【インタビュー】ember、Ken BandのMinami「ロックという音楽をやりたくて」

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Ken Yokoyama (Ken Band) のギタリストMinami率いる3ピースバンドemberが5月11日、約2年半ぶりとなる2ndアルバムをリリースした。首謀者はもちろんMinami。2013年に正式始動したemberは、同年11月に1stフルアルバム『New Neighbors』をリリースした後、新ドラマーのGenki(the arounds,ex RetromaniA)を迎え入れて2016年春、アルバム『Not Just Talk』を完成させるに至った。

◆「So Far So Good」ミュージックビデオ

“トークだけじゃない”の意を持つアルバムタイトルの意図は、インタビューを読んでいただくとして、そのサウンドは“ロック”や“アメリカ感”をテーマに、旋律で勝負した意欲作。Minamiによるボーカルも聴きどころだ。乾いたギターサウンドは広大な大地を駆け抜けるように軽快、リズムのキレは鋭い。また、アコースティックギターの弾き語りで聴かせる「Suprhero」やブライアン・アダムスのカバー「There Will Never Be Another Tonight」など楽曲バリエーションも豊富な仕上がり。

曰く、「絶対に2ビートは入れないっていうのが、ひとつ自分の決め事としてはあって」というMinamiのこだわりと音楽遍歴に溢れたアルバムインタビューは、自身の音楽観が滲み出て深いものとなった。その前に、先ごろ日本武道館で開催された<DEAD AT BUDOKAN RETURNS>についてのインタビューからお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■武道館は昭和感っていうんですかね
■これまでの会場とは異なる重み

──まず、Ken Yokoyamaの武道館公演<DEAD AT BUDOKAN RETURNS>から約2ヶ月、今振り返ってMinamiさん自身としてはどのような意味を持つライブとなりましたか?

Minami:武道館はCheap Trickとかブライアン・アダムス、DEF LEPPARDとか、まずお客さんとして観に行ったときのあの風景ってあるじゃないですか。それが当日、会場入りしたときに改めて、“あぁ、武道館だ”っていう気持ちになったんですよ。

▲Hidenori Minami@<DEAD AT BUDOKAN RETURNS>

──ちょうど一ヶ月くらいまえに行なったJun Grayさんのインタビューでは、「パンクからバンド活動を始めて、今みたいにメジャーなところまで知れ渡ってなかったし、当然武道館なんて自分がライブをやるフィールドではないと思っていて」というお話があったんですが、Minamiさん的には、いち観客として“近い”距離感の会場でもあったわけですね。

Minami:いや、だからこそ逆に遠いと思っていたかもしれない。自分にとってのスターたちが立つステージだから。まさか自分が演るとは思っていなかったかな。それも(横山)健さんのおかげで。こういう機会を与えてもらったことに凄く感謝してます。

──健さんはMCで「JunさんやMinamiちゃんを武道館に連れてきたかった」とおっしゃってましたし、客席から観ていてもその言葉は感動的なものでした。実際、スターたちが立ってきたステージにMinamiさん自身が立ったとき、どんな光景が見えました?

Minami:正直なところ本番は演奏することにいっぱいいっぱいで(笑)。というのも、このステージが映像や音として残るという意識がどこかにあったのかもしれないですね。だからちゃんとやらなきゃって。悪く言うと仕事モードなんだけど、演奏に入り込むことができた。ただね、会場入りしてサウンドチェックのためにステージに立った瞬間の興奮は、今も印象に残ってます。

──Ken Bandとしてはこれまで、アリーナ会場や広大なフェス会場など、もはや武道館よりも大きなステージを経験しているわけで。それでも武道館には特別なものがありました?

Minami:やっぱり違うんですよ。昭和感っていうんですかね(笑)。

──ははは。でも、それってイコール歴史の重みですもんね。

Minami:そうそう。これまでの会場とは異なる場所でやらせてもらっているんだなっていう重み。

▲Hidenori Minami@<DEAD AT BUDOKAN RETURNS>

──演奏に入り込むことができたというお話ですが、ギタリストとしては?

Minami:実際、ステージ上はけっこうカオスでしたね。本当に当日はバタバタしていたので、サウンドチェックにじっくり時間をかけるという感じではなかったから。だからこそ、本番では演奏に集中できたのかもしれない。

──アルバム『Sentimental Trash』のツアー後といういい流れがあった上での武道館公演だったことも影響してます?

Minami:そうですね。その流れでいければベストだったんですけど、やっぱり会場の雰囲気が独特だったということもあって、個人的には気持ち的に負けそうな……

──いや、負けてないです!

Minami:ははは。なんとか引き分けに持ち込むことができたと思うんですけど(笑)。

──だって、アリーナフロアのあまりにも凄まじい暴発状態は、Ken Bandが作ったものですから。

Minami:すごかったですね。僕が加入する前に健さんの武道館公演を客として観てたんですけど、あの時も本当にすごかった。それが、今回ステージ上で体験できたわけですから、本当にいい経験をしました。

──当日の健さんのMCの感触からもKen Bandとして再び武道館のステージに上がる日は、そう遠くはないのでは?という印象を持ったんですが、ともかくぜひともまたやってほしいです。

Minami:機会があればぜひやりたいですね。個人的にはリベンジしたい、引き分けではなくて勝ちにいきたい(笑)。

◆インタビュー(2)へ
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