ハードコアメタル界の頂点、ヘイトブリードの7作目となるオリジナル・アルバム『ザ・コンクリート・コンフェッショナル』が5月13日にリリースされる。ヘイトブリードらしさを失うことなく、さらに進化を求めた内容でメンバーも自信作と語る注目の作品だ。フロントマンのジェイミー・ジャスタに話を伺った。

◆ヘイトブリード画像

――新作『The Concrete Confessional』じっくり聴かせていただきました。1曲目の「A.D.」からアグレッシヴでぶっ飛びました。歌詞も現在のアメリカ社会を憂う内容で興味深いです。

ジェイミー・ジャスタ:「A.D.」は「American Dream」の頭文字だって捉える人が多いだろうね…。俺は歌詞が示す意味を明確には話すべきじゃないと思っている。ファンが自由に受け止めて欲しいからね。どう感じてくれてもその人の自由なんだ。それに政治的な歌詞でファンたちの意見を分断したくないっていう想いもある。異なる意見を持つ人それぞれが、俺が感じたフラストレーションを曲から感じ取ってくれたらいい。アメリカではこの秋には大統領選挙を控えていて、それは皆が真剣に変化を求めればもう一度「アメリカンドリーム」を実現できるかもしれないチャンスなんだよ。「A.D.」がそういうことを考えるきっかけになればって思うね。サウンド的にもこれまでになかったドラムのフィルやブラストビート、ギター・ソロを取り入れているんだ。

――大統領選挙のニュースは日本でも日々報じられていますが、あなたが支持する政党はありますか?

ジェイミー・ジャスタ:アメリカ緑の党(Green Party of the United States)所属の大統領候補=ジル・スタインは俺が生まれて初めて投票する価値があると感じた政治家だな。残念なことにもう当選する可能性はないんだけどね。だから、今は支持したいと思える特定の政党や政治家はいない。

――新作の話題に戻りましょう。Zeussを2003年リリースの『The Rise of Brutality』から起用し続けていますね。その理由はなんですか?

ジェイミー・ジャスタ:彼は「これはヘイトブリードの音じゃない、もっとヘヴィにできるはずだ」とか「このリフは過去のあの曲に似ているからダメだ」っていうことをはっきりと俺達に対して言える男なんだよ。バンドには挑戦することを促してくれる存在が必要で、俺達にとってはZeussがその役割を果たしてくれている。ヘイトブリードは常に挑戦し続けていきたいと思っているからね。

――今作で何か印象の残っている曲はありますか?

ジェイミー・ジャスタ:「Slaughtered In Their Dreams」のヴォーカル・パートを録音するときに、モーターヘッドのレミーの訃報が届いた。それで彼に対して何か気持ちを捧ようと思って録音に臨んだんだ。この曲にはレミーのヴォーカル・スタイルを意識して歌っている部分があるよ。よく注意して聴いてもらえればわかるんじゃないかな。

――「The Apex Within」は、とてもパンキッシュなサウンドでアルバムの中でも印象的な曲でした。


ジェイミー・ジャスタ:そうだね。昨日のインタビューでもこの曲について質問されたんだけど、この曲はミスフィッツにインスパイアされて書いた曲なんだ。クールなイントロのヴォーカル・メロディがいいよね。前作『The Divinity of Purpose』のいくつかの曲に対して「パンク・メタル」って表現してくれた人がいたんだけど、ヘヴィなサウンドと怒りの感情がミックスされた最高の融合だと思う。

――これまで7枚のアルバムとカヴァー・アルバムをリリースしてきていますが、全ての作品を一言で表現してもらえますか?

ジェイミー・ジャスタ:『Satisfaction Is the Death of Desire』(1997)=「YOUTH」。若さだね。『Perseverance』(2002)=「STRESS」。このときは、レーベルとの契約のことやいろんなことでストレスたまっていたんだ(笑)。『The Rise of Brutality』(2003)=「FUN」。この作品はこの言葉しか浮かばないね。『Supremacy』(2006)=「GROWTH」。このアルバムを作ったことで俺は人間的に成長できたんだ。『For the Lions』(2009)=「IMPORTANT」。これはオリジナル・アルバムではなくてカヴァー・アルバムなんだけど、この作品でカヴァーしたバンドたちが居なかったら俺達は存在していないから重要なアルバムだね。『Hatebreed』(2009)=「Truth」。このとき俺は何も失うものはなかった。自分は何がしたいのか、なぜ音楽をプレイしているのかっていうことを自問していた。プライベートでも祖父が亡くなったことやいろいろなことが重なったこともあって、真実の俺をさらけ出すしかなかった。作品としてヘヴィでグルーヴィ、そしてキャッチーな曲もたくさんあるから気に入っているよ。『The Divinity of Purpose』(2013)=「Purpose」。音楽が俺に生きる目的を与えてくれたんだ。人間以外の動物は日々生きるために狩りをしたり、逆に狩られたりしている。でも、人間はそれとは違って何か目的がないと生きられない。『The Divinity of Purpose』は俺にとって人生の目的は音楽なんだということを証明した作品なんだ。『The Concrete Confessional』(2016)=「Explosive」。プレイボタンを押してスピーカーのヴォリュームを上げれば、爆発的な音が飛び出すからね。

――ヘイトブリードはなかなか来日がありませんでしたが、昨年の<Ozzfest Japan 2015>で久々のショーを実現させましたがいかがでしたか?


ジェイミー・ジャスタ:<OZZFEST>は今でも忘れられないんだ。またすぐにでも日本に戻ってプレイしたいって気持ちにしてくれる素晴らしい時間だった。俺達をサポートしてくれているファンが日本にもいてくれて本当に感謝しているよ。実は<KNOTFEST>にも出たいと思っているんだ。

――11月に日本で開催される<KNOTFEST JAPAN 2016>ですか?

ジェイミー・ジャスタ:その通り!SlipknoTのコリー・テイラーに既にコンタクトをとっていて「俺はお前たちと日本で会いたい!」って伝えているんだ(笑)。

――ヘッドライン・ショーも期待していますよ。

ジェイミー・ジャスタ:ありがとう!それも実現できれば最高のカタチだね。

――最後に、あなたにとってメタルとはなんですか?

ジェイミー・ジャスタ:おれにとってメタルは「宗教」だね。毎日を生き抜くために、前に進むために必要なパワーになっているよ。ポップ・ミュージックやカントリーを聴いている人がその音楽を宗教っていう人はあまりいないけど、メタルやパンク、ハードコアはファンにとっても俺にとってもすごく大きな力になっているとおもうんだ。メタルは俺にとって宗教だ!

取材・文:澤田修

【メンバー】
ジェイミー・ジャスタ(ヴォーカル)
ウェイン・ロジナック(ギター)
フランク“3ガン”ノヴィネック(ギター)
クリス・ビーティー(ベース)
マット・バーン(ドラムス)


ヘイトブリード『ザ・コンクリート・コンフェッショナル』

2016年5月13日発売予定
【通販限定CD+メンバー直筆サイン入りブックレット付】¥3,800+税
【CD】 ¥2,400+税
1.A.D.
2.ルッキング・ダウン・ザ・バレル・オブ・トゥデイ
3.セヴン・エネミーズ
4.イン・ザ・ウォールズ
5.フロム・グレイス・ウィーヴ・フォールン
6.アス・アゲインスト・アス
7.サムシングズ・オフ
8.リメンバー・ホウェン
9.スロータード・イン・ゼア・ドリームス
10.ジ・エイペックス・ウィズイン
11.ウォーキング・ザ・ナイフ
12.ディソナンス
13.サーヴ・ユア・マスターズ

◆ヘイトブリード『ザ・コンクリート・コンフェッショナル』オフィシャルページ