清春「パジャマになってしまうようなモノを売るのは、ワザとどうでもいい曲を作るのと同じ」

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本日7月7日より<sads IN AN ECSTACY TOUR>をスタートするsadsであるが、独自のオフィシャルアイテムを生み出してきた清春へのオフィシャルインタビューが届いた。

◆清春 画像

定番人気商品となっているBIG Tシャツをはじめ、sadsのイメージカラーともいえる赤や黒を使用したクールなデザインから遊び心溢れるキュートなデザインまで多数のアイテムがラインナップしている。

新たなラインナップを発表する度に、SNS上でファンの垣根を超えて注目を集める清春のオフィシャルアイテム。アーティストグッズという響きからイメージされる既存の概念を軽々と超え、一見アパレルブランドの様なラインナップだと業界内でも話題になっているということで、自ら殆んどの企画、デザインを手がける清春に話を伺った。

  ◆  ◆  ◆

──アーティストのグッズに関してのポリシーやコンセプトを教えてください。

清春:んー、まずはやはりもう長年アパレルブランドをやってるので、その経験はなにかしら活かしたいなとは常日頃思ってるかな。ライブグッズって、来てくれた人が記念品として買う場合もあれば、本当に自分達のことを好きで欲しくて買ってくれる場合もあり、もしくはデザインや質を認めて買う人もいて。それぞれいろんな目線で会場のグッズの列に並んでくれる人達に対して目的・欲求を全方向で叶えたいなぁと。ここ五年くらいは、理想とはあまり離れていないものを、ライブグッズとして販売出来るようになりましたかね。




──こうしてグッズ実物をお見せいただいて、いわゆるアーティストグッズの概念を超えてアパレル的に展開されているという印象を受けました。品質の高さとそれに反した良心的な価格設定についてのこだわりはありますか?

清春:そうね、外タレのオフィシャルグッズを見てると、安い有り物のTシャツにプリントしている場合がほとんどで、でもそれは外タレだからカッコ良く見えてるんだと、勘違いしないようにまずしてます。国内アーティストである我々が同じような事をやっても、まず海外でのみ可能なプリントの種類というのがあったりもする。僕らのだとプリントの種類、濃淡、大きさ・位置・ファンの年齢層とか含めて全てがマッチした上でデザインが良くないと決してヒットアイテムにならないというのが前提としてあります。ウチもデビューして数年の頃までは市場に流れている有り物のTシャツにプリントだけしてその中でもがいてました。

で、今はアパレル初めてもう長いのでそのキャリアや背景を、ライブグッズのクオリティにおいても多少は共鳴させられるように。更にはグッドプライスで、アパレルの発想を消さないライブグッズって展開出来ないか、を試行錯誤してですね。有り物Tシャツを使わずに毎回新たなオリジナルボディーを生産する。それに見合うグラフィックを考えます。あ、あとは他のアーティストのグッズもネット上で見るよ。まあ、なんというのか、情報量と本人がいかに洋服が好きか、興味と知識があるか、それで違ってきますよね。ファッション誌に昔から出して貰ったりとかそういう実績の積み重ねとかもイメージ的にはあるんでしょうし。

──服へのこだわりはどんなところでしょうか?

清春:1番はサイズ感。服はサイズ感でしかないと思う。2番はデザイン性。3番は品質。季節に適した素材とか。あとはトレンドも多少は取り入れもしますが結局大好きで長く着てるのは古着。アパレルでもライブグッズ作る時に意識することは同じです。最近は部分的に手書きプリントしててウチのファンにはヒットしてるんだけど、やっぱヒット作増えるって嬉しいので、グッズでも一個一個自分が身に付けたいものを作っていきたいすかね。

曲みたいにファンに人気がある曲と、なんとなくプレイしなくなる曲ってある。それってグッズも同じだなぁと。通常アーティストグッズのように、だいたいすぐにパジャマになってしまうようなモノを沢山作って売るってのは、ワザとどうでもいい曲を作るのと同じだとも思ってて、そういうのは僕やりたくなくて。願わくば買ってくれるその子が持ってる余所行きの洋服の中の一枚になって欲しいと思って作ってます。

今はウチのファンの子達にはウチのビッグTってだいぶ浸透してて。ライブグッズでオリジナルビッグTっていうのはほぼウチの特許みたいなものなんじゃないかなと。結構最近ではよく知らないアパレルブランドとかにもウチのグッズパクられてる場合あったりするみたいなんだけど、それは他所のアーティストグッズでパクられてるのと同じく、多分服についてのキャリアと背景全然違うんでなかなかパクリきれないだろうなとは思うんだよね、と、お伝え下さい(笑)。でも似せられてるっていうのは案外いい事。一見似たものを見て、なんならオリジナル見てみたいって逆に思ってくれる人もいるからね。





──以前からすべてのグッズに関わってらっしゃったんですか?それとも…

清春:もう暫く人に任せたことがなくて。大昔、サッズのデビューくらいから徐々にグッズも良くすることに興味を持ち始めて。それ以降は自分でもパソコン上でフォント並べてみたりだとか画像加工してみたりだとか、もうIllustratorやPhotoshopと過ごす日々というか、あの向き合ってる感っていうか(笑)プリントとボディとのバランスと大きさとかさ、僕でさえここ何年かでやっとわかってきた、みたいな感じもありつつ。

──どんなシーンで着て欲しいのでしょう?

清春:俺さっきもいったんですけど、本当に記念品として旅行先で昔でいうところのペナントとか名産品を買うみたいな、やっぱそれだけを叶えるんじゃあね……なんだろう、着る人がかっこいいとかかわいくなっていくのは良いことなので、その手助けをグッズでさえも出来たらなと。そしたら買ってくれるファンの人にとっても全部都合がいいのかなと。理想は全員街で全身ライブグッズでも何故かかっこよく見えるっていうのでしょうね。もちろんライブへもそれを着て来てくれて。そうだ、あとはノベルティとかもアパレルっぽくも考えてますよ。ただ買ってもらえる、ただお金をたくさん使わせるとかじゃなくて買ってくれる人にはそれ相応のサービスやノベルティがあったりとかイベントに招待したりとか、アパレルであればレセプションだったり、展示会とかに招待したりっていうことだと思うんで。

──最後に、<IN AN ECSTACY TOUR>について何かお聞かせください。

清春:なんかグッズを買う目的だけを叶えるツアーって見方も面白いなとか最近思うんですよね! ライブはまあ熟練っていうか、25年近くもやってるから良くないわけがないと信じてやってるわけでさ。勿論音楽だけを聴きたいっていう人もいれば、音楽も着るものも両方楽しみたいって人が居たっていいし、いろんな楽しみが溢れてるほうがいいじゃん。ツアーで移動型のショップが近くに来てるっていう解釈とかさ。ツアーでありライブも観れれば、そこに身に付ける洋服が販売されてるスペースがあって、それが今住んでる所の近くに来てるからそれ買いに行くっていうことだけでもね。全然無しじゃないと思う。

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これまで“アーティストをイメージした商品”だったアーティストグッズが、“アーティスト自らプロデュースするアイテム”へと変化を遂げたことは、表現者であるアーティストにとってかなり大きいことではないだろうか。その先駆者とも呼べる清春の今回のインタビューでは、企画段階から商品化までの過程殆んどに彼のこだわりへの容量を体感することができた。この先もし清春が展開するオフィシャルグッズを目にする機会があれば、是非手に取ってみてほしい。作詞や作曲、ボーカルスタイル、ステージパフォーマンス同様、カリスマたる所以を感じることができるだろう。

<sads IN AN ECSTACY TOUR>

7月07日(木) 渋谷CLUB QUATTRO
7月17日(日) 梅田CLUB QUATTRO
7月18日(月・祝) 梅田CLUB QUATTRO
7月30日(土) 名古屋BOTTOM LINE
7月31日(日) 名古屋BOTTOM LINE
8月05日(金) 柏PALOOZA
8月14日(日) 赤坂BLITZ

◆sads オフィシャルサイト
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