【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.31「クイーン+アダム・ランバート ヘルシンキ公演!」

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この秋来日が発表になったクイーン+アダム・ランバートはただいまヨーロッパツアー中。6月3日ヘルシンキ公演がありました。クイーンは私が洋楽を聴くきっかけになったバンド。とはいえ、フィンランドに移住した年にVo.のフレディ・マーキュリーが亡くなり、当時はパソコンなどまだない時代で情報が入ってこなかったのと、フィンランド語の勉強や子供が生まれてからは育児で忙しく、しばらく音楽から離れていた時期があり、その後クイーンがどうなったのかはずいぶん後になるまで知りませんでした。ふたたびクイーン熱が復活したのはYouTubeでたまたま横に出てきたおすすめ映像を見てから。その映像とはクイーンがヨーロピアン・ミュージック・アワードにアダム・ランバートをVo.に迎え出演した時のライブ映像でした。この時のアダムの歌唱力とパフォーマンスはフレディのいないクイーンなんて、、、という思いを吹き飛ばすものでした。そしてその瞬間私はこのアダム・ランバートの大ファンに!


ヘルシンキ公演はPark Liveと名付けられてた通り、会場はヘルシンキ中央駅のすぐ隣にあるカイサニエミ公園でソールドアウト。自分が購入したチケットはベーシックチケット(79ユーロ/約9270円)+ファンゾーンチケット(59ユーロ/約6920円)。ファンゾーンチケットはヘルシンキ公演が発表になった後ファンからの要望により追加されたチケットで、ステージの周りに設けられたファンゾーンエリアに入れるチケット。4月のアダム単独ヘルシンキ公演の時は前の日から会場前で待ってたファンがいたためか、今回ゲートの前で待てるのは朝の9時以降と主催者からFacebookのイベントページに告知がありました。ヘルシンキ公演はゲートが2つあり、ベーシックチケットはどちらのゲートからも入場できたので、エリアマップをみてステージに距離が近いほうのゲートに午前9時半ごろいってみました。オフィシャルなものではないですが、手に番号を書いてもらえ、私の番号は15番。番号があればトイレや食事にぬけてもその番号のあたりに戻れるので助かります。早くから並ぶファンがいるのを予想してかゲートの外にも簡易トイレが用意されていたのは便利でした。




午後4時開場予定が30分ほど遅れ4時半ごろ開場。まずはセキュリティチェック。中に給水所があるので空ボトルはもってはいれるはず。ところが捨てろといわれ、え?っと思ってたら後ろに並んでた人もいらいらしたのでありましょう。空ボトルは持って入れることを告げてくれ空ボトル持参でセキュリティ無事通過。ショルダーバックは中を軽くチェックされましたが、肩にかけてた布バックはノーチェック。そのあとメインゲートでベーシックチケットのバーコードを読み込もうとするのですが、これがうまくいかなくて、もう1枚手に持っていたファンゾーンチケットをかわりに読み込もうとされたので、あわてて阻止。ファンゾーンチケットはファンゾーンエリアの入り口でブレスレットと交換だったので、メインゲートで読み込まれてしまうと使用済みとなってしまいファンゾーンで使えなくなってしまうので危ないところでした。ちょっともたもたしたもののなんとか読み込み成功でファンゾーンにダッシュ!日頃の運動不足がたたって息切れが(笑)。ところがエリアマップで2つあった入り口がない。人だかりがしてるとこに行ってみると、入り口じゃなくて反対側にまたダッシュ。けっきょく入り口は一つ。しかもマップに表示されてたのとは違う場所(汗)。最前を狙うファンにとってはこの数々の時間のロスは致命的になることも…と思ったものの、キャットウォーク先のBステージ最前を余裕でゲット!ステージが高かったので見えにくくサイド最前にしようかどうしようか悩む余裕もあったけど、Bステージ最前でどうしても見たい曲があったのでそのままそこを確保。




この日はオープニングアクトが4バンドありメインアクトのクイーン+アダム・ランバートは夜10時からで入場してからも待ち時間は長い。フィンランドの18歳未満の未成年者も入場できるフェスではバーエリアが区切られていて、そこで買ったドリンクはそのエリアから持ち出せないため、通常のフェスでは一バンド終わるごとにたいていの人は飲みに行くのでステージ前がごそっりあくのでありますが、今回の場合はどうなんだろうと思っていたら、、、同じ感じでした。どうりでバーエリアが広かった。ステージが高かったこともありキャットウォーク先のBステージ前ではメインのAステージがよくみえないのもあってかファンゾーンエリアのBステージ前は信じられないぐらいゆるゆる。友達に場所を取っておいてもらえばトイレや買い物、給水まで自由に出入りできちゃうゆるさでした。さすがにメインアクト前の休憩ではファンゾーンの外側はかなり詰まってましたがファンゾーンBステージ最前は直前までフェンスに背をもたれかけ足を投げ出して座りくつろげる余裕。ゾーン内の後ろの人達はベーシックエリアとの境のフェンスにくっついてたイスに座ってくつろげてたし、あのゆるゆる度は多分日本じゃ信じられない光景かと思います。ファンゾーンチケットがいったいどのくらい販売されていたのかはわかりませんが、専用通路がなかったのでメインアクト前に会場に着いた人はメインゲートからソールドアウトの2万人の人込みをぬって移動してた入り口探して入ってこなければならなかったので、ゾーン内の緩さ具合からたどり着けなかった人もいたのではと思いました。




オープニングアクトがすべて終わり、ステージにクイーンの幕が下りるとあぁいよいよ!と気持ちが高まります。予定時刻前あたりからクイーン+アダム・ランバート公演でおなじみになったイントロが流れ始めます。目の前のBステージ前にはステージにそって横長の台が設置されていたのですが、始まる前にはこの台がいったい何のための台なのかわかりませんでした。しばらくすると両サイドのスクリーンにバックステージからステージに向かうメンバーの映像が映し出されます。幕が開き大きな歓声とともに聴こえてきたのは「One Vision」!ステージ両側に設置されたバルコニーにアダムとブライアンが現れます!そして2人はBステージの前にやってきます。きゃー!と思ったのもつかの間。Bステージ前に設置されていた台がなんのための台であったのかがこの時わかりました。スクリーンに映し出す映像を撮影するカメラマンが乗る台だったのであります。目の前に立たれるとステージどころか中央のスクリーンの映像もカメラマンに隠れてよく見えません(泣)。カメラマンの背中を見るために朝9時半から並んで待ったわけではないんだよ~と叫びたくなりました。オープニングではクールなスタッド付きのジャケットに2つ重ねたサングラスで登場するのに、見えたのはカメラマンの背中(苦笑)。「Fat Bottomed Girls」までは息を抜く暇がないほど早いテンポでロックな曲が続きます。最初の数曲はずっと目の前にこのカメラマンがたっていたので、このヨーロッパツアーで新しく加わった「Hammer To Fall」もよく見えなかったのは残念。アダムはステージ衣装にも力をいれていて5つの衣装が登場するのでありますが、今回のツアーで新しく加わった「Play The Game」で黒の羽根ジャケットにヒールの厚底靴で登場!「Killer Queen」はBステージにゴシックでヴィクトリア調な椅子が登場!その椅子に座り、とにかく表情豊かにキラークイーンになりきり歌う仕草は色っぽくもありお茶目でもあり目が離せない見どころの一つ。最後キラーフレーズを奏でたブライアン・メイに曲の後乾杯!そして「俺を信じてクイーンとステージに立たせてくれ、クイーンの曲を歌えることを皆にとっても感謝する。ロックンロールのレジェンダであるブライアン・メイとロジャー・テイラーと共演できるんだ。フレディ・マーキュリーはいつの時代もただ一人しかいない。フレディのこと好きかい?俺は大好きだ。俺もファンだし、みんなもファンだし、一つ約束しよう!今夜は皆で一緒にクイーンとフレディを祝おう!」とスピーチ。




そのあとも「Don't Stop Me Now」や「Somebody to Love」とだれもが知ってるであろうクイーンのヒット曲が続きます。そのあとアダムは一休み。まずはブライアン・メイが観客をバックに3Dのセルフィー映像を撮ります。そのセルフィー映像はこちら。満員のヘルシンキのカイサニエミ公園が見渡せます。


そしてブライアン自ら「Love Of My Life」を歌い、最後のほうでスクリーンにフレディが映し出されると大きな歓声があがります。そのあとはロジャー・テイラーの番。「These Are the Days of Our Lives」をハスキーヴォイスでちょっとノスタルジックに歌い、息子さんのルーファスとロジャーのドラムバトル!その後の「UnderPressure」では原曲でコラボしている今年亡くなったデヴィッド・ボウイの姿がスクリーンに映し出されます。またまた衣装替えしてヤシの木ジャケットとジーンズで登場したアダムとロジャーのデュエット。このあとアダムはフィンランド語の放送禁止用語を連発し(笑)観客が笑いで沸きました。さらにヒット曲が3曲続いた後、ブライアン・メイのギターソロに!ブライアンが乗った小さな台が上昇し、宇宙空間のような映像とレザー光線でまるで宇宙空間でギターを弾いてる感覚に。まさに天体物理学博士独特の世界をステージに作り上げてる感じ。そのあとは白い衣装でアダム登場!「Bohemian Rhapsody」は迫力あるサウンドと映像でフレディもスクリーンに登場し、最後はアダムとコラボ。そして最後の曲「Radio Ga Ga」では皆で手をパンパン!曲の後半アダムはステージを降りフェンス越しに観客と手をタッチしていくふれあいタイムもあります。




この曲の後、メンバーがステージを去るとアンコールを求める声が飛びます。しばらくすると聴こえてきた!ズンズンチヤ!ズンズンチヤ!ロジャーのドラムにブライアンのギターが重なり、しばらくして金ジャケットに赤のレザーパンツ、頭に王冠姿のキングアダム登場!ブライアンはアンコールでご当地ものを身に着けるのですが、この日はヘルシンキTシャツを着ていました。あぁもうすぐ終わってしまう。最後しっかり見ようと思った時にがぁーーーーん。またスクリーン映像を撮影するカメラマンが目の前の台にあがってステージがまるで見えない(泣)。というわけで、始まりも見えなかったけど最後もまたよく見えないまま終了(苦笑)。でもお目当てだった「Killer Queen」は邪魔されずに正面で見えたし、「Radio Ga Ga」で手も握れたのでまぁいいか。最後に金吹雪が舞い上がると、あぁついに終わったんだなぁ…と感動とともに寂しさも交わった気持ちに、、、とはいえ、翌々日のエストニアのタリン公演にも行く予定だったので、まだあと1回見れるという気持ちの余裕がありました。




タリンはヘルシンキから急行フェリーで2時間という近さ。タリン公演は99ユーロ(約11630円)のファンゾーンチケットで、朝9時ごろから並び再び最前をゲット!この日はヘルシンキ公演の教訓を得て(笑)、カメラマンが邪魔にならないで「Radio Ga Ga」で手を握れる位置をゲット。そのかいあってかよく見えました。ヘルシンキ公演と違ったのはロジャーが歌う曲が「A Kind Of Magic」だったのと、最後の金吹雪が黄色吹雪でした。写真はヘルシンキとタリン両公演より。

ヘルシンキ公演セットリスト
・One Vision
・Hammer to Fall
・Seven Seas Of Rhye
・Stone Cold Crazy
・Another One Bites The Dust
・Fat Bottomed Girls
・Play The Game
・Killer Queen
・Don't Stop Me Now
・Somebody to Love
・Love of My Life(Brian)
・These Are the Days of Our Lives(Roger)
・Drum Battle
・Under Pressure
・Crazy Little Thing Called Love
・I Want To Break Free
・I Want It All
・Guitar Solo
・Tie Your Mother Down
・Bohemian Rhapsody
・Radio Ga Ga
~アンコール~
・We Will Rock You
・We Are the Champions



ヘルシンキ公演、タリン公演ともにミラーボールが用意されていたのにそれが大活躍するこの曲を聴けませんでしたが、先日フロリダのオーランドのゲイクラブで起きた銃乱射事件の被害者に捧げるとイギリスのThe Isle of Wight Festivalでの「Who Wants To Live
Forever」のオフィシャル映像が公開になりました。これがとても感動的なのでぜひ見てほしい。


ヘルシンキ公演あとのフィンランドのメディアのライブ評はどれもアダム・ランバートを絶賛するものでした。フレディがいないクイーンなんてと思ってる方がいたら、まずは来日公演を観てもらいたい。それでも意見がかわらなければそれはしょうがないですが、かわる人のほうが多いと信じてます。自分はYouTubeの映像みてかわりました。ブライアン・メイは何度かインタビューでアダムは神からのギフトだと語っています。彼がいなかったら今こうしてツアーはしてなかっただろうと。なんといってもブライアン、ロジャーそしてアダムみんながツアーを楽しんでるというのが見てる側にも伝わってきました。今こうやってブライアンとロジャーが元気にツアーできているこのチャンスをぜひともお見逃しなく。

<クイーン+アダム・ランバート LIVE IN TOKYO 2016>
日時:2016年9月22日(木・祝)、23日(金)
会場:日本武道館

文:Hiro
写真:Hiromi Usenius

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