マネキンデュオ・FEMM、<Night Nation Run in JAPAN>テーマ2曲のMV公開

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2016年冒頭にメジャーデビューし、シンガー兼ダンサーでありながら、ファッション界からのラブコールが送られているマネキンデュオ・FEMMが、最新デジタルシングル「Neon Twilight / Countdown」のミュージックビデオを2本同時に公開した。

この2曲は、いずれも、夜の街で光と音に彩られたコースを走る全米No.1のファン・ラン・イベント<Night Nation Run in JAPAN>のオフィシャル・テーマソング。同イベントが日本に本格上陸するにあたり、5月に開催されたプレ・イベント<Road to “Night Nation Run in JAPAN”>には、3500人もの人が集い、FEMMは、そのステージ上で「Neon Twilight」をライブ初披露。多くのオーディエンスがサビのリフレインをシンガロングし、会場を熱狂させた。なお、その模様は、After Movieとして公開されている。


前々作、前作の「PoW!」と「L.C.S.」の映像を解禁した際には、『MTV』で異例となる「buzzllip」「MTV EXCLUSIVE」を連続獲得。アメリカ本国の『The Creators Project』に取り上げられ、UKでも『Huffington Post』の「2016年に注目すべきアーティスト」に選出された。これまでも楽曲を発表する度に、その映像をふくめ、世界中から高評価を得る彼女たちのオフィシャルYouTubeチャンネルは、メジャーデューしたばかりの新人にも関わらず約650万回もの再生回数を誇っている。

冒頭にあったファッション界が彼女たちに注目する主な理由は、まさにそこにある。世界を唸らせるその映像クオリティーの高さ、そして、作品毎に異なるコンセプチュアルな世界観。自身のInstagramでの事前告知から、今作の2曲に共通するキーワードは“80's リバイバル”“レトロ・フューチャー”となっており、その言葉通り、日本が世界に誇るビジュアライゼーション『AKIRA』や、映画『ブレードランナー』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から飛び出してきたような、サイバーでパンキッシュ、かつ、近未来的カオスに満ちた映像に仕上がっている。

「クールジャパン」とは一線を画す「クレイジーニッポン」と、自らを評すFEMM。そのファッションやダンスが生む世界観は、もほや強固なアイデンティティとして、世間に認知されつつある。


今回の収録曲だが、まず「Neon Twilight」は、ひたすらループ音が繰り返されるアップビートに、どこかニューウェイヴを感じさせるメロウかつダンサンブルなナンバー。MVは、正面を向いたカットがまったくと言っていいほど登場せず、カメラと直角に対峙したFEMMに、ピンク、ブルー、パープルなどのLEDライトを当て、ひらすら音に合わせて切り刻まれたカットが違和感だらけで変遷していくトリッキーなもの。ルームランナーが登場するだけの非常にシンプルなシチュエーションにも関わらず、夜の東京に光るネオンや、彼女たちの本拠地である渋谷のクラブシーンなどの風景、また、各時代の終焉が持つ特有のノスタルジーな風景などが心に浮かぶような作品に仕上がっている。


一方、「Countdown」は、アデルやマイリー・サイラス、ラナ・デル・レイなどを手掛けたSache Skarbekによるプロデュース楽曲。ファンキーなブラスフレーズをフィーチャーしたミニマルテクノ調のトラックに、ダンスクラシックをテーマにしたラップが乗るというこちらもカオティックな楽曲だ。

80年代を象徴するカルチャー・ワードが散りばめられた歌詞の世界観に沿い、コーディネイトされた衣装は、SF映画やアニメなどフィクションの世界で見られるサイバー・パンクなスタイリングを現実化させている。

マネキンである2体が魅せる初のロック・ダンスやブレイク・ダンス、また、まさかのバック・スピンも見どころのひとつ。その他にも、80'sを感じさせる映像的な工夫も施されている。

まるで対をなす2曲が、共通するコンセプトに沿って制作されたミュージックビデオによって、ひとつのシングルとしてまとめられている本作。2曲同時に<Night Nation Run in JAPAN>のテーマソングとして起用されたことも頷けるはずだ。
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