【ライブレポート】コレサワ、弾き語り自主企画で放った声と歌の輝き

6月17日（金）に東京青山「月見ル君想フ」にて、シンガーソングライターのコレサワによる自主企画＜こしょこしょばなし＞が行われた。

◆＜こしょこしょばなし＞ライブ画像

この日は、金木和也、あいみょんというコレサワと同世代のソロアーティストが招かれ、3者の声と曲のよさが一層浮かび上がってくるような弾き語り形式のイベントとなった。

▲金木和也

▲あいみょん

トリに登場したコレサワは、代表曲と新曲を織り交ぜてたっぷりと演奏した。イントロからハンドクラップが起こりオーディエンスの身体が思わず揺れた「君のバンド」や「あたしを彼女にしたいなら」といったアッパーな代表曲はもちろん楽しめたが、やはりこの日はスローテンポの「最終電車」や「笑えよ乙女」に格別に引きこまれた。

コレサワのあの切なげでキュートな歌声で静かに弾き語られると、ただひと言、伝わってくる。胸が痛んでしまうほど心臓にダイレクトに伝わってきてしまったが、いい声、いい演奏とは、やはりある程度、聴き手に“ショック”を与えてくれるものだと改めて感じることができた。きっとたとえば50代の男性も、彼女が歌う乙女心や恋心になぜだか強く共感できてしまうだろう。それは、普遍的なメロディを擁する歌と、時に繊細なブレスを交える彼女の歌声の“近さ”によって、聴く者を半端無く引き込む力が成せる特別なわざである。

そしてアンコールでは、先日お伝えしたとおり、3枚目となるE.P.『ジエイポップ』を9月21日にリリースすることが発表された。昨年2015年4月に全国流通盤『君のバンド』をリリースしてから、とにかく“ポップ”だと形容され、実際にも何よりポップであることにこだわって楽曲を作ってきた彼女だけあって、今回の『ジエイポップ』というタイトルに込めた意気込みもきっと大きいものだろう。

自身のお父さんに向けて書いたという「おやじ」という新曲がこの日のライブ本編にて披露されたのだが、かなりフォークな印象で歌心が素晴らしく感じられ、まるで吉田拓郎の楽曲のようだった。と表現したら言い過ぎだろうか。だがとにかく、新曲のよさから、E.P.『ジエイポップ』に期待を寄せずにいられないライブであったのである。なおコレサワは10月より、このE.P.を引っさげたリリースツアー＜J-POPしか歌えないっツアー　仲間編＞を行うことも決定している。全国5箇所にわたり、こちらはバンド編成にて開催される。

取材・文＝堺 涼子（BARKS編集部）
撮影＝小坂茂雄