ジャンルは様々ながら、また、自覚的にでも無自覚的にでも、どの10代ミュージシャンも、10代にしか鳴らせない要素が詰まった音楽を鳴らしていると思う。



フェスに限らず、パッケージなどにも変化があった2000年代以降。焚吐は「楽曲やパフォーマンスの質を上げることはもちろん、映像やアプリ等あらゆるコンテンツを駆使して音を届けようとしているのが印象的です。興味深い試みはたくさん見かけますが、音楽がそれらありきの存在になってしまわぬように僕自身も気を付けたいです」と、とても冷静な意見を聞かせてくれた。時代は進化し、変化していくけれども、中心にある「音楽」そのものが大切ということは、揺るがない。そう考えると、10代を過ぎた後も、彼らが作っていく未来が、楽しみになってくる。

「前作を発表してから初めてコンプレックスだった自分の声に向き合えたくらいなので、もっと曲を作ってライブの経験を積んで自分の得意分野を知って、自分にしか出来ないことを模索していきたいです」──最後に、焚吐が教えてくれた、これからに向けた志。彼らの前には、たくさんの可能性を秘めた未来が広がっている。同世代は共感を、嘗ての同世代は眩しさを感じられるような10代ミュージシャンに、これからもたくさん出会っていきたい。

取材・文◎高橋美穂


■焚吐 2ndシングル「ふたりの秒針」

2016年5月4日発売
【CD+DVD盤 (通常盤)】
JBCZ-6045 \1500(税込) \1389(税抜)
1.ふたりの秒針
 作詞 / 作曲 : 焚吐 編曲 : 橘井健一
2.てっぺん底辺
 作詞 / 作曲 : 焚吐 編曲 : Neru
<DVD>
「ふたりの秒針」MUSIC VIDEO収録DVD付き

【名探偵コナン盤 (初回限定盤)】
JBCZ-6046 \1000(税込) \926(税込)
1.ふたりの秒針
 作詞 / 作曲 : 焚吐 編曲 : 橘井健一
2.てっぺん底辺
 作詞 / 作曲 : 焚吐 編曲 : Neru
3.ふたりの秒針(TVサイズ)

■井上苑子 アルバム『Hello』

2016.3.16 Release
【数量限定デラックス盤】UPCH‐29215 \3,900(税込)
・井上苑子 × WEGO "オリジナル Hello ポーチ
・オリジナルICカード用ステッカー
・ボーナストラックとして、ライブ定番曲「Say My Name」を収録
・応募抽選特典:100名様に"井上苑子から直接お手紙が届く"応募用紙封入(応募締切:2016年5月30日(月)当日消印有効
特別紙ジャケット仕様 全13曲入り
※ボーナストラック「Say My Name」を含む
【"高校卒業記念"今だけ!プライス盤】UPCH-29216 \2,500(税込)
全12曲入り
*【"高校卒業記念"今だけ! プライス盤】は、初回プレス生産分限定のお買い求めやすい特別価格盤となっています。
*【"高校卒業記念"今だけ! プライス盤】と【通常盤】は、ジャケット及び収録内容は全て共通です。
*全12曲 収録曲は共通です (※【数量限定デラックス盤】のみボーナストラック1曲を含めた全13曲収録)
【通常盤】UPCH-20414 \3,000(税込)
全12曲入り
*【"高校卒業記念"今だけ!プライス盤】の出荷終了次第、こちらの【通常盤】税込3,000 (税抜\2,778) / UPCH-20414 へ移行となります。
*【"高校卒業記念"今だけ!プライス盤】と【通常盤】は、ジャケット及び収録内容は全て共通です。
*全12曲 収録曲は共通です (※【数量限定デラックス盤】のみボーナストラック1曲を含めた全13曲収録)。

■Shout it Out シングル「僕たちが歌う明日のこと」

2016.03.16 RELEASE
EGGS-002 \ 1,200(税抜)
逆光 ※<未確認フェスティバル2016>公式応援ソング
ハナウタ ※ドラマ「ニーチェ先生」主題歌
星降る夜に
あなたと、
※全国流通盤 4曲入りEP

◆焚吐 オフィシャルサイト
◆井上苑子 オフィシャルサイト
◆Shout it Out オフィシャルサイト
◆Mrs.GREEN APPLE オフィシャルサイト
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