【インタビュー】LM.C、シングル「レインメーカー」は「10周年を迎える今だからこそ出来た曲」

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LM.Cが10周年記念第2弾シングルとなる「レインメーカー」をリリースする。さまざまな季節を経て、オトナのROCKを意識したというこの曲のミュージックビデオではmayaとAijiが土砂降りの中、ずぶ濡れになりながら演奏。時にすべてを洗い流してくれる雨の中、“此の瞬間だけを生きろ”というメッセージが今のLM.Cのアティチュードを浮き彫りにする。10周年ファイナル公演が刻々と迫る中、今、2人が感じていることとは? 10年の月日を共に過ごしてきた2人の素顔が初めて曝け出された(?)初回限定盤の特典映像の秘密にも迫ったロングインタビューをお届けする。

◆LM.C~画像&映像~

■久しぶりに演奏する曲はカバーをしているような気持ちになる瞬間もあった
■あらためて自分が書いた歌詞に学んだり感動したりしました


──過去にリリースしたアルバムごとに区切って行っている<Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016>も後半戦ですが、これまでにないスタイルのツアーをやってみて今、感じていることは?

Aiji:この企画はmaya発信だったんですが、曲数も多いし、個人的にも機材のシステムが当時と変わったので準備が大変で正直、最初はちょっと気が重かったんです。でも、結果、やって良かったなと思いましたね。10年目にして過去のアルバムにいま一度向き合って、「やっぱり、LM.Cいい曲多いな」と思えたことが大きかったです。

──ずっとライヴで演奏していなかった曲も含めて?

Aiji:そうですね。いつも最新のLM.Cが最高だという気分でやっているので、新しい作品ばかり聴きがちなんですが、全部、愛せる曲だなって。なかなか、こういう機会がないと振り返ることもないので。

maya:“こういうテンションのこういうライヴになるのかな”って何となく予想していたんですけど、そことはまた違う角度の感動があります。

──どんなふうに予測していたんですか?

maya:やっぱり懐かしさだったり、10周年に向けて振り返る要素が大きいのかなと思っていたんですが、そういう部分もありつつ、ステージから発信しているのは現在の我々なので昔の曲も古く感じなかったりとか。久しぶりに演奏する曲に関しては極端に言うと違うアーティストのカバーをしているような気持ちになる瞬間もあって、あらためて自分が書いた歌詞に学んだり、感動したりしましたね。ツアーの最初の公演は必死度が高いんですが(笑)、回を重ねていくごとに客観的に曲を見られるようになって、「こういう曲もあったっけ。だったら、次は、こういうこともできるかもな」って。


▲「レインメーカー」【初回限定盤】


▲「レインメーカー」【通常盤】

──これからLM.Cが作る曲に繋がっていくヒントも、もらえているツアーなんですね。

maya:そうですね。過去の自分たちの曲に後押しされる。その瞬間、その瞬間、自分たちが聴きたかったり、演奏したかったものを形にしてきたので、そういう意味においてあらためてブレがないなと思いました。より好き%が高くなりましたね。

──楽曲に対してもファンに対しても?

maya:そこに関してはLM.Cに対して(笑)。ただ、10年前の活動当初から一緒に歴史を刻んできた人たちもいるし、続けてきたからこそ出会えた人たちもいるんだなって。そういう感慨はありました。

──初期の曲を初めて生で聴く人たちもいたんだろうし。

maya:だから、不思議な気持ちになるんですよね。「新曲作りました。リリースするからツアーをやります」っていうライヴとはまた違うから、いろいろなことがクロスオーバーしていく感覚があります。

──10周年記念シングル第一弾「MONROEwalk」に続いて、第二弾となるニューシングル「レインメーカー」もリリースに先駆けてツアーで披露されましたが、反応は?

Aiji:初めて聴く曲でビートすらわからないので、最初はポカーンでしたけど、それも含めて楽しめてますね。初めは「意外でした」という反応もいただいてたんですが、ラジオなどで流れるようになってからは楽曲のディテールについての感想ももらったり。歌詞のムードや語感が今までのシングルと違うから意外だと感じたのかもしれないですが。

──「レインメーカー」は疾走感がありつつメランコリックで、音も削ぎ落とされていると感じました。

Aiji:楽曲自体は2015年の夏から制作していたんです。いつかリリースするアルバムに向けてソリッドでアップテンポでスリリングなロックナンバーが書きたいなと思って作りました。

──その曲が梅雨時の季節にピッタリのナンバーに仕上がって。

Aiji:バンドで演奏していて気持ちいい楽曲を作ろうと思っていたんですが、それでいてみんなが歌える曲であってほしいというのは毎回、意識しています。「レインメーカー」のメロディもわかりやすくてキャッチーだし。

──それでいて、LM.Cの中では湿気を含んだメロディ。

Aiji:そうですね。こういう方向の情緒のある曲を作ることは少なかったので、たぶん今のLM.Cだから出来るのかもしれないですね。10年前だったら避けていたかもしれないです。

──ポップでカラフルなLM.Cを打ち出していたから?

Aiji:そうあってほしいと思っていたから、「レインメーカー」のようなタイプの曲は後回しにしていたと思います。まずはヴィヴィッドな色彩のものを形にしたいと思っていたので。

──“星に願いを”ではなく“雨に願いを”と歌っている曲でもありますね。

maya:歌詞を書く時のためにストックしているテーマ集みたいなものがあって、前作はその中にあった“MONROEwalk”という言葉からイメージを広げていったんですが、今回はAijiさんの曲にヒントを得た感じですね。聴いた時にたまたま雨が降っていて、イントロから曲が進行していくにつれて雨が激しくなっていく印象があるなって。タイトルに関しては、すぐレインメーカーって浮かんだんですけど、ストックリストに入っていたことに後から気付きました。

──「過去は追わず未来など待たずに此の瞬間だけを生きろ 傘を差すという手段を持たない雑草のように」という「 」で括られている部分が曲の核となるメッセージなんでしょうか?

maya:「 」の部分はレインメーカー=雨を呼び寄せる人の言葉として書いています。その部分だけ声の処理も少し変えています。“そもそも雨って何だろうな”って考えるところから書き始めたんですけど、自分にとっては家の外に出る機会もあまりないし、イヤなものではないなって。

──実際、この曲では雨を肯定していますよね。

maya:今でこそ雨が降る仕組みは解明されていますけど、さかのぼればさかのぼるほど超常現象みたいなものだったんだろうなと思うんですよね。

──恵みの雨と言われ、雨乞いしていた時代があったり。

maya:そうですね。雨にさとされるというか。

Aiji:情景描写が詩的ですよね。映画のワンシーン的な風景を思い浮かべて作った曲だったので、歌詞と楽曲のムードが合ってるなと感じました。

──“曇天架かる送電線が歪んだ五線譜に見える”という表現も詩的ですよね。

Aiji:そうですね。mayaの今まで書いてきた歌詞の延長戦上にありつつも新しいところに踏み出している感覚があって、なんか大人ですよね。

maya:(うなづく)

──レザーのモノトーンの衣装ともフィットしています。

Aiji:そもそも曲を作った時にオトナのROCKを目指してたので、自分の温度感とマッチしました。

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