【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.4「滑落中にレッド・ツェッペリン」

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ある特定のアルバムを聴くと昔の印象深いワンシーンが思い出されることがありませんか?特に若い多感な時期に聴いたアルバムに多いような気がします。

デフ・レパードの『炎のターゲット』を聴くと、大学受験で初めて一人で青森を出た時の事を思い出します。共通一次試験の点数が悪くて志望していた東京外大を受けることをあきらめ、大阪外大の受験で大阪にやって来ました。生まれてこのかた標準語を口にしたことがなかったので、何か人に話かけるだけでとても緊張していました。ホテルの場所が分らず梅田のガード下をうろうろしながら気を紛らすためにこのアルバムのカセットをウォークマンで聴いていました。手始めにキオスクで練習しようと思って、ポケットティッシュを指差して「これください」と言ったのが初めての標準語でした。このアルバムを聴くとこの時の緊張と梅田の汚くて暗い風景が思い起こされます。ちなみにこの高3の受験は全滅で、上京して小岩に部屋を借り、お茶の水の駿台予備校に通って標準語の練習に励むことになります。


▲デフ・レパード『炎のターゲット』

これも高校時代でしたか、一人で山に登った時のことです。登山道を外れて沢伝いに下山していると突然濡れた岩で滑って転落してしまいました。「死ぬかもしれない」という思いが一瞬よぎりましたが10メートルくらいで止まって助かりました。この滑落中にウォークマンで聴いていたのがレッド・ツェッペリンの『聖なる館』です。たぶん「永遠の詩」がかかっていたと思われます。なぜならこの曲を聴くとなぜか冷や汗の出るようないや~な感じがするからです。そして「レイン・ソング」を聴くと、助かってぼーっとしていた時にかかっていたのでしょうか、とてもほっとするのです。


▲レッド・ツェッペリン『聖なる館』

さて、今回は初めてレッド・ツェッペリンのアルバムを買おうと思っている若い皆さんがうまいこと好きになってはまってくれる最初の一枚を。ずばり4枚目です。タイトルは特になく、『IV』と表示され、「フォー・シンボルズ」と呼ばれているようです。有名な「天国への階段」や「ロックンロール」など名曲ぞろいです。次は『II』でしょうか。自分は『フィジカル・グラフィティー』と『聖なる館』が好きなのですが最初でないほうがよいかもしれません。そして、間違っても最初に買ってはいけないのが『イン・スルー・ジ・アウト・ドアー』です。100円コーナーにあってもやめたほうがいいでしょう。


▲レッド・ツェッペリン『IV』

●おまけのマイベストテープ~梅雨なのでしっとりした曲

A1.レイン・ソング / レッド・ツェッペリン
A2.5月最後の日 / ブルー・オイスター・カルト
A3.スリパウェイ / バッジー
A4.王様の神殿 / レインボー
A5.手をとりあって / クイーン
B1.オー・キャロライン / マッチング・モール
B2.不思議なお話を / イエス
B3.サンシャイン / ナザレス
B4.雨に寄せる抒情 / ユーライア・ヒープ
B5.老いゆく孤児の物語 / シン・リジー


<人間椅子ワンマンツアー「地獄の道化師」>

6月29日長野 Club JUNK BOX
7月1日新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
7月3日高松 Olive Hall
7月5日名古屋 Electric Lady Land
7月8日大阪 味園ユニバース
7月10日東京 新宿ReNY
8月9日(火)仙台 CLUB JUNK BOX
8月11日(祝木)青森 Quarter
*チケット発売中!

<ハードロック喫茶ナザレス>

9月10日(土)高円寺ShowBoat
※6/1よりローソンチケットにてチケット発売

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