【インタビュー】the GazettE、「“UNDYING”で3部作のDOGMAが最終章ってことになる」

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■どの段階でどう変化するかっていうのは
■まだ自分たちでも解らないというか未知な部分かな


──そうだね。優美な印象から始まって、デスな雰囲気に流れていく今シングル「UNDYING」の、メロウで切ないカップリング曲「VACANT」もそうだけど、葵くんの作る楽曲は特に日本的な個性を強く感じるものだと思うけど、自分ではどう感じる?

葵:うん、そうですね。たしかに。自分では自分の作る音の個性とかよく解らないけど、そうなのかもなって思う節はありますね。湿った感じというかね。今回のツアーで、そういう手応えを感じ取ってこられたら嬉しいなと思います。前回は、なんか初物感があったんで、あんまり参考にならない気がしていて。今回は待っていてくれた感も強いと思うんで、そこも楽しみかな。とにかく盛り上りが海外は独特なんでね。この曲でこんな盛り上り方するんだ!? みたいな驚きもたくさんあるから。どんな景色になるのかも楽しみだし。


──3年前とは音楽性も変化しているからね。

葵:そうね、そこの反応も楽しみなところではあるしね。それに、長く日本でDOGMAを掲げたツアーをしてきたから、“DOGMAとはこうなんだ!”っていう凝り固まったヴィジョンも自分たちの中にあるから、それを覆してくれるような気もしているし。そこもまた楽しみなところではあるかな。そこでまた新しい発見があるといいなと思いますね。

──ワールドツアーから帰ってきたら、またすぐに日本でのライヴハウスツアーが始まるけど、そのツアーはどんな形になっていくと思う?

葵:たぶん、海外ツアーが鍵になると思う。海外のライヴもスタンディングツアーになるから、その感覚をそのまま持ち帰ったライヴになるんじゃないかなって思うからね。

RUKI:今は、ライヴハウスでDOGMAをやったらどんな景色になるのかがすごく見てみたい気がしてる。個人的にはO-EASTくらいのハコでやってみたいなって思う。

REITA:あぁ、いいね。なんかO-EASTでやってみたくなってきた。ハコによって景色も音も全然違うからね。またそこでこっちのテンションも変わってくるし。

──それこそダイレクトに伝わる場所でもあるからね。ところで、今後の方向性についても訊きたいんだけど、1月27日にリリースされるシングル「UNDYING」で、DOGMAは1つの完結を迎えるということになるの?

葵:区切りというか、もともとDOGMAが3部作でもあったんで、最終章ってことにはなるのかな。

──アルバム『DOGMA』の中で「OMINOUS」は、“あとがき”の様な存在であったでしょ。

RUKI:そう。「UNDYING」は、「OMINOUS」からの繋がりというよりも、「DOGMA」「OMINOUS」「UNDYING」っていう、一連の流れっていう感覚かな。音的にね。

──この先にあるthe GazettEとは?

RUKI:常に変化するからね。次のリリースタイミングのときに、どんなふうに変わるかっていう感じ。同じことはもうしないから、どの段階で、どう変化するかっていうのは、まだ自分たちでも解らないというか、未知な部分かな。何段階目の変化になっているかってところというか。もっと強烈になっているかもしれないしね。

──『DOGMA』は、そこに至る前の再定義あってのモノだったと思うし、故に『DOGMA』はthe GazettEの個性が色濃く現れていた作品だったと思うしね。再定義の前段階には、いろんな音をthe GazettEの中に落とし込んでいった時期もあったわけだし。この先、どんな音がthe GazettEから生まれてくるのかがすごく楽しみ。

RUKI:うん。たしかに。そういう意味では、また何か形にしたいって思うモノが自然と出てくるんだと思う。

葵:今の時点では、まだDOGMAの中にある感覚でもあるんだけど、『DOGMA』を作ってみて、こんなに偏った音楽は出し物として面白かったなって思ったんですよね。ミュージシャンって、音楽性がその都度変化すると、あまり受け入れられない感じがするけど、the GazettEの場合、いろんなサウンドがあるから、どれがthe GazettEなの? って言われたら1つには絞れないし、劇団じゃないけど、その都度出し物が変わっていくっていうスタイルを個性としていってもいいんじゃないかなって最近思う。そのためには、いっぱい話し合わないといけないし、そのぶん練っていかなければいけないから、今回もすごく大変ではあったけど、また次回も、DOGMAとはまた違う、the GazettEしか出来ない景色を届けていけたらいいなと思っています。

麗:次の作品を生み出すときって、今やってることにフラストレーションが溜まったときに出てくるものだったりするんですよ。もっとこうしたい! っていうところが制作意欲に繋がっていくというか。本当だったら、1つのプロジェクトがすべて終わってから、それを整理して、自分がフラストレーションを感じたことを活かしつつ作品作りをしていくんですけど、今はまだフラストレーションも溜まっていない状態でもあるので、自分でも次にどんなものが生まれてくるのか、まだ未知なところではあります。

──今、麗くんが個人的にthe GazettEに落とし込みたいなと思っている楽曲はあったりする?

麗:個人的にはありますよ。激しささダークさを追求しきれてないなって感じる部分があるので、そういう方向を突き詰めたいなって思う部分もありますし、まったく逆な方向性の曲を作ってみたいなっていう思いもありますからね。それが、次にthe GazettEとして提示していく方向性に、どう活かしていけるかは、まだ未知ですけどね。

──戒くんは?

戒:バンドの次の展開というのは、ゆっくりとコミュニケーション取りながら進めていけたらいいなと思っています。個人的には、ずっとツアーをやっていて、音源制作もあったりしたので、ゆっくりと個人練習に入りたいって思っているんです。自分の中で目標を掲げてね。やるにはやっているんですけど、いろんなことと並行させながら、次にどんなものがきても大丈夫なように、体力をつけたい。そういう意味でも、この時期に海外ツアーを出来るのは、すごくいいと思っています。

──今回のシングルの2曲目に入る、バンド力を感じる音の重厚感が印象的な「MALUM」はREITAくんの楽曲でもあるけど、REITAくんは、今後の展開をどう考えている?

REITA:そうですね、『DOGMA』は、代々木までが吸収する期間でもあったと思うんですよ。いままでって、吸収したら、放出する場がないまま終っていたんですけど、今回は、またここから「UNDYING」を含めたところで、さらにワールドツアーとスタンディングツアーに繋げられることで放出できると思うんですよね。そうすることで、アルバムを長く体感することが出来るし、「UNDYING」や「MALUM」や「VACANT」で、さらに深く掘り下げながらアルバムを追求していけてるというか。「MALUM」は特にDOGMAのテーマをさらに掘り下げた深い憎悪を感じますからね。こうやって長く1枚のアルバムを表現できることで、自分たちを消耗させることなく、作品としっかりと向き合っていけてるなって思います。

──アルバムに対して、1回のツアーで終ってしまうことが多いからね。

REITA:そう。やっぱり、ツアーをやっているうちに、見えてくることもあるしね。「UNDYING」はまさに、こういうプロジェクトで進めたからこそ出来た、意味のある1枚になったと思うんで。この先も、こういう流れを作っていけたらと思います。この次の展開としては、ずっと育ててきたものを放出できたということで、さらに激しく攻めていけたらなと思っています。常に尖っているというか、最前線に居る感じを、バンドの音で体現していけたらなと思います。

──RUKI的にはどう?

RUKI:自分が好きで聴くいろんなジャンルの音楽を、the GazettEの音に混ぜたら面白いんじゃないかってとこで、音作りをしていた時期もあったけど、今は、わざわざ探して来てまでそういうことをしようとは思ってはいないし、また追求しだすと、とことんやってしまいそうなんで、それはそれで追求し過ぎるのもどうなのかな? ってところではあるので(笑)。まぁそれはそれでありきかなとは思うんだけど。でも、今は、正直、アルバムとかシングルという形態というか、企画自体を少し変えてみたいなってことも考えているというか。

──ん? それはどういうこと?

RUKI:まだ誰も試したことのないような形で音を発信する方法を見つけたいというかね。なんかね、極端な話、世界観を重視しない純粋な歌モノとかは、差し上げたいというか。

──差し上げたい?

RUKI:そう。“いい曲出来たから聴いてよ”って、贈りたい気持ちというか。まぁ、そういう訳にもいかないんだろうけど(笑)、世界観があるものに関しては、とことんこだわったパッケージにして届けたいというかね。そこ意外で作った曲は、純粋に音楽だけを楽しんでもらいたいから、差し上げたいなっていう。そんな両方があってもいいんじゃないかなって思うんですよ。

──なるほど。すごく理解できる。コアユーザーとライトユーザーの両者が求める形でもあるよね。ブランドの中に2つのラインがあるみたいな感覚というかね。

RUKI:そうそう。the GazettEという軸の音をしっかりと持ちながらも、いろんなことを考えながら音楽をやっていけたらなと思っています。まずは、ワールドツアーでも、いろんな刺激があると思うんで、スタンディングツアーも楽しみにしていてほしいです。

取材・文●武市尚子



「UNDYING」

2016.4.27 Release
初回生産限定盤(CD+DVD)
SRCL-9042~43/¥1,700+tax
【CD】
1.UNDYING
2.MALUM
【DVD】
[UNDYING]MUSIC VIDEO
MAKING OF [UNDYING]MV
通常盤
SRCL-9044/¥1,200+tax
【CD】
1.UNDYING
2.MALUM
3.VACANT(※通常盤のみ)

ライブ・イベント情報

the GazettE WORLD TOUR16 DOGMATIC -TROIS-
7TH MOVEMENT “The Americas”(北米・南米)
APR. 15TH(FRI)MEXICO CITY, MEXICO / TEATRO METROPOLITAN
APR. 20TH(WED)BUENOS AIRES, ARGENTINA / TEATRO VORTERIX
APR. 22ND(FRI)SAO PAULO, BRAZIL / AUDIO CLUB
APR. 25TH(MON)DALLAS, USA / THE BOMB FACTORY
APR. 27TH(WED)TORONTO, CANADA / THE DANFORTH MUSIC HALL
APR. 29TH(FRI)NEW YORK CITY, USA / PLAYSTATION THEATER
MAY 1ST(SUN)SAN FRANCISCO, USA / THE REGENCY BALLROOM
MAY 3RD(TUE)LOS ANGELES, USA / THE WILTERN THEATRE
MAY 5TH(THU)VANCOUVER, CANADA / VOGUE THEATRE

8TH MOVEMENT “The Far East”(アジア)
MAY 13TH(FRI)TAIPEI, TAIWAN / TICC
MAY 21ST(SAT)SHANGHAI, CHINA / Q.HALL

9TH MOVEMENT “The Continent”(ヨーロッパ)
JUNE 3RD(FRI)PARIS, FRANCE / LE ZENITH
JUNE 5TH(SUN)COLOGNE, GERMANY / E-WERK
JUNE 8TH(WED)MUNICH, GERMANY / TONHALLE
JUNE 10TH(FRI)HELSINKI, FINLAND / THE CIRCUS
JUNE 12TH(SUN)MOSCOW, RUSSIA / IZVESTIYA HALL

[11TH MOVEMENT]
STANDING LIVE TOUR 2016 DOGMA - ANOTHER FATE-
7月6日(水)  豊洲PIT 17:30/18:30
7月10日(日) 仙台PIT 17:00/17:30
7月13日(水) Zepp DiverCity TOKYO 17:30/18:30
7月20日(水) CLUB CITTA’川崎 17:30/18:30
7月21日(木) CLUB CITTA’川崎 17:30/18:30
7月25日(月) Zepp Nagoya 17:30/18:30
7月27日(水) なんばHatch 17:30/18:30
7月29日(金) 博多DRUM LOGOS 18:00/18:30
8月1日(月)  新木場STUDIO COAST 17:30/18:30
8月2日(火)  新木場STUDIO COAST 17:30/18:30


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