【座談会】オムニバス盤『Agitation Clysis』、「雨の日にひとり、家で聴ける音楽を」

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■失恋をして引きこもっている歌ですね
■「雨か……」みたいな(笑)

──SAMURAI TRIGGERは「サヨナラ」という曲ですが、ピアノやストリングが効いてしっとりとしたバラードですね。

STEVIE:まず最初に話をもらった時は、「誰か、いい人いない?」って感じで、アーティストを紹介してほしいってことだったんです。でも、「これは面白そうだな。誰かに振るよりも自分でやろう」と。まず他の人の仕事を奪うところからはじめました(笑)。SAMURAI TRIGGERという名義のこのユニットも、今回が初の駆け出しなんです。

▲SAMURAI TRIGGER

山崎:それぞれでは、これまでいろいろなことをやっているんですけど、作曲家チームとしては始まったばかりで。

STEVIE:自分は44MAGNUMというへヴィメタル・バンドのヴォーカルもやっているんですね。でも、今回はバラードっぽいものでということだったので、こういった曲を書き下ろして。女の子ヴォーカルもいいなと作っていたんですけど、いや、普段メタルをやってる俺が歌ったほうが絶対面白いだろうと。

須賀:最初に曲を聴かせてもらった時は、僕の好きな感じのバラードだったから、「きたー!」と思ったんですよ。俺のなかの王道の曲で願ったり叶ったり。

STEVIE:微妙にコンセプトに沿ってるのか沿っていないのかわからないですけど、失恋をして引きこもっている歌ですね(笑)。ヘコんで家のなかに閉じこもってて、「雨か……」みたいな。

──SAMURAI TRIGGERとしては、こうしたバラードももちろん、いろんなタイプの曲を書くんですか。

山崎:そうですね、幅広くやっています。

STEVIE:ゲーム音楽だったりもそうだし。

山崎:自分はもともとインストの音楽をやっていたりもするので。

──Dr.Comet Pandaは「約束」という曲です。こちらも雨の日にぴったりのスローバラードですね。

平塚:僕は歌詞から曲を書くことがほとんどで。抽象的な感じで、あるものにたとえてその気持ちを代用して書くことが多いんですが、この曲はベタベタな失恋ソング。長くお付き合いした人と別れて、本当に家から一か月くらい出ないことがあったんですけど、その時に速攻でできた曲です。

──実体験が?

平塚:実体験そのままをべたっと張り付けたような。歌うのもちょっと苦しいような。いちばん思い入れのある曲なので、これで参加したいと思いました。須賀さんにもアレンジの面でいろいろ教えていただいたり。

須賀:レコーディングの監修としてディレクションしていたので。Dr.Comet Pandaは、まだまだ粗削りなんですけど可能性がたくさんあるからね。

▲ATSUTO

──ATSUTOさんは、繊細で叙情的なバラード「曼珠沙華」です。

ATSUTO:「バラードで」という話だったので、他にもバンドサウンドの曲だったり、いろいろなタイプの曲があるんですけど、これがいちばんバラードらしいかなと思って。僕はバンドのドラマーとしても活動しているので、普段はあまり歌詞は書かないんですよ。もちろん自分が書いた曲もあるんですけど、レコーディングしたものが「曼珠沙華」だったので。この曲は、ちょっと前の作品なんですけど、その時にいろいろあって……いろいろあった時のことが形になってます(笑)。

──須賀さんは『Agitation Clysis ~INNER JOIN~』のプロデュースもそうですが、今回はHIGHBALLというアーティストとしても参加しています。「Acoustic avenue」は、シックで静謐なアコースティックチューンになっていますが、この曲を選んだのは?

須賀:以前、バンド (12012)を辞めた時、暇だったので『暇つぶCD』というソロ名義のアルバムを作ったんです。今回、あと1枠空いていたので、その時のボーナストラックみたいな曲だったんですけど、「Acoustic avenue」を入れようと。その時のものからはリミックスしたり、ドラムを差し替えたりして収録していますね。

──HIGHBALLではアコースティック調の曲も多いんですか。

須賀:いろいろですね。幅広く音楽が好きだから、何かに縛られるのが嫌なんですよ。その時降りてきたものってあるじゃないですか。例えば、『STAR WARS』を見たら、そういう曲を書きたくなるでしょ(笑)。この時は『赤毛のアン』でも見たんですかね……みたいな感じで(笑)。アコースティックでやるという縛りもないし、たまたま今回のオムニバスにピッタリの曲があったので。

──みなさんは、これまで対バンしたりというのは?

STEVIE:これが、俺たちはないんですよね。

ATSUTO:俺は、みんなと対バンしてますけどね。

──これまでの『Agitation Clysis』シリーズはそれぞれが対バンしていたり、バンド同士が繋がっていることも多かったので、そういう意味ではすごく新鮮な作品ですね。

須賀:そうですね。真逆をいきたいのもあったんですよ。シリーズ第2弾の『Agitation Clysis ~PPF~』で僕のバンド (RHEDRIC)を収録してもらっているんですけど、そのメンツを見ると対バンしてるバンドも多かったんです。逆に、今回はそうならないものも面白いなと思って。ただ、「座談会では、これはよそよそしい感じになるぞ」っていう心配もありましたけどね(笑)。

──リスナーにとっても、初めて聞く名前や楽曲がたくさんあって、新たな出会いの場になりそうですね。

須賀:そっちのほうが面白いじゃないですか。各アーティストのファンがこのCDを手に取ってくれた時、「この曲もいいけど、こっちもいいな」と感じてくれて、後々それぞれが対バンした時に、「せっかくだったらライブに行ってみよう」って思うところまでいければ、それはひとつの成功になるのかなっていう。

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