【密着レポ】藍井エイル、ツアー5公演目Zepp Tokyoで「温度も声も伝わってます」

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藍井エイルが4月3日(日)、Zepp Tokyoにて全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016“D’AZUR-EST”>の5公演目を開催した。同公演に密着したレポートとインタビューをお届けしたい。

◆藍井エイル 画像

東京はいよいよ桜満開、お花見日和となった公演当日はあいにく朝から曇ったり雨が降ったりだが、楽屋口に回ると一角で凛と咲き誇る桜が目に飛び込んできた。しっとり雨に濡れた淡いピンク色の花びらたちが、藍井エイルの到着をお出迎え。


楽屋口から中に入ると、エイルバンドのドラム楠瀬タクヤがにこやかな表情で教えてくれた。「すでに初日や二日目とはまったく違いますよ。4公演目でかなりのところまで仕上がりました。まだ残り10数本もあるのに(笑)」と名古屋ダイヤモンドホール公演で確かな手応えを掴んだようだ。ツアーはまだ序盤戦、けれども滑り出しからハイペースで完成形へと近づいていることが伺える。エイルバンドの楽屋を覗いてみると、中には長身の篤志が。あまりの大きさに身長について訊いたところ「185cmです……学生時代に測ったときは、ですけど(笑)」と笑顔を浮かべ、サウンドチェックへ向かった。

隣りにある藍井エイルの楽屋には本人が……いない!? そこに、コツコツコツ……とパンプスが床を鳴らす音が聞こえて、ステージ側から彼女が戻ってきた。この日のファッションは、ボルドーカラーのトップスと真っ白いガウチョパンツ、メタリックシルバーのパンプスを足元にプラスした甘辛コーデといった春らしい装い。「声出しできる場所を探してウロウロしてたんです」と楽屋に入り、衣装に着替えた彼女は、楽屋裏に響き渡る声で発声練習を始めた。リハーサル前の発声練習はいつものことだが、本日はZepp Tokyoという大会場だけあって足元からアクセサリーに至るまで本番と同じ姿でリハーサルに挑む。そして、スタッフがリハーサル開始を告げようと楽屋のドアを開けると、ちょうど小型の酸素缶で呼吸を整えているところ。「もう酸素吸ってんの!?」とスタッフも呆れながら笑った。


藍井エイルはまずフロアに移動。Zepp Tokyoは本ツアーの中では比較的大きなスタンディングライブハウスなので、フロア内をくまなく移動してステージの見え方を細部までチェックしていく。上手ギターの新井弘毅に「ここまで出てきてアピールしないと、サイドの女性エリアからは見えないかも」とアドバイスを送ると、新井がベストポジションを探った。続いてフロア後方エリアで、ステージ全体がどこまで見えるのか、サウンドはどんな届き方をするのかを確認していく。

その間にバンドのサウンドチェックも終わり、「では、よろしくお願いします」というバンマスの重永亮介のひと言からリハーサルがスタート。藍井エイルは最初からフルパワーだ。歌だけではない。この曲でどんな表情をするのか、ここのパートではどんな風にオーディエンスを煽るかなどを、目の前にお客さんがいるかのように本番さながらにパフォーマンスしていく。そして、この日は広い会場ならではの特効演出が用意されていたので、そちらの確認も。開場1時間前まで続いたリハーサルは、「ツアー5本目。めちゃくちゃ楽しいライブにしたいと思います」という藍井エイルの言葉に続け、“えいえいるー”の掛け声でハイタッチを交わして終了した。BARKSは、開演までの時間に楽屋で藍井エイルにインタビューを行なった。

   ◆   ◆   ◆

──昨日は、北海道日本ハムファイターズvs福岡ソフトバンクホークスの試合前に、東京ドームで国歌を独唱したんですよね?

藍井:はい! 初体験してきました。緊張で膝がブルブルしました。武道館ワンマン前夜のときのように震えてましたからね。でも、声は震えなかったのでよかった(笑)。

──東京ドーム初体験はどうでしたか。やはり大きかったですか?

藍井:思ってた以上に大きかったですし、音の響き方が本当にやまびこのようなんですよ。これがドームならではなんだろうなと思いましたね。それと、リハーサルのときにグラウンドの上を歩きながら、ここでライブをやるってどんな感じなんだろうって想像したんです。“ステージがここにあって、こっちがお客さんか、客席を見たらみんながペンライト持ったり、拳を振ったりしてるんだろうな。ライブが始まったらどんな感じになるんだろう”ってイメージしながら楽しませてもらいました(笑)。こういう経験をさせてもらったからこそ、いつかドームでライブをやりたいという新しい夢を持つことができたので、本当に貴重な時間だったと思います。

──衣装の雰囲気も、いつものステージとは違うものでしたね。

藍井:最近、ダークカラーのジレ(ベスト)にハマっていて、私服でも持ってるんですね。今回、スタイリストさんが用意してくれた衣装の中に、“ジレンチ”っていうジレとトレンチコートが組み合わさったようなものがあって、それを着ました。それと、この試合は“富良野ラベンダーティースペシャルナイター”というタイトルがついたものだったので、インナーはラベンダー色にして、メイクもアイシャドーをパープルにしてたんですよ(笑)。「ラピスラズリ」以来ですね、パープルのアイシャドーを使ったのは。

──細かいところまでこだわってたんですね。国歌独唱に続いて、始球式のオファーがきたらどうします?

藍井:やってみたいとは思いますけどキャッチャーまで届かないですよね? そんな感じでも大丈夫なんですかね(笑)。

──バスケで鍛えた腕があるじゃないですか。

藍井:いやいやいや、バスケは両手使いますから(笑)。相当な力がないと届かないんじゃないですか。やってはみたいですけど、恐れ多すぎて(笑)。

──では、新曲「アクセンティア」について聞かせてください。明るく軽快なサウンドに、エールが刻み込まれた歌詞。とにかく元気になれる曲ですね。

藍井:はい。この曲は、応援歌として少しでもみんなの背中を押せたらいいなという気持ちを込めて作りました。なので、CDジャケットでは応援するつもりでフラッグと拡声器を持ってるんです……、あ、今、開場しましたね(会場入り口付近が映されたモニターを見ながら)、おぉー、みんな“おはし”だよー! おはしというのはですね、押さない、走らないってことなんです(笑)……すみません(笑)。で、この曲は『デジモンワールド-next 0rder-』主題歌ということもあって、対デジモンとか対人とかを重ねて作ったんですね。どちらも自分以外の誰かがいることによって彩りが生まれるわけで。それによって日常にアクセントがつくということから、“アクセンティア”というタイトルが生まれたんです。逆を言えば、自分が誰かの背中を押したりできる“アクセンティア”になれたらいいなと、そういう気持ちを形にした曲なんですね。

──誰かに背中を押されるだけではなくて、押されたあなたも誰かのアクセンティアになれるんだ、という視点が新しい感じがしますね。

藍井:2番の歌詞に“そして君もいつの日にかアクセンティア”という一節が出てくるんですけど、確かにそうかもしれないですね。いままでは自分がこうしたいという歌詞だったものが、今作はお互いにアクセンティアになろうぜということですから。いままでと違うかもしれない。

──新しいといえば、衣装に着替える前のエイルさんの私服ファッションも気になりました。ちょっと女子力が増したんじゃないですか? 顔周りも少し痩せた気がするんですけど。

藍井:女子力、やったーー!!本当ですか? でも、いまはちょっと太ってるんですよ。名古屋で手羽先を死ぬほど食べ過ぎて(笑)。でも、走ったり筋トレはやってますよ。腹筋も割れてきてるんで、この調子でトレーニングは頑張って続けていきたいと思います。

──わかりました。では本日のライブ、頑張ってください。

藍井:はい。楽しみにしていてください。

   ◆   ◆   ◆


開演時間の17時を過ぎると、場内が暗転。フロアには青いペンライトが灯り、オーディエンスのハンドクラップがエイルバンドを迎える。最後に、藍井エイルが姿を現すと、ウォーという地響きのような声援が上がり、ライブが幕を開けた。オープニングから約3000人のオーディエンスが一丸となって熱狂、フロアはとてつもない盛り上がりを見せる。

「こんばんは、藍井エイルです!」

そう挨拶した後も、ライブは熱狂を止めることなく、アルバム『D’AZUR』収録曲を中心とした楽曲たちを次々と披露。日本武道館公演やワールドツアー<Eir Aoi ROCK THE WORLD 2015>を行なったことで、おなじみの定番曲や『D’AZUR』収録曲が大成長を遂げたことをパフォーマンスで証明した。切ない曲たちはより憂いを帯び、激しいナンバーはよりハードに、世界観を描くナンバーはより深みを増してフロアを圧倒していく。後半は観客のボルテージが天井知らずのまま高まり続け、そこにシンガロングやコール&レスポンスを誘発するナンバーを投下。フロアからは割れんばかりの歌声が沸き起こった。

「めちゃめちゃ凄いね。みんなの温度も声も伝わってます!」

藍井エイルからそんな言葉も飛び出すほど凄まじい盛り上がりを見せたところで本編は終了。アンコールは恒例のメンバー紹介トークで場内をたっぷり和ませた後、藍井エイルがご当地CMソングとして、“まあるい緑の山手線~”を歌い出すと客席がそれに続けて「ヨドバシカメラ」と絶叫! 楽しい雰囲気のままアンコールを駆け抜け、この日のライブが幕を閉じた。


終演後、藍井エイルは楽屋裏で関係者と挨拶を交わしていた。そのなかに、元Hysteric Blueのボーカリスト・Tamaを発見すると、笑顔を浮かべて大興奮。その模様は当日BARKSで報じられた通りだが、ここで改めて。

藍井エイルは緊張した面持ちで「春~spring~」をカバーさせていただいています。最近もHysteric BlueのオリジナルPVが流れるカラオケで練習したんですよ。Tamaさんのツイッターもいつも“カワイイ!”と思いながらチェックしてます」と矢継ぎ早に告げ、これに対してTamaは微笑みながら「うれしいです」と言葉を返した。また、Tamaは「昔の曲というのは忘れられがちなんですけど、カバーしていただいたことでみんなが思い出してくれたり、これを機に知らなかった人にも知ってもらえてとてもうれしいです」と話してくれた。

こうして、ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016“D’AZUR-EST”>の5本目を終えた藍井エイルは、5月11日の大阪BIG CATをセミファイナルに、追加公演となる6月23日のNHKホールまで全国を駆け巡る。次は金沢、そして長野と、中部地方へ。

取材・文◎東條祥恵



●12thシングル「アクセンティア」

2016年3月2日リリース
※PS Vita用ゲームソフト「デジモンワールド -next Order-」(バンダイナムコエンターテインメント)主題歌
【初回盤 CD+DVD】SECL-1851~1852 \1,500(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1851
【通常盤 CD】SECL-1853 \1,300(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1853
【デジモン盤 CD】SECL-1854 \1,400(税込)
デジモンオリジナルイラスト デジパック仕様
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1854
※3形態共通:『デジモンワールド -next 0rder-』で使用できるアイテムが手に入るプロダクトコード付き!
M1.アクセンティア
M2.Close Friend
M3.春~spring~ ※Hysteric Blueの曲をカバー
M4.アクセンティア(Instrumental)

■藍井エイル「春~spring~」ダウンロードURL
https://itunes.apple.com/jp/album/akusentia-ep/id1085401647?at=10l3PY

■全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 ”D'AZUR-EST”>

3月19日(土)HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
3月21日(月・祝)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
3月26日(土)仙台 Rensa
3月30日(水)名古屋 ダイアモンドホール
4月03日(日)Zepp Tokyo
4月08日(金)金沢AZ
4月10日(日)長野 JUNK BOX
4月14日(木)松山 サロンキティ
4月16日(土)広島 BULE LIVE HIROSHIMA
4月22日(金)福岡 DRUM LOGOS
4月24日(日)熊本 Be.9 V1 (※公演中止)
4月29日(金・祝)旭川 CASINO DRIVE
4月30日(土)札幌 ペニーレーン24
5月06日(金)神戸 VARIT
5月08日(日)京都 MUSE
5月11日(水)大阪 BIG CAT
¥5,700(税込)別途Dr代 ※東京会場の2F指定席のみ¥6,200(税込)
席種:オールスタンディング(整理番号付)※東京会場のみ2F指定席あり
※3歳以上チケット必要
※お一人様4枚まで

■追加公演<Eir Aoi EXTRA LIVE 2016 "D'AZUR-EST FINALE">

2016年6月23日(木)NHKホール
OPEN 18:00 / START 19:00
¥6,200(税込)/席種:全席指定/※3歳以上チケット必要
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
▼イープラス プレオーダー先行受付中
受付期間:3/29(火)12:00~4/4(月)18:00
http://eplus.jp/eir16e/ (PC・携帯・スマホ)

■ニューヨーク単独公演

2016年5月25日(水)Gramercy Theatre 127 East 23rd Street New York, NY 10010
18時:クランチーロールプレミアム開場
19時:一般開場
20時:ライブ開始

◆BARKS内<D'AZUR-EST>特設サイト
◆藍井エイル オフィシャルサイト
◆藍井エイル オフィシャルTwitter
◆藍井エイル オフィシャルFacebook
◆藍井エイル オフィシャルYouTubeチャンネル
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