パンクからキャラソン・アニソンまで、SONARを駆使するパフォーマー&コンポーザー、エンドウ.(GEEKS)の曲作りの秘密を聞く vol.2

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自身がフロントマンを務めるバンド、GEEKSでほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がけるほか、他アーティストへの楽曲提供も積極的に行っているエンドウ.。そうした提供楽曲は、GEEKSのハードなテイストと対照的に、ももいろクローバーZや佐藤聡美、アニメ「それが声優!」「戦勇。」など真逆な印象のものも多い。ゴリゴリのパンクから、かわいい女の子キャラが歌うアニメソングまで、幅広い楽曲づくりの秘密はどこにあるのか? エンドウ.に音楽経験や制作環境について聞くインタビュー。第2弾では他アーティスト、TVアニメへの提供楽曲について聞いた。なお、今回のインタビューは、エンドウ.が楽曲制作においてはDAWソフト「SONAR」を使用しているという縁から、SONARの国内販売元であるティアック/TASCAMの加茂尚広氏とともに同社のショールームであるGibson Brands Showroom Tokyoで行われた。

◆エンドウ.(GEEKS)~画像~

■ももクロ「バイバイでさようなら」のコーラスは1人で32人分をSONARで録音

―― 提供楽曲の数々を聞いてびっくりしたんですよ。とてもハードなギターの方が作るものとは思えないなというところもあって。一番びっくりしたのはイヤホンズの「あなたのお耳にプラグイン!」。

※「イヤホンズ」は、新人声優の高野麻里佳、高橋李依、長久友紀による三人組ユニット。当初は4コマまんが「それが声優!」(原作シナリオ:あさのますみ / 作画:畑健二郎)に登場する主人公による架空のユニットだったが、同作品のアニメ化にあたり主役を演じる3名による声優ユニットとなった。TVアニメ「それが声優!」とともに2015年6月デビュー。エンドウ.が手がけたのはアニメのエンディングテーマとなった「あなたのお耳にプラグイン!」(2ndシングル「それが声優!」に収録)は、キャラクター3人のかわいさを前面に出した楽曲。3人の掛け合いによるラジオ番組風の構成で、各話の内容にあわせて歌詞(セリフ)が異なることでも話題に。エンドウ.はこのほかイヤホンズの1stアルバム「MIRACLE MYSTERY TOUR」(2015年11月リリース)の収録曲も提供。

エンドウ. (笑)

―― もう、これだめだクセになるわ、みたいな。あと、ニンジャ・スレイヤーとか。ゴリゴリじゃないですか。

エンドウ. ああ、そうですね。あれはGEEKS名義なので、完全に。

※「ニンジャスレイヤー」はブラッドレー・ボンドとフィリップ・N・モーゼズ原作の小説作品。2010年より有志が日本語訳をTwitter上で連載、2015年よりインターネットの動画サイトでアニメ配信がスタート、2016年4月より地上波でも放送中。エンディングテーマを毎回異なるアーティストが手がけていることでも注目を集めた。GEEKSはオリジナル版の第16話に「NINJA SOUL」を提供。GEEKSらしいギターサウンドとシンガロングが魅力のナンバー。


―― で、ももクロの「バイバイでさようなら」は、ちょっと意表を突かれました。

※「バイバイでさようなら」は、ももいろクローバーZの3rdアルバム「AMARANTHUS」収録曲。エンドウ.は作曲・編曲を担当。

エンドウ. そうですね。あんまりバンドっぽくはないですからね。

―― 男声のテノールみたいな声があったじゃないですか?

エンドウ. あれは全部僕の声です。全部SONARで録ってますよ!

―― 重ねて重ねて?

エンドウ. そうなんですよ。

―― ほぉ! ああいうアレンジってオーダーがあるんですよね?

エンドウ. そうですね。「バイバイでさようなら」の時は「死をテーマにした曲だから、なんか死神っぽい声とか入れたいなあ」とか言われてたんで、じゃあって僕が1人で32人分SONARで……。

―― 32人分!

エンドウ. GEEKSってコーラスがすごく多くて、クイーンっぽいのとか、いろいろやってるんですけど。いつも200トラックくらいいっちゃうんですよ。コーラスもちゃんとみんなで「せーの」でレコーディングすると、それっぽい雰囲気で録れるんですけど、一人一人のクオリティをきっちり揃えるまでに、すごく時間がかかるので。一人で多重録音したほうが後でコントロールもしやすいし、重なった時に統制のとれた声が作れるので。基本的に僕は200トラックぐらいはいっちゃうんですよね。普通のレコーディングだと、みなさんブースに「じゃあみんなで録ろう」って5、6人入ってステレオで録ったり1本で録ったり、「せーの」でバッてやって、それを2本重ねるとかするんですけど。それだと、ど―してもちょと気を抜いてるやつだとか(笑)……。

―― ああ、なるほど(笑)、同じテンションではない……。

エンドウ. テンションもそうだけど、、ちょっとしたズレとかがあるので、それを考えると全部一人で録るっていう。だから、僕の制作とか、GEEKSはトラック数がハンパじゃないんですよ。

―― 死がテーマだから 「バイバイでさようなら」は最後がお鈴(りん)なんですか?

エンドウ. ふっふふ(笑)。

―― 「あっ! えっ?」と思いましたもん。「お鈴が来た!」っていうか。あれもちゃんと録ってみた?

エンドウ. そうですね。あれは祖母の家の仏壇で「チーン」って(笑)。

―― あとは「ぽんぽんぽっぷこーん」。

※「ぽんぽんぽっぷこーん」は、アニメ「戦勇。」のイメージソング。歌うのは作中の主人公ルキ(声:茅野愛衣)。作詞・作曲・編曲ともにエンドウ.が担当。かわいらしい歌声にチェンバロやハープによるクラシカルなアレンジがマッチ。

エンドウ. あれは(笑)キャラソンですよね、はい。かわいい系で。

―― ギタリストの曲とは思えなかったんですよ。

エンドウ. ギター入ってないですからね。あっ1回入れたのか。

―― 「バイバイでさようなら」もタララララっていう速いフレーズが左右でくるぐらいで、あとは基本ホーンとかがメインじゃないですか?

エンドウ. そうですね、はい。

―― で、アニソンみたいな世界だと音のレイヤーをものすごく詰め込む印象があるんですけど、エンドウ.さんの曲ってすごいカラフルだけど、よくよく聴くとそんなに詰め込んではいないですよね?

エンドウ. そうですね。飽和しちゃうので、なるべく隙間を縫ったり、あと同時に埋まる音が入らないようにとか、すごく考えながらやってます。どうしてもギター系になっちゃうと、ギターがぶわーって鳴るんで、ウチみたいなパンクバンドは。いつも、せめぎあいになるんですけど。で、アニソンとかはギターで埋めなくても済むので。ピンポイントで音をあてたりしますね。

◆インタビュー(2)へ
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