【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>ATATA、「届け! 届け! 届け!」

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今回の<SATANIC CARNIVAL '16>出演者の中で、もしかしたら一番“?”となった出演者がこのATATAかもしれない。それは出演するメンバーたちも一緒で、ライヴ冒頭のMCでMitsuyoshi Nabekawa(Vo)が「いまだになんで自分たちがここに立っているのか、わからずにいます」とつぶやいてしまうほどなのだから。しかし、ライヴシーンの最先端で活躍するバンドが一堂に会する<SATANIC CARNIVAL>だからこそ、このタイミングでのATATAの出演が決まったのではないだろうか……この日のライヴを観て、そう感じずにはいられなかった。

◆ATATA 画像


ちょうどフードコーナーや休憩スペースがにぎわう昼時を過ぎたタイミングに、EVIL STAGEでは決して多いとは言い切れない熱心なオーディエンスがATATAの登場を待ち構える。そして印象的なSEが流れる中、ATATAのメンバーがひとり、またひとりとステージに登場。Nabekawaは先のコメントを発するのだが、それに続けて「……なので、この35分でその答えを見つけたいと思います」と前向きな発言を観客に投げかけると、会場は暖かな拍手に包まれる。そのままバンドは、<SATANIC CARNIVAL>プロデューサーのI.S.O氏に捧げる「Star Soldier」から緩やかにライヴをスタートさせた。

どこかレゲエにも通ずるテンポ感とピースフルな音色で、EVIL STAGEにアットホームな空気が一瞬充満したかと思うと、バンドはすかさず激しいアンサンブルでその空気を切り裂く。上手のTatsuhito Ikeya(G)、下手のDai Torii(G)のみならず、定位置にいるKenta Iwata(Key)までもがビートに合わせてジャンプを繰り返すと、Nabekawaは「ここにいてくれるみんな、ありがとう!」と感謝の言葉を述べつつ、エモーショナルな歌声を響かせた。



「踊りましょう!」を合図に2曲目「1 Nite Wonder」に突入したATATAは、歌をしっかり聴かせつつも随所随所にキメが散りばめられた演奏で観客を惹きつける。さらにバンドはMasashi Kaneda(B)のブリブリしたベースリフから「Reverberation」へとなだれ込み、スリリングな演奏と胸に響く歌声で観る者を圧倒させた。

徐々に観客が集まり始める中、Nabekawaは「“お前ら、誰だ?”って感じだと思うので、みんなが知ってる曲をやろうと思います」と言ってBLURの代表曲のひとつ「Song 2」のカバーを披露。しかしそこはATATAというバンドのこと、シンプルなアレンジの原曲をよりリズミカルに進化させ、ATATA流「Song 2」で会場を沸かせる。そこから間髪入れずに「Clark Kent」へと移るのだが、メンバーがイントロをミスってやり直しに。メンバー間で「後で奢ってもらうからな」など和やかなやり取りを経て「Clark Kent」をやり直すと、さっきのミスが嘘のようなダイナミックな演奏でオーディエンスを圧倒させた。



「チョー楽しいです! 今日のラインナップの中で、ここ(ATATAのライヴ)にいる人は頭のおかしい人だと思います(笑)。来てよかったと思ってもらえるよう、あと2曲頑張ります!」とNabekawaが告げると、IkeyaとToriiのギターが絶妙なハーモニーを繰り出す「Song Of Joy」へ。そこにIwataのオルガンが加わることで彼らのサウンドはより広がりを見せていく。さらにKanedaとTaisuke Okura(Dr)による強靭なリズム、メランコリックなNabekawaのボーカルが合わさると、ATATAでしか成しえない唯一無二のサウンドが完成する。そしてこのサウンドだからこそ、Nabekawaが歌う日常に根ざした歌詞が世代を超えて聴くものの心を掴んで離さないのだ。曲のエンディングでNabekawaが何度も「届け! 届け! 届け!」と叫んでいたが、あの場にいたすべての者たちに間違いなく届いたはずだ。


クライマックスと呼ぶにふさわしい壮大な「Song Of Joy」から、ラストナンバー「The Next Page」へと続く。より激しさを増した演奏は、ついに休憩スペースにいたキッズたちにまで届き始め、観客の数は最初とは比にならないほどにふくれ上がる。そしてメンバーは満面の笑みを浮かべ、35分におよぶステージを終了させた。あの笑顔を見れば、彼らはこのステージに立った意味を掴むことができたはず……そう実感せずにはいられない、<SATANIC CARNIVAL>史に残るステージだった。

取材・文◎西廣智一
撮影◎Jon…

【ATATA セットリスト】

1.Star Soldier
2.1 Nite Wonder
3.Reverberation
4.Song 2
5.Clark Kent
6.Song Of Joy
7.The Next Page

■<SATANIC CARNIVAL'16>

2016年6月4日(土)幕張メッセ国際展示場9-11ホール
<出演者ラインナップ>
【SATAN STAGE】
10-FEET
Crossfaith
dustbox
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
MAN WITH A MISSION
MONOEYES
SiM
WANIMA

【EVIL STAGE】
04 Limited Sazabys
ATATA
The BONEZ
Crystal Lake
Dizzy Sunfist
G-FREAK FACTORY
ジャパハリネット
NAMBA69
SHANK
TOTALFAT
[O.A.] bacho

チケット料金:¥8,500

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