【インタビュー】the god and death stars、リメイク作品に「復活のきっかけと最高傑作を」

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the god and death starsが4月20日、ミニアルバム『after the addle apple』をリリースする。同作は2015年5月より、大嵩 潤 (Dr)の病気療養のために活動を休止していた彼らの復帰作であり、デビュー作『addle apple』のリアレンジ/リテイクによるものだ。

◆『after the addle apple』トレーラー 動画

「ただのリテイクではないし、ニューアルバムでもない」とはaie (Vo&G)の言葉だが、収録された全6曲は『addle apple』から5年の時を経て、当時と全く異なる解釈で現在に生まれ変わったもの。リズムやフレーズ、歌詞はもとより、楽曲タイトルや収録順に至るまで、すべてを解体しつつ、過去作の匂いをそこはかとなく埋め込んで再構築した最新作だ。『addle apple』と『after the addle apple』は似て非なる作品と言える。

彼ら本来の退廃的でモノクロームな世界に加え、活動休止期間中の個々の活動がもたらした新たなエッセンス。それらの融合は3ピースロックンロールバンドの鋭さを際立たせ、ますます増した円熟味を感じさせるものとなった。aie、kazu、大嵩潤の3人に訊いたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■最初はリアレンジ/リテイクがコンセプトだったんですが
■後半はどうやってオリジナルの部分を残そうかと──kazu

──2015年5月に大嵩さんの病気療養のために活動休止、今作『after the addle apple』が約1年ぶりの本格再始動を告げる作品です。そのバンドの復活作が、1stミニアルバム『addle apple』のリアレンジ/リテイクにしようというのは、どういう理由があったのでしょうか。

aie:活動休止時点で、ライヴでは1st『addle apple』の曲をやらなくなっていたんです。セットリストの候補にも上がることがなくなっていて、きっと今後もやることないよねっていう空気感だったんです。けど、またこの3人でthe god and death starsを復活しようという時に、今なら当時の曲はこうやって作るだろうなというのがあったんですね。だから、ただの再録音とは違って、1st『addle apple』のテーマに沿ってもう一回曲を作ってみようかというのが始まり。限りなく新曲に近いものでしたね。心の片隅に、1stの曲だということを意識しながら作るというか。

▲aie(Vo&G)

──近年ライヴでやらなくなっていたのは、今のバンドの気分やサウンドのあり方が違うなというところからですか。

kazu:というのがひとつと、あとは年に何度かワンマンライヴもやるんですけど、やっぱり僕らはイベントライヴの方が多くて。どうしても持ち時間が限られているじゃないですか。そのなかで曲を選ぶ時に、1stのこの曲をやるんだったら、今はこっちの曲をというか。例えばバラードをやるとなったら、1stに入っている曲よりも、次に出したものの方が……。

aie:今はやりたいっていう。

kazu:いい方が悪いんですが、代わりの曲が増えちゃったんですよね。

aie:この3人で長い間やっていますけど、まだ3人の癒着が浅い時に作った1stアルバムだったので(笑)。

大嵩:癒着(笑)。たしかにそうですね。

aie:今だったらこんなアレンジにしてないと思うんですよね。まだ全員がお互いに敬語で喋ってる時代だったと思うので。

──音楽的にも、グイグイやりあっていないような。

aie:この3人での初レコーディングだったしね。かといって、初期衝動と言うほど、初期衝動じゃない(笑)。

kazu:そうだね。

aie:今回も、初めはただリテイクしようと思っていたんですね。それができるのは、復活きっかけの今かなと思っていたので。それで、じゃあこの曲からってやり始めていったら、どんどんアレンジが変わっていっちゃって。それならもう別のものにしましょうと。

──確実に1st当初とは3人のアンサンブルも変わっていっていますし、バンドとしてのグルーヴ感も違う。それが活きた曲になっていて、オリジナルの1stミニアルバムを知る人は驚く内容だと思います。単なるリアレンジ作品ではない。

aie:圧倒的に今の我々ですよね。作品としても、現状の最高傑作みたいな気持ちで。

──新しくこの作品を聴く人にとっては、バンドの今が伝わるものであると思います。

aie:そう、ただのニューアルバムだなと思ってもらえれば(笑)。

kazu:最初は1stのリアレンジ/リテイクをコンセプトで作り始めたんですけど、アレンジの後半になると、どうやってオリジナルの部分や雰囲気を残そうかという方になっていって(笑)。

aie:どうやって、気づかせてあげようかなという親切心が出てきた(笑)。

kazu:オリジナルを知っているファンの人からしてみると、同じフレーズや同じ歌詞が出てきたら、ちょっとニヤッとするというか。そういう部分をどこに残すかっていうのを気にするという感じでしたね。

aie:そこはkazuさんがプロデューサー目線で、ギタープレイにしても「ここはちょっと1stのあのままので弾いてください」って指示してくれたという(笑)。

──大事なところですね。各曲のタイトルにしても、オリジナルとは少しずつ変えている妙味がある。これは最初の作品を知っている人はグッとくるところでしょう。

aie:聴いたことがある人にはすごく楽しいですよね。

▲ミニアルバム『after the addle apple』

──改めて、こういう3ピースの聴かせ方をするバンドだったのかと思える作品でもありました。バンドのアンサンブルにしても、それぞれの自由度が上がっていますね。このバンドの持つ歌心とエッジのあるギターサウンドはそのままに、よりグルーヴ感というものが際立っている曲も多いですね。

aie:そうですね、ちょっとダンスを意識、ディスコを意識してるなっていうところもあったり(笑)。“復活しよう”とスタジオ入ったくらいから、そういうノリにしたいねっていうのは、言っていたかもな。

大嵩:曲によってですけど、4つ打ちのものもある。4つ打ちは今までもあるにはあったんですけど、もっとノリ的な部分での4つ打ちの採り入れ方でしたね。一方で、今までにやっていたリズムのパターンの曲もあるので。今までのものと進化と、両方が入った作品だなと思うんです。

──4つ打ちといっても、このバンドでやると、単に躍らせようぜっていう曲にはならないですよね?

aie:どうしてもそうなってしまうんですけど、心の中では“躍らせようぜ”とは思ってますよ、我々も(笑)。

kazu:心の中では(笑)。

──どうしても鋭さが先に立ってしまう。

aie:あとは全体的に暗いんですよね、やっぱり(笑)。

──そこは、どうしても拭えないものですか(笑)?

aie:意識してないんですけどね(笑)。どうしても。

──と言っても今回はその暗さというのは、ダークな感じではなくて。大人の、シックな雰囲気が漂ったアンサンブルになっているのがいいなと個人的には思っているんですが。

aie:前回のアルバム『賑やかな食卓』では、「隣人林」とかわざと暗いコード進行を使ったりしたんですけど。今回はそういうのではなくて、オケに関しては奇をてらったことはしないで、ちゃんとロックの曲として、という意識はありましたね。あとは歌と歌詞が暗いだけか(笑)。

──歌と歌詞に関してはオリジナルを踏襲すると、そういうムードになる?

aie:まったく別の歌詞をのせるのも違うなとは思ったので、一回熟読した後に、もういっぺん書き直す感じで作ったんです。あとはもともとの話を前後させるとか。結局1stが暗かったので、ガラッと変えて明るくするというのはできなかったですね。

◆インタビュー(2)へ
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