【ライブレポート】乙女新党、ラストライブで「絆は切れない」

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乙女新党が2016年7月3日、TSUTAYA O-WESTにてラストライブとなる<乙女新党 第二幕・最終章 ~旅立ちのうた~>を開催した。

◆乙女新党 画像


超満員のフロアに輝く6色のサイリウムの光と湧き上がる大歓声の中、乙女新党がステージに姿を現した。第二幕最初のシングル「ビバ!乙女の大冒険っ!!」からスタートしたセットリストは、どの曲もここから“ラス1”。ずっと共にあった楽曲を一曲ずつ、党員も乙女新党のメンバーもその心に刻み付けるステージとなった。フロアで跳ね、会場を揺さぶるほどの掛け声を上げる党員から伝わるのは“精一杯応援する!”という気持ち。そのパワーは彼女たちにも届き、最後のステージを大きく支えているはずだ。




「ボクだけの世界」「わっしょいクリスマス」と第二幕になってからも育んできた楽曲の後は、彼女たちの可愛らしさが存分に発揮される「とりことりことりこ」へ。会場が揺れるほどの歓声の中で盛り上がると、続けてアルバム『乙女新党 第二幕 ~旅立ちのうた~』収録曲「NとS」へ。乙女新党の年中組・まりと真優のユニットソングは普段から仲良しな2人にとって、とても大切な1曲だ。互いの視線が重なるところでそんな空気を感じさせた。同曲の後に入ってきたのは映像だった。第二幕の始まりを見せるこの映像では、なんとオーディションでの様子が映し出され、その初々しさに会場がほっこり。



そんな映像に続く「キミとピーカン☆NATSU宣言っ!!!」はケアンズでの撮影に臨んで、夏をいっぱい詰め込んだ夏の太陽のような歌声が魅力だ。どの曲も思い出深いと感じたのは「乙女の365日」で季節ごとを振り返るから。しかし、感傷に浸る間もなく「ファイヤイヤッ!!!」でタオルを回して、激しいビートに会場が一体となる。巻き起こされた熱風を和らげる「凸凹解決せんせーしょん」はあやめと優里花による曲で、第一幕から乙女新党をずっと支え、目に見えて成長した2人によるパフォーマンスに初期からのファンはもちろん第二幕からのファンも胸アツだったはず。




「乙女の365日」をBGMに2015年からの1年を振り返る映像に続いては、清 竜人プロデュースの「ツチノコっていると思う…?♡」が響きわたった。チャント(唱和)の中に女のコの声が混じっているのが聴こえてくるなど、特に第二幕になってから女性ファンも目立つようになってきた。女のコをも惹きつける進化を遂げた矢先の解散は惜しいと感じてしまうのは、党員だけではないはず。このポップで元気なナンバーに続いては等身大の彼女たちを思わせる珠玉チューン「胸を張ってこう!」へ。ステージで歌い上げるメンバー自身もグッと来ているのではと思わせるように、彼女たちのこれまでの道のりも蘇らせた。乙女新党を解散しても、自分は自分と胸を張って……そんな想いまでも届くようだ。


ガラリと雰囲気を変えた「わんだほーにゃんだほー」の後は、有沙と愛里による乙女新党年少組の2人のユニットソング「世界で一番君が好き」だった。現役女子中学生の2人のピュアな歌声でしっとりじっくりと聴かせるナンバーに、会場が白と赤のサイリウムで埋め尽くされ、泣き崩れるファンの姿も。切なさ滲む曲に聴き入った後は、映像コーナーへ。『党員のみなさんへ』という言葉がスクリーンに浮かび、彼女たちから党員への素直でまっすぐな気持ちが込められた映像が映し出される。精一杯青春をかけてきた彼女たちを見守ってきた党員の人たちが、いつもそばにいてくれた、存在に助けられてきた、支えられた……彼女たちが乙女新党としていられた理由である党員への気持ちの吐露は涙を誘い、「党員のみなさん、最後まで見守っていてください」という言葉に拍手が湧いた。

そしてメンバーがステージに登場。最新シングル「雨と涙と乙女とたい焼き」の可愛らしい振り付けでステージを右へ左へ移動し、弾ける笑顔を見せる。6人は本当に個性豊かで、同じ動きだとしても微細な部分に性格が出るようだ。例えばそれは、愛里のおっとりした感じ、まりの真面目さ、有沙の元気、真優の楽しげな様子、あやめのドジっこ的な可愛らしさ、優里花のアイドルならではの跳ねっぷり。そして、そんな人気曲の後に響いたのは卒業ソング「サクラカウントダウン」だった。卒業へのカウントダウンに泣きだすまり。そんなまりを励ますように振りの合間に抱きしめ、撫でるメンバーたちが印象的なワンシーンとなった。



終盤の盛り上がりは乙女新党のデビュー曲「もうそう★こうかんにっき」から。前山田健一と電球によるタッグで制作され、最も長い時間彼女たちと共にあったキュートな1曲だ。2軍女子から上を目指す乙女新党の公約ソングがラストライブの会場を席捲していく。また、チャントで歌声が聴こえなくなるのでは、と思わせるほどの大きな声で迎えられた「2学期デビュー大作戦!!」では、フロアのモッシュが凄まじいことに。熱のぶつかり合いで党員たちがステージへエールを送る。

「ラストはわたしたちも大好きな曲で、党員のみなさんも大好きな曲だと思うので、全力で盛り上がって下さい!」──優里花

披露されたのはもちろん「新・乙女新党のうた」だ。全力で“推し”へ歓声を上げる党員。彼女たちへ送り続けられたエールによって、ステージの6人も満面の笑み。同曲を歌い切ると大きく手を振って本編が終了した。



アンコールに沸く会場へ、静かにピアノの音色が響き出すと「始まりのうた」が有沙の歌い出しからスタートした。あやめと優里花が立つその間を二期メンバーが一節ずつ歌いながら歩んでいく。まるであやめと優里花というアーチの中を進んでいくように。そして6人の歌声が重なっていく。彼女たちの新たな明日への幕開けへ繋がるようなナンバーに、じっと聴き入るオーディエンス。歌詞の一言一言を噛みしめるように歌い上げるメンバーの涙がとても綺麗だった。そんな感動曲のあとは、最後のMCへ。

「人生で一番濃い二年間だった」と有沙。「乙女新党が家のような、党員さんはわたしの家族のような存在で毎回すごく楽しかったです」と伝え、奥華子の「元気でいて」のアカペラに乗せて気持ちを届けて涙を誘った。

愛里は「乙女新党のオーディションがなかったらアイドルになっていなかった」と告白した。恥ずかしがり屋で自己紹介くらいしか出来なかったけれど、ファンのみなさんに支えられたことに感謝し、「みなさんのおかげでハッピーオーラ全開の長谷川愛里でいられたと思います。本当に感謝しております」と深々とおじぎをした。

「最後は気の利いたことを言わないといけないな、と思いながらずっと言葉を考えてたんですけど、わたしらしく行こうと思います」と真優。憧れていたアイドルになり、自分の推したくなるアイドルを目指してきたと話し、「アイドルになれて本当に幸せでした」と笑顔を見せた。

絶対泣かないと決めていたけど泣いてしまったというまりは、「みなさんと作ってきた時間はきっと消えないし、みなさんの心の中に乙女新党がずっとあればそれでいいです。これからは別の道を歩くけど、引き続き応援よろしくお願いします」と最後は笑顔。会場の温かな拍手に包まれていく。

第一幕から乙女新党を守ってきたあやめは「わたしは感謝を伝えることしか出来ないから」と大切な人たちへ感謝を。支えてくれた家族、スタッフさんやマネージャーさんたち、いつも一緒にいたメンバー、最後はもちろん党員のみなさん。一つ一つの言葉を噛みしめるように、「もうわたしは“こんなあやめ”って言いません。ここまでしてくださったみなさんがいるので、“こんな”なんて言わないで、自信を持ってこれからは胸を張って生きて行こうと思います!」と笑顔で締めくくった。

最後はリーダーの優里花。「みんながすごく楽しそうにしている笑顔が大好きで、優里花がもっともっとキラキラしたら、もっともっと笑顔が増えるんじゃないかな、と思って一つ一つのライブをすごく大切にしてきました」と4人の頃からのことを振り返りながら感謝を口にし、「みんな一人ずつ今後も頑張っていくので、みなさん、応援よろしくお願いします」と最高の笑顔をみせた。


そして、「みんな、何泣いてるのー?」と真優の声から、アッパーな「お受験ロッケンロール」の音が響けば、会場はしんみりムードからガラリと空気が変わって熱いライブモードへ。涙を吹き飛ばし、ヒートアップするフロアの熱をさらに上げたのは本当に最後の最後のナンバー「ときめき☆パラドックス」だ。デビューシングルのカップリングだったこの曲で乙女新党はその歴史に幕を下ろした。

ラストアルバムとなった『乙女新党 第二幕 ~旅立ちのうた~』の曲順に近いセットリストだったこの夜のライブ。きっとアルバムを聴けばどんなときにもラストライブの盛り上がりが蘇るだろう。「絆は切れない」とあやめも言っていたように、乙女新党の楽曲はこれからも心に鳴り響くはずだ。

■<乙女新党 第二幕・最終章 ~旅立ちのうた~>
2016年7月3日@TSUTAYA O-WESTセットリスト

01.ビバ!乙女の大冒険っ!!
02.ボクだけの世界
03.わっしょいクリスマス
04.とりことりことりこ
05.NとS /まりと真優 from 乙女新党
06.キミとピーカン☆NATSU宣言っ!!!
07.乙女の365日
08.ファイヤイヤっ!!!
09.凸凹解決せんせーしょん /あやめと優里花 from 乙女新党
10.ツチノコっていると思う...?♡
11.胸を張ってこう!
12.わんだほーにゃんだほー
13.世界で一番君が好き /有沙と愛里 from 乙女新党
14.雨と涙と乙女とたい焼き
15.サクラカウントダウン
16.もうそう★こうかんにっき
17.2学期デビュー大作戦!!
18.新・乙女新党のうた
encore
19.始まりのうた
20.お受験ロッケンロール
21.ときめき☆パラドックス

◆乙女新党 オフィシャルサイト
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365日、アイドルが作るアイドルメディア Pop'n'Roll 準備号創刊

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