【インタビュー】鹿乃「1stアルバム『nowhere』前向きさは大切だけど暗い部分もあるんだよ」

■いままでは、どうしてそんな暗い歌詞になるの！？　って思うような歌詞ばっかり
■でも自分で歌詞を書いた3曲は新たな自分の発見に繋がった気がします

──じゃぁ、今作の中でいい意味で、いままで鹿乃を聴いてきてくれた聴き手を裏切れた楽曲はある？

鹿乃：自分で歌詞を書いた「ヒメコイ」「JUMP! JUMP! JUMP!」と「プリマステラ」は、新しく感じてもらえるんじゃないかな。いままでどんな人生を歩んできたら、そんな暗い歌詞になるの！？　って思うような歌詞ばっかり書いていたんですけど、この3曲に関しては、すごく前向きな気持ちになって、書けた歌詞だと思うんです。みんなの応援の言葉や、関わってくださっていてスタッフさんのおかげで、自然に前向きになれたんだなって、自分でも新たな自分の発見に繋がった気がします。インディーズの頃は、やっぱり一人で籠って音楽に向き合っていたので、どうしても陰に向かっていくことが多かったんですけど、メジャーというシーンで多くの人たちと一緒に接して音楽に関われる環境になってから、すごく気持ちが変化したんだなって思えるんです。そこが一番大きな変化なんじゃないかな。「JUMP! JUMP! JUMP!」は、応援してくれてる人たちに、自分の言葉で直接想いを伝えるより、歌を通して“いつもありがとう。これからもよろしくね”を伝えたくて書いた歌詞でもあったんです。



──素敵なキャッチボールだね。「プリマステラ」はsamfreeさんと共作だよね。

鹿乃：はい。「プリマステラ」は、アルバムに入れようと思って作っていた楽曲なんですが、その先にライヴをすることをイメージして作っていた曲でもあるんです。途中までsamfreeさんが書いてくださっていた歌詞を、途中から私が受け継ぐ形で歌詞を書いたので、“samfreeさんはすごく明るい人だから、きっとこんなふうに書くだろうな”っていうことを思いながら、誰かに届ける曲になったらいいなという願いを込めて書きました。

──なるほどね。ブックレットは絵本になっていたりもするけど、これは？

鹿乃：ずっとインディーズ時代からお世話になっている水玉子さんにお願いして描いていただいて、とても素敵に仕上がりました。くまのお話は、私の原作なんです。実は、今回のアルバムの楽曲たちも、この絵本のお話を受けて書いていただいたんです。絵本『こまったましろ』のお話は1ヶ月くらいで作ったものなんですけど、ましろは自分の内面。お話の最終的には、これからに向かっていく感じを出したかったんですけど、この絵本では、“これからに向かう”までのプロセスを描いた感じになっています。歌詞ともリンクしている部分があるので、ぜひ、聴きながら絵本を読んでもらえたら嬉しいなって思います。

──『nowhere』の先にある夢とか目標ってあったりする？

鹿乃：1stアルバムを出せたので、この作品を持ってもライヴもすごく楽しみなんですけど、この先の目標としては、イメチェンしていこうかなと思っています（笑）。

──イメチェン！？

鹿乃：はい（笑）。いままでとはガラッと違った鹿乃を見せていけたらと思っているので、楽しみにしていてほしいです！

──いままでとガラッと違う感じって！？

鹿乃：メジャーデビューをしてから、会う人に“ふわっとしてるね”とか“明るくていいね”って言われるんですけど、“もちろん前向きさは大切だけど暗い部分もあるんだよ”っていうところを歌っていけたらいいなと思っています。

──ある意味原点回帰的なことだね。

鹿乃：そうなんです。ギャップ萌えを狙えたらと（笑）。二面性を出していけたらなと。尖っていきたいです（笑）。

──あははは。黒鹿乃だ（笑）。

鹿乃：あははは。そうです（笑）。歌の世界の中では、ちょっとカッコ付けたいです（笑）。前向きさも大事だって分かってるよ。けどさ……みたいなとこを歌っていきたい。普段はテンションが低めなので、歌ではおもいっきり行ってみたいですね。本性を出していけたらと（笑）。

──期待してるね（笑）。1つの分岐点となる今作を、どんなときに聴いてもらいたい？

鹿乃：これから何かを始めようという方だったり、始めてみたけど、壁にぶち当たって“あぁもうダメ。もう無理……”って思っている人たちに聴いてもらって、元気になってもらえたら嬉しい。ふわっと気持ちが上がるアルバムになっているので、傍に置いてもらえたらなと思います。

──最後に今の鹿乃ちゃんのマイブームなんかも訊いていい？

鹿乃：基本、家でゲームをしてるのが好きで、男の子のふりをしてネットゲームをやってるんです（笑）。男の子って、女の子にチヤホヤされるとこんなに嬉しいものなんだな！　って最近実感しています（笑）。あと、マイブームは、健康器具オタクなので、それをネットでリサーチしながら寝るのがマイブームです。

──あははは。なんか可愛いマイブームだね。

鹿乃：「そうですね、一人の時間を楽しんでいます（笑）。またいつか、そんな自分のプライベート時間を有効に使って、男の子目線の歌詞とか書いていけたらいいなと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください。

取材・文●武市尚子







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