ローランドがヘッドホン、マイク、スピーカーなど海外ブランド製品を国内で展開

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ローランドは8月9日に発表会を開催、ヘッドホンメーカーのV-MODA LLCの株式を取得し子会社としたことを発表した。また、新規事業としてヘッドホン、イヤホン、スピーカー、マイクなど海外ブランド製品の輸入販売を9月下旬より開始する。

■V-MODAがローランドファミリーに

V-MODAはダンスミュージック分野で定評のあるヘッドホンメーカー。2005年に人気DJのVal Kolton氏により設立。その音楽センスと音に対するこだわりは製品に反映され、市場で高い評価を得ている。昨年限定発売された浜崎あゆみモデルで知っている人も多いだろう。本社は米国カリフォルニア州、デザインはイタリア・ミラノの子会社V-MODA Milano S.R.L.が行っている。ローランドはV-MODAをグループ企業に加えることで、そのヘッドホンメーカーとしての高い開発力、デザイン力、そして熱狂的なファンとのつながりをさまざまな分野に活かし、将来的には同社事業との相乗効果により、電子楽器の魅力をさらに高めていくことを目指す。


▲V-MODAのヘッドホン。手前からCrossfade WIRELESS、同M-100、LP2、XS。


▲ハウジングの六角形の部分が交換可能、ユーザー好みにカスタマイズできる。写真左はWIRELESS、M-100用。写真右はスマホにぴったりのZN。

日本国内での取り扱いは秋からスタート。当初のラインナップは、フラッグシップ・モデルの「Crossfade M-100」、ワイヤレス・タイプの 「Crossfade WIRELESS」、オンイヤー・タイプ「XS」、インイヤー・タイプ「ZN」の4モデル。


▲上段左からCrossfade M-100、同WIRELESS、下段はXS、ZN。

「Crossfade M-100」は、洗練されたイタリアのミラノ・デザインと抜群の耐久性、口径50mmデュアルダイヤフラムドライバーによるバランスの取れた豊かな重低音と柔らかな高音域の音質、ユーザーの好みで素材や色を選べる3D彫刻パーツでのカスタマイズなどが世界中のDJやオーディオ・ファンから支持され、ヨーロッパのDJ関連アワードの中でも高い栄誉となる「DJ Mag Tech Awards」のヘッドホン部門を、2013年と2014年の二年連続受賞している。米国防省の調達基準「ミルスペック(MIL-STD-810G)」に準拠。高い耐久性と、高/低温、高湿度など環境耐性を兼備した堅牢設計も特徴の1つ。ケーブルは着脱式、デュアルインプット仕様で2つのソースをミックスして聞くことが可能、音漏れを最小限にする独自技術「V-PORT V3Airflow System」構造により周囲に迷惑をかけずに臨場感のあるサウンドが楽しめる。カラーはMATTE BLACK、WHITE SILVER、SHADOW。

「Crossfade WIRELESS」は「M-100」の高音質、高い堅牢性、デザイン性をワイヤレスで実現したモデル。大口径50mmデュアル・ダイヤフラム・ドライバー搭載。Bluetoothは同時に2つまでペアリング可能。30分の急速充電で12時間の長時間ワイヤレス使用が可能。有線接続での使用も可能だ。カラーはROUGE、GUNMETAL、PHANTOM CHROME、WHITE SILVERの4色。

「XS」はハウジングが一回り小さいモデルで、装着時のフィット感とシルエットの美しさを重視し、ファッション性を追求。装着時に頭部とベルトの間に発生する隙間を極力なくしている。独自開発のMクラス40mmデュアル・ダイヤフラム・ドライバー搭載。ステレオ・インプットを2系統備える。カラーはMATTE BLACKとWHITE SILVER。

「ZN」は特許製法で鋳造した亜鉛合金製ハウジング、低音再生に優れた8mmダイナミック・ドライバーを採用。安定したフィット感のイヤーフックは取り外しも可能。ケーブル部にはKevlarを組み込むことで丈夫かつからまりにくいのも特徴。ポケットから出してすぐ使えることがアピールされた。Apple用の3ボタンタイプ、Android用の1ボタンタイプの2種類がラインナップされる。

V-MODA製品については、今後発売のアクセサリーとしてLightningケーブルの発売もアナウンス。次期iPhone 7にステレオミニ出力がなくなっても大丈夫ということが示された。

■海外ブランドのヘッドホン、イヤホン、スピーカー、マイクを輸入販売

日本市場における新規事業として9月下旬より開始する海外ブランド製品の輸入販売。音楽や楽器と親和性が高く、海外市場で評価の高いヘッドホン、イヤホン、スピーカー、マイクなどを取り扱う3ブランドの製品の輸入販売を開始することで、国内における事業の拡張を図る。ローランドの電子楽器と組み合わせての演奏・音楽制作やオーディオ・リスニングなど、音楽をより一層楽しめる環境をトータルで提案するというわけだ。

取り扱い海外ブランドは、マイクのAston Microphones(アストン・マイクロフォンズ)、ヘッドホン、イヤーモニターのAudiofly(オーディオフライ)、モニタースピーカーのMunro Sonic(ムンロ・ソニック)の3社。

■Aston Microphones、ショックマウント不要のコンデンサーマイク&リフレクションフィルター


Aston Microphonesは2015年設立の新進気鋭のマイクメーカー。開発、デザイン、生産をすべてイギリス国内で行い、「Built in Britain」をうたっている。取り扱い製品はコンデンサー・マイク「Aston Spirit」、「Aston Origin」とリフレクションフィルター「Aston HALO(ヘイロー)」。
コンデンサーマイクは世界的に著名なプロデューサーやミックスエンジニア、アーティストなど音楽業界のプロフェッショナル30名以上の意見を取り入れて開発された。ケースは柔軟かつ高い強度を持ち、発表会では机にマイクを打ち付けるデモも行われた。また、内部が衝撃吸収構造になっているので、ショックマウントを使用せずにスタンドに取り付け可能なのも特徴の1つだ。価格はSpiritが5万円台、Originが35,000円前後(市場予想価格、以下同)。

内部の音を吸音しながら外部からのノイズの侵入を防ぎ、簡易的なボーカルブース環境を実現するリフレクションフィルター「HALO」。半球形とすることで他社製品がカバーできない上下方向の遮音も実現。またペットボトルをリサイクルしたペットフェルトという素材を使用することで、非常に軽量になっている。価格は3万円前後。


▲コンデンサーマイクのAston OriginとSpirit(写真左)。リフレクションフィルターは内側が濃い紫、裏側は薄紫(中)。マイクはホルダー、ショックマウント不要でスタンドに取り付けられるユニークな仕様。

■ミュージシャン向けイヤホン/ヘッドホンをラインナップするAudiofly


Audioflyは2010年にオーストラリアで設立、ミュージシャンとして視点でこだわりを持ちながらイヤホン/ヘッドホン開発を行っているメーカーだ。ヴィンテージ機材の設計思想を受け継ぐなど伝統的なデザインに目を向けつつ、最新技術や素材を融合して暖かく鮮明な音を表現し、驚異的な耐久性を持った商品を開発。特にインイヤー・タイプの製品では難しいとされる低音の音質を追求している。


▲BAドライバー搭載のPROレンジ4モデル。


▲オーバー・イヤーヘッドホンAF240と、PREMIUMレンジのイン・イヤー・ヘッドホン4モデル。

ラインナップは、プロ向けのイン・イヤー・モニターとなるPROレンジ4モデル(AF120/AF140/AF160/AF180)と一般向けのイン・イヤー・ヘッドホンPREMIUMレンジ4モデル(AF33/AF45/AF56/AF78)、そしてオーバー・イヤー・ヘッドホン1モデル(AF240)。
PROレンジはすべてバランスド・アーマチュア・ドライバー(以下BAドライバー)を搭載するが、エントリーモデルの「AF120」はダイナミックドライバーとBAドライバーを搭載、最上位モデルの「AF180」は4基のバランスド・アーマチュア・ドライバを搭載するなど、基本仕様が異なる。いずれも細く丈夫なケーブルを採用、プレーヤーのステージでのパフォーマンスや通勤などの激しい使用環境に耐える堅牢性を持つ。価格は25,000円(AF120)~55,000円(AF180)前後。

PREMIUMレンジは、高い遮音設計で音漏れを最小限に抑えたモデル。スマートフォンでの通話が可能なCLEAR-TALK MICROPHONEを搭載する(AF-45/AF-78に一部搭載しない機種があり)。ドライバーはすべてダイナミックドライバーだが、さまざまな好みに対応するために、9mm~13mmとすべて異なるドライバーを搭載。ハイエンド・モデルの「AF-78」のみ9mmダイナミックドライバーとBAドライバーのデュアルドライバー構成。価格は4,000円(AF33)~22,000円前後(AF78)。

オーバー・イヤー・ヘッドホン「AF240」は40mmネオジムドライバー搭載、ハウジング部にポリ・カーボネート・プラスチックと金属製アームで軽量&強度が高くスタイリッシュなモデルとなっている。無段階調整可能なスライダーと、低反発フォームのイヤーパッドでフィット感も抜群。CLEAR-TALK MICROPHONE搭載で、スマホでの通話も可能だ。価格は25,000円前後。

■Munro Sonicの卵型スピーカーEGG100、EGG150


スピーカー設計技師のAndy Munro氏と、さまざまな音響機器を販売する英国Sonic Distribution創設者のJames Yound氏の共同開発で生まれたのがMunro Sonicのニアフィールドモニター。「EGGシリーズ」は「高音質のモニターを作りたい」というYoung氏の思いと、「流行にとらわれずに、良い製品を追求したい」というMunro氏の熱意が詰まった製品。英国国内で開発、デザイン、生産が行われている。

「EGGシリーズ」は「EGG100」と「EGG150」の2機種をラインナップ。「EGG100」は赤・白・黒の3色、「EGG150」は白・黒の2色を用意。卵型の形状とすることで、箱型スピーカーに比べ内部での反響を抑えてより音場豊かな高解像度を実現する。音楽制作用のモニタースピーカーとしての使用はもちろん、ピュアオーディオも視野に入れた製品とのこと。「EGG100」と「EGG150」とも専用アンプとのセット。定格出力は「EGG100」が2×30W、「EGG150」が4×50W(バイアンプ方式)。価格は30万~40万円程度となる見込み。


▲写真は黒の大きな方がEGG150、白がEGG150。写真右のアンプは上がEGG100、下がEGG150。入力はバランスXLR、EGG150のみAUX RCAピンも備える。


▲発表会では参考出展としてニアフィールドモニターブランドのFluid Audio社のモニター・スピーカーも展示。Fluid AudioはJBL、M-AUDIOでスピーカー開発を手掛けてきたKevin Zuccaro氏により2010年設立。いずれもアンプ内蔵のスピーカー。2~3万円台と購入しやすい価格になるとのこと。

■Roland/BOSSブランドのケーブル、アクセサリーが登場


発表会では、1月のWinter NAMMでローンチされたRoland Accesories、Summer NAMMで新たに立ち上げられたBOSS Accesoriesも紹介。Rolandはケーブル、BOSSはケーブルに加えピックやストラップもラインナップする。Roland/BOSSブランドのファンに向け、ブランド名が目立つ専用の什器も用意する。

Roland Accesoriesはゴールド・シリーズとブラック・シリーズをラインナップ。ゴールド・シリーズケーブルは24k金メッキコネクターとレコーディングスタジオ・クオリティの高純度無酸素導線を使用。両端ストレート、片側がL型、両端がL型のTSフォン-TSフォンをラインナップ。ブラック・シリーズケーブルは高純度無酸素導線と不要なノイズを除去する高密度スパイラル構造によりプロフェッショナル・クラスのクオリティを実現。高品質コネクターと低静電容量構造で原音に忠実なクリアーなサウンドが特徴。TS-TSに加え、RCA(デュアル)-TRS(ステレオ)、ステレオミニ-RCAピン(デュアル)、TSフォン(デュアル)-RCAピン(デュアル)、両端RCAピン、両端ステレオミニなど各種ケーブルをラインナップする。今後はマイクケーブルも手掛けたいとのこと。

BOSS Accesoriesのケーブルは、スタジオグレードの24金メッキコーティングの1/4インチジャックを採用したはシールド、パッチケーブル、スピーカー・ケーブルをラインナップ。こちらも無酸素導線採用で原音を損なうことなく再現する設計。Rolandケーブルがスパイラルシールドなのに対し、BOSSケーブルは網目状のシールドを採用、しなやかで耐久性にも優れている。

ピックはセルロイド製とデルリン製を用意。好みに合わせて素材や厚さ、デザインを選べるラインナップで展開する。店頭には展示用什器としてBOSSコンパクトペダルを模した収納ケースを用意する。耐久性に優れたタフなストラップはシートベルト・タイプ、コットン・タイプ、レザー・タイプなどさまざまな素材をラインナップする。


▲Roland、BOSSのブランド力を生かした専用什器を用意、来店者が手に取れる形で店頭展示を行う。


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