【ライヴレポート】ROOT FIVE「やっと新しいスタートが切れた」

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ROOT FIVEが、5月15日東京・EX THEATER ROPPONGIにて<ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『序』~舞闘絵巻~>を行なった。

◆ライブ画像(全16枚)

オフィシャルから届いたレポートを掲載する。

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5月15日。ROOT FIVEはEX THEATER ROPPONGIのステージに立った。このライヴは、<ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『序』~舞闘絵巻~>と題された全国8ヶ所をまわるツアーの初日であったのだが、2015年の10月末で蛇足が脱退した後、江川直樹(ぽこた)、石城結真(みーちゃん)、藤谷慶太朗(けったろ)、駒沢浩人(koma’n)による新体制初のツアー<ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『序』~舞闘絵巻~>として行なわれるはずだった、1月31日の振り替え公演でもあった。

本来ならば、1月31日を4人体制の初ライヴとし、3月11日から同タイトルで全国ツアーをスタートさせるはずだったのだが、ライヴのリハーサル中に江川が左目を負傷しドクターストップがかかったことから、1月31日の公演の延期を発表し、予定していたツアーの内容をすべて白紙に戻し、急遽内容を変更。前半を16の國(ツアーの本数)をめぐり天下統一を試みる<ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『乱』~國盗草子~>、そしてこの日の振替公演を含むツアー後半を<ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『序』~舞闘絵巻~>としたのである。故に、5月15日のこの日のライヴは、“本当の意味での新生ROOT FIVEのスタート”の日でもあったと言える。彼らは無事に<ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『乱』~國盗草子~>をまわりきり、1月31日の振り替え公演として5月15日に設けた、<ROOT FIVE STORYLIVE TOUR 2016『序』~舞闘絵巻~>を届け、新たなる章の幕を開けたのだった。

その幕開けとなる1曲目は、6月8日にリリースされるニューシングル「参乱-MAIRAN-」。ROOT FIVEのリーダーである駒沢浩人が作詞・作曲・編曲を手掛けた、『和』『戦国』『武将』をテーマとするこの曲は、まさしく、今回のSTORYLIVE【『序』~舞闘絵巻~】を魅せていく上で必要不可欠な楽曲である。已むない形でスタートした【『乱』~國盗草子~】では、ライヴのラストに行なっていた楽曲だが、江川の本格的な復帰となったこの日のライヴでは、彼らがこのSTORYLIVEで届けたかった“本来の形”を、やっと完全体で届けることが出来たという訳だ。

『和』をコンセプトとした武将の衣装に身を包み、華麗に殺陣を魅せ、堂々たる立ち姿と力強い歌唱で届けた「参乱-MAIRAN-」。それは、これまでのROOT FIVEの印象を一掃するかのような勢いを放つモノだったと言っても過言ではない。彼らはそんな「参乱-MAIRAN-」をオープニングとし、一旦ステージから身を引くと、ホワイトとシルバーを基調とする衣装に着替えて再びステージに登場し、ここからは“現代”へと時を移し、4人になったありのままのROOT FIVEのステージを届けていったのだ。ずっしりとした低音が重厚な印象を与えるEDM曲「Imaginations」や、様々なジャンルを操る駒沢の作曲らしいタンゴ調かつ、古き良き時代の歌謡メロを思わす「S」、約3年ぶりの披露となったバラード「いとしいひと」など、改めて【新体制】を見せつけるかのように、ライブは展開していく。1人1人の意識がより深くなったと言うべきだろうか。マイナス1の物足りなさを感じることは決して無く、むしろ、これまで以上に個々のキャラクターが色濃く出ていたと言えるだろう。ダンスやフォーメーション、歌唱はもちろん、気負いのない自然体なMCからも、彼らのROOT FIVEに向ける強い想いを感じることが出来た。


さらに。ライヴ後半で魅せた【舞台パート】では、彼らが作り上げていこうとする“新たなるROOT FIVE”を、しっかりと感じることが出来たのだった。この舞台パートは、4人が記憶を失った状態で平安時代へとタイムスリップし、武将の魂が乗り移るという設定で物語は幕を開ける。“源氏勢の源義経(江川直樹)と鬼若丸(石城結真)、平家勢の平清盛(藤谷慶太朗)と那須与一(駒沢浩人)という、元居た時代”でROOT FIVEという絆で結ばれた4人は、見えぬ力によって平安時代でも引き寄せられていく。

フロアが真っ赤に染まった鬼若丸(石城)のキャラクターソング「千の願い」。ディープなロックチューンにハードなラップリリックが光った平清盛(藤谷)のキャラクターソング「Ruler」。伸びやかな歌唱が活かされたメロウなロックナンバー、源義経(江川)のキャラクターソング「魂のシャウト」。ジャジーな空気を客席の蒼が演出した那須与一(駒沢)のキャラクターソング「白黒メソドロジー」。それぞれのキャラクターをイメージして作られた会場限定販売のキャラクターソングたちは、オーディエンスが各メンバーのイメージカラーでフロアを染めるという、届け手と受け手が一体となって作り上げるライヴの形で成立していたのだった。


長台詞と殺陣、見事なフォーメーションとパフォーマンス。そして、聴き手を惹き付ける見事な歌唱。4人の完璧な演技と歌唱に、客席からは終始驚きの声が漏れ響いた。4人は“元居た時代”に戻るために必要とされる“三種の神器”を手にし、元居た時代へと舞い戻ったのだった。現在の彼らの在り方とリンクする部分を感じさせるそのストーリーに、涙するオーディエンスも多く見かけられた。それはきっと、彼ら自身が、演技でありながらも、そこにそれぞれがROOT FIVEにかけるこの先の想いを託していたからであろうと感じた。彼らは、それほどまでに生々しい情熱を宿した、新たなライヴの形を提示してくれたのだ。

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