【音踊人 02】~新参者~ 京都大作戦で見るROTTENGRAFFTY(光神)

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― <京都大作戦>とROTTENGRAFFTY ―
ROTTENGRAFFTYを知る人はこの組み合わせを目にするだけで胸の中に熱い気持ちが広がるのではないだろうか。筆者はROTTENGRAFFTYとの出会いも浅く、全国のオーディエンスが集まる<京都大作戦>も9回目にして初参戦,昔から<京都大作戦>やROTTENGRAFFTYを慕っている人からすれば「何を今さら」と言われてもおかしくはない。北海道で生まれ育っている筆者からすれば、京都の音楽事情などは何一つ知らず、ハッキリと言えば「新参者」の気持ちで彼らのパフォーマンスを見るという状況であった。

結果から述べると、筆者の見る景色が、世界が変わった瞬間に立ち会うことができた。余りの興奮と感動に,気づけばLIVE中に鼻出血を呈していた。(汗かな?と思って拭いたらタオルが真っ赤に染まっていた・・・!)音楽体験の言語化は初めてということもあり,稚拙な表現も散見される構成かもしれない。それでも、あの日あの時感じた熱を呈して世界を呈してここに記しておこうと思う。

7月2日 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
<京都大作戦2016 〜吸収年!栄養満点!音のお野祭!>

例年の(というと失礼か・・・)雨予報もなく、快晴の空模様は気温34°という数値を叩き出し、夏の幕開けに相応しい絶好のフェス日和であった。去年から一年間待ち望んでいたオーディエンスから漏れ出す熱気。ステージ上で<京都大作戦>への思いを次々に語るアーティスト達。どれをとっても他のイベントとは似つかない、<京都大作戦>特有の暖かい雰囲気が満ち溢れていた。

筆者とROTTENGRAFFTYの出会いは2010年。旭川CASINO DRIVEという田舎町の小さなライブハウスで、dustboxのアルバムツアーの対バンに出演している姿を見たのが初めての出会いだった。音圧の高いギターサウンドで押してくる姿から、和テイストを象徴させるリズムに乗ったビート、圧倒的なツインボーカルの破壊力。結果として大きな衝撃を受けた瞬間であった。しかし、その後も積極的に彼らの後を追うことはなく、時折フェスやイベントで見るといった状況が続き、CDはおろか俗に定番曲と言われる作品を聞く程度の日々が続いていた。

源氏の舞台 15:20~15:55
筆者は客席後方にて,ROTTENGRAFFTYの出演を待っていた。日差しも弱まる気配もなく、水分を片手に「通路が混雑する前に戻ろうか」等と話している最中、いよいよLIVEはスタートした。満点の青空の下、一曲目に鳴らされた「世界の終わり」。「僕たちは全て 終わりが来るだろう だからこそ この時を輝け」ステージ上にいるROTTENGRAFFTYが、目の前で体を左右に揺らしているオーディエンスが、開始早々に同様の想いを共有していた。

続けざまに「STAY REAL」を投下すると,彼らは<京都大作戦>の大舞台にいち早く新曲を持ってきてくれた。フル演奏という訳ではなく途中までの演奏ではあったが、今後の躍動を期待せずにはいられない一際エモーショナルなサウンドが会場中に響いていた。「響く都」では<京都大作戦>、10‐FEETへの想いをコール&レスポンスで決めてみせ、Vo・NOBUYAの「あの太陽をミラーボールにして、まだまだ踊れんだろう?」と訴えかける「D.A.N.C.E」には筆者も思わず拳を突き上げていた。

残り時間もあと僅か、「興味がねぇお前の人生は背負えねえが この音聞いてお前自身で立ち向かうんだ」、「This World」が放つ圧倒的なメッセージは会場中が自分自身と戦う瞬間を生み出し、会場中の声が鳴り響いた「金色グラフティー」の大合唱には、思わず目頭が熱くなった。気づけば休憩所に早めに戻るどころか、力強く握った拳を掲げ、今この瞬間に立ち向かうことがすべてだった。

セットリスト自体は新曲を除けばここ数年大きな変化はない、オーディエンスも何度も聞いているはずだ。それでもROTTENGRAFFTYは今この瞬間にしか鳴らない音楽を、会場中に響き渡る多種多様なベクトルを用いて圧倒的なスケールで見せつけてくれた。<京都大作戦>とROTTENGRAFFTY。想像もしなかった感動と興奮が、今もなお脳裏に焼き付いている。筆者はまだまだ一つの扉を開けて、新たな世界を覗いたに過ぎない。今度こそ、ライブハウスで彼らの音楽に触れようと思う。<京都大作戦>と同様に、ライブハウスでのワンマンライブにおいても「新参者」として立ち会える瞬間を今か今かと待ちかねている。

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