【座談会】オムニバス盤『Agitation Clysis』、「雨の日にひとり、家で聴ける音楽を」

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オムニバスアルバム『Agitation Clysis』シリーズ第4弾が5月25日、3作同時リリースされる。同シリーズは90年代にリリースされた数々のインディーズオムニバス盤をリスペクトし、扇動的注入をコンセプトとして、インディーズシーンに劇薬的役割を果たさんとするもの。その第4弾が、“その日の気持ちと同じ温度”をテーマにした【INNER JOIN】、第3弾に続き“GIRL’S ROCK”をフィーチャーした【HELLO!☆GIRL’S ROCK☆PANIC!! vol.2】、第1弾より恒例の“国内ヘヴィメタル&ハードロックシーンを代表するアーティスト”を収録した【Metalize 04】の3作だ。

◆『Agitation Clysis』 画像

“GIRL’S ROCK”や“HM&HR”によるオムニバスはこれまでの『Agitation Clysis』シリーズでリリースされてきたが、【INNER JOIN】は初。加えて、“その日の気持ちと同じ温度”をテーマにしたアルバムにはジャンルの壁もない。

同作プロデューサー須賀勇介(RHEDORIC, ex.12012)のソロ名義HIGHBALLをはじめ、44MAGNUMでも活動中のSTEVIE率いるSAMURAI TRIGGER、元Hysteric BlueのTamaと楠瀬タクヤからなるユニットSabaoなど、全11アーティストの音源を収録した同作から、須賀勇介、SAMURAI TRIGGERのSTEVIEと山崎、ジャミーメローのMEMIcream、CarnationsのAnge、Dr.Comet Pandaの平塚駿平、ATSUTOといった6組7名を迎えて行なった座談会は、音楽性も性別も超えたアーティスト同士の交流の場ともなった。個々の音楽観が赤裸々に浮かび上がったトークセッションの模様をお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■私の宇宙に紅茶が流れ込んでいく
■そういう感じの曲を入れたいと思ったんです

──今回のオムニバスアルバム『Agitation Clysis ~INNER JOIN~』はどういったコンセプトになっていますか?

須賀:話をいただいてどういうものにしようかなと考えて。これまでに出た『Agitation Clysis』シリーズを振り返ってみたら、どちらかといえばハード目なロック系の匂いがするオムニバスシリーズだったので、じゃあ、真逆をやろうと(笑)。ふとした時に聴ける音楽というか、なんとなく題目としてつけたのが、“雨の日にひとり、家で聴ける音楽”が集まればいいなと思ったんです。それでいろんなアーティストに声をかけて、集まってくれた感じですね。

▲須賀勇介 (プロデューサー/HIGHBALL/RHEDORIC/ex.12012)

──収録された方は面識のある方だったり、バンドからのつながりで集まった方ですか。まず今日座談会に参加していただいたみなさんは?

須賀:ジャミーメローのナカムラタカノリ (G)君とは友だちで、まず彼に「やらない?」って話をしたんです。「BARKSで座談会もあるらしいよ」って言ったら、「それやる! 座談会も行く行く!」って。まぁ、そう言っておきながら彼は今日、取材に参加できずっていう(笑)。Carnatiosさんはそのタカノリ君の紹介で参加してもらって。SAMURAI TRIGGERは一度、ATSUTOのイベントでSTEVIEと友だちになって、「こういうのがあんねんけど」とお誘いして。Dr.Comet Pandaは結成して半年も経ってない新しくて若いバンドなんですけど、平塚君はいいヴォーカルなんですよ。彼らも人を通じて知り合って「やる?」って聞いたら、「やります」と言ってくれました。

──今日集まっていただいた以外の方も、みなさんそういった感じで声をかけたんですか。

須賀:Sabaoは、元Hysteric BlueのTama(Vo)と楠瀬タクヤ(Dr)のふたりのバンドで。タクちゃんは僕が今やってるバンド(RHEDRIC)のドラムでもあったんです。「なにか参加できそうな曲ある?」って聞いたら、「いい曲あるよ」って言ってくれたんです……けど、全然バラードではない(笑)。でも、それもおもろいか!って入れた感じですね。ときめきエキスプレスと上杉羽奏さんは、タカノリ君が紹介してくれた方。bandneonは徳島のバンドで、僕は地元が愛媛なんですけど、少し前に帰省した時、松山サロンキティの店長に「こういうオムニバスがあるんだけど、面白いバンド四国におらへんの?」って聞いたら、bandneonのPVを見せてくれて。「ええやんええやん」って繋いでもらったんです。高橋美之さんは、知り合いの知り合いという感じで、R&Bをひとり入れたかったので声をかけさせてもらったんです。

──作品のコンセプトを伝えて、それぞれから曲を出してもらったという感じですか。

須賀:そうですね。合う曲ない?と。

▲ジャミーメロー

──では、それぞれの曲についてもお伺いしていきます。まずジャミーメローは、キラキラとしたファンタジックなポップチューン「宇宙のシュガー」です。これは、もとからある曲ですか。

MEMIcream:今回は「バラードっぽい感じを」と最初に聞いていたんですけど、「そこまで大きな縛りはない」ということだったので、私たちなりにバラードの気持ちのする曲を選びました。曲自体はもともとあったものなんですけど、以前は違った歌詞がついていて、今回歌詞もアレンジも丸ごと変えて作り直しました。音源化は初めてですね。この曲は……私、宇宙は巨人の体のなかだと思っているんですね(笑)。

須賀:そこから詳しく聞きますか(笑)?

MEMIcream:ははは。自分の体も宇宙だと思っていて。巨人の体のなかに宇宙があって、たくさんの星があって、そこに生き物がいて、その体のなかにはまた宇宙が広がっていて。そして私の体のなかにも宇宙が……と考え事をしながら、雨の日に暖かい紅茶をのんびり飲んでいる感じ。私、雨で閉じ込められた部屋のなかで、お茶を飲むのがすごく好きなんです。その私の宇宙に紅茶が流れ込んでいく感じの曲を入れたいと思ったんです。

須賀:1曲目にぴったり(笑)。今の話じゃないですけど、まさに俺のイメージしていたオムニバスもそういう感じで。「雨でめんどくさくて外に出たくないな。いいや今日は出ないでおこう」と部屋でお茶を飲む時に流れているような音楽。だから、すごく完璧な曲だなと。

──Carnationsの「甘い憂鬱」は、北欧ポップスを思わせる温かくて洗練された曲ですね。

Ange:これは以前発表している曲なんですね。お休みの日におうちでまったりしている時って、内観というか、自分のことをぼーっと考える時間なのかなと思うんです。この曲は、まだ恋が始まっていないけど、気になっている人のことを考えている曲で。本当はどう思っているのかなっていうことを自答しつつ聴いてもらえたら。恋の始まりがあったらいいなという歌です。

──みなさん、まさにコンセプトにぴったりの曲です。

須賀:ほんと、ありがたいくらい予想外です(笑)。曲もお洒落ですしね。

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