【インタビュー】パレードパレード「一番できることを出し合った結果、シティーポップと呼ばれるようになった」

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■オーソドックスなポップスができたかな。たぶん同世代ではあまりない切り口(松本)
■“君と僕”がいる曲の中で、これだけいろんなカラーの曲を作れて、情景を描けた(大松沢)


──ほかに、お気に入り曲は?

大松沢:6曲目の「Silly as love」は、ドラムもベースもずっとステイで進んでいくという意味で、新しい試みでした。そういう曲は世の中にたくさんあるんですけど、J-POPではあんまりない作り方なのかな?という気がしていて。今までJ-POPな空気感を大事にしてやってきた中で、それを残しつつ、ブラック・ミュージックのような感覚を自分たちなりにかっこよく入れられた曲なのかなと思います。

──これはかっこいい。ヒップホップやダンスミュージックのグルーヴを感じます。

大松沢:サビになってもベースが同じラインを弾くんですけど、音が重なったり、上に乗る和音が変わっていったり、J-POP的な展開があって、そことうまく組み合わせられたかなと思います。この曲は、イメージ的には深夜なんですけど、一個前の「眠る街」がピアノだけの曲で、そこでアルバムの雰囲気をがらっと変えて最後の曲につなげたいなという、ストーリー性を入れたくて。曲順が決まる前から、ピアノのソロがあって「Silly as love」につなげたいなという構想はありました。かっこよくできたので、気に入ってます。

▲三浦光義(Ba)

──2曲目「一秒先は未来」は? たぶんこの曲が一番、パキッとしたさわやかなポップ感が出た曲だと思うけれど。

大松沢:ポップに行きたい感じが、イントロとかには出てるんですけど、サビになったら意外にせつないというか。歌詞の内容も、後悔やうしろめたさがすごくある歌詞なので、パッと聴くと軽快なリズムっぽいですけど、特にサビは、一筋縄ではいかない感じを出せたんじゃないかなと。そのあとの「Loop」と真逆な感じで、明るくはいかないところは一緒なんですけど、アプローチは全然違う方向から作ってます。

──この曲のサビのメロディには、玉置浩二感を感じましたね。

大松沢:その時代の感じを出したかったので。メロディは、そういうふうになるようにイメージしました。

──ユーミンも入ってる気がした。80年代の。

大松沢:そうですね。けっこう参考にしてます。ギターの絡め方や、シンセの入れ方や。

──そういうのは、日ごろから研究している?

大松沢:してますね、むちゃくちゃ。

──個人的には「急行都市の夜」が好き。これぞシティーポップという感じ。

大松沢:マイナー調でこういうリズムの曲を、それこそよくあるシティーポップの感じのリズムのひとつだと思うんですけど、そういう曲を作ってみたいなと思って、リズムから入ってみました。ふわっと出てきたメロディにコードをつけて、というよりは、最初からリズムをイメージしながら、メロディを考えていった曲なので。夜っぽいメロディの統一感があるかなと思います。

──これは、あえて言うならキンモクセイかな。

大松沢:そうですね、参考にしました。すごく好きなので。

松本:ちょうどその頃、キンモクセイさん、ユーミンさんとか、共有しあって聴いていた時期だったので。

▲エリック吉岡(Dr)

──よく研究している、というと偉そうだけど。過去の名曲を聴きこんで参考にするのは、すごくいいことだと思います。そして、これが初の全国流通盤。どうですか、手ごたえは。

松本:16ビート感のあるマイナー調のかっこいい曲が、今回は多いと思うんですけど、その中できちんとオーソドックスなポップスができたかなと思います。たぶん同世代ではあまりない切り口だと思うので、歌詞にもそういう工夫をしているので、そこが伝わってくれればうれしいです。

──キャッチコピーに“シティーポップ”とでっかく書いてますが。それでいいですか。新しい世代の新しいシティーポップ。

大松沢:新しいかどうかは、自分たちではわからないですけど。シティーポップに限らず、僕の中にポップスというルーツがあって、その中でかっこいいものをいろいろ取り入れつつ、自分らしくかっこいいものを出し続けていきたいなと思っているので。真似事にだけはならないように、これから自分らしい表現の方法をもっと研究していきたいと思ってます。このアルバムでそれができたとはまだ思っていないんですけど、基本的に“君と僕”がいる曲の中で、これだけいろんなカラーの曲を作れて、情景を描けたのは、よかったと思います。

──最後に、近未来の夢、希望、野望を聞きます。このバンドは、どういうふうになりたいのか。

大松沢:夢はあります。人に聴いてもらって初めて意味があることを、自分はやっていると思うので。もっとたくさんの人にいいと言ってもらいたいので、大きなホールでライブができるバンドになりたいです。そういうところでワンマンができれば、それだけ自分たちをいいと思ってくれる人がいるわけで、そういう存在になりたいと思います。

松本:最初にも言ったように、うちの親世代が“90年代の音楽はメロディがきれいですごくよかった”と言っていたのが、すごく刺激でもあって、自分が音楽をやる上でのコンプレックスでもあって。昔から、家でギターを練習していると、“またがちゃがちゃやって。ちゃんといい時の音楽を聴きなさい”みたいに言われてたんですよ。どれがいい時なのかはわからないですけど。松山千春さんとか、ちゃんと聴きなさいとか。

──ああ~。さすが北海道。

松本:そう言われていたのが、コンプレックスでもあり、いい刺激でもあったので。なので、いろんな人に聴いてほしいのももちろんありますけど、むしろ親世代に“いいね”と言ってもらいたいという夢があるなって、今思いました。そのためにポップスバンドをやってるんだな自分は、ということがあるのかなと思います。

取材・文◎宮本英夫


3rd mini ALBUM『Squall』

2016年7月13日発売
品番:YMPCD-23 価格:1,300円(税別)
発売元:YAMAHA MUSIC PUBLISHING
収録曲:
1. 林檎
2. 一秒先は未来
3.Loop
4.急行都市の夜
5. 眠る街
6.Silly as love



パレードパレード全国リリース記念フリーサンプラー配布

6月29日(水)よりパレードパレードの人気曲「インマイライ」「謝るのはいつも僕だ」Squallのリード曲「林檎SHORT Ver.」を収録したフリーサンプラーを配布 【サンプラーが無くなり次第終了となります】
【タワーレコード】32店舗
【HMV】11店舗
合計43店舗
店舗詳細はオフィシャルサイトにて

パレードパレード ライブ・ツアースケジュール

<インストアライブ決定>
7月15日(金) タワーレコード札幌PIVO店
7月17日(日)HMV札幌ステラプレイス、タワーレコード苫小牧店
7月23日(土)タワーレコードららぽーと立川立飛店
後日詳細を発表

<パレードパレード “ Squall ” Release TOUR 2016>
7月20日(水) 横浜 F.A.D w)FOMARE / ank / GINNEZ / siki. / Danablu
7月27日(水) 代々木Zher the zoo w)パンとサーカス/ and more...
8月4日(木) 大塚 Live House Hearts w)今村大祐 / S.F-cage / Sound Pocket / 寒河江宏樹 / ゾートロープ
8月8日(月) 梅田Zeela w)月光グリーン/ ウルトラタワー / Jano
8月9日(火) 神戸 VARIT w)月光グリーン/ ウルトラタワー / iviscope
8月11日 (木•祝) 京都ROOTER×2《Acoustic》w)月光グリーン/ ウルトラタワー / and more...
8月12日(金) 滋賀U☆STONE w)月光グリーン/ ウルトラタワー / Jano
8月14日(日) 名古屋CLUB UP SET w)月光グリーン / and more...
8月16日(火) 新潟CLUB RIVERST w)月光グリーン / useless human being / ホロトニア / FORCE TICKS / and more...
8月18日(木) 下北沢GARDEN  w) and more...
8月23日(火) 西川口LiveHouse Hearts  w) and more...
8月25日(木) 高崎 CLUB FLEEZ w) and more...
9月 2日(金) 熊谷HEAVEN’S ROCK Vj-1 w) and more...
9月 3日(土) 上野 音横丁 w)ZIRCONIA / universe / 西村右 / キャラメルパッキング
9月 6日(火) 宇都宮HEAVEN’S ROCK Vj-2 w) and more...
9月 8日(木) 水戸LIGHT HOUSE w) and more...

<パレードパレード“ Squall ” Release TOUR 2016 【FINAL SERIES】 >
9月17日(土) 大阪WAXX w)未定
9月18日(日) 名古屋 栄 R.A.D w)未定
9月23日(金) 渋谷MilkyWay w)未定
9月30日(金) 札幌Sound Lab mole 【TOUR FINAL】 w)未定


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