【ロングレポート】音楽フェスの力を証明した20回目のフジロック
ちなみにROVOの帰り道、まさに森の中のステージである「木道亭」で藤原さくらが弾き語りライブを行っていた。シンデレラ・ガールのごとき注目度の彼女だ。その姿をひと目でも目撃しようとジャンプしたりする人もいるほど大盛況だった。その顔つきはまだあどけなく歌声はリラックスしたもので、それがかえって彼女がいかに肝の座ったシンガーかをよく伝えていた。
▲木道亭 風景
こうした予期せぬ出会いはフジロックの醍醐味であるが、個人的なそれは、3日目、BABYMETALのために早めに移動して観ることができたROBERT GLASPER EXPERIMENTと、もうすぐ終わってしまう今年のフジロックがあまりに名残惜しかったのだろうか、なぜか最果てのORANGE CAFE(=旧オレンジ・コートエリア)やCafe' de Parisをただ拝みに行ったその帰り道(笑)、ホワイトに立っていたExplosions In The Skyだ。特にExplosionsは、夜20時過ぎの肌寒さと相まって、彼らのソリッドな音像が極限まで研ぎ澄まされていくようで、幽玄な紫色の照明もその荘厳な空気感を助長していた。それとベックの後にレッド・マーキーで観たクーラ・シェイカー。彼らもデビュー20周年というタイミングという前情報があったせいもあるけれど、名曲の名演に純粋に何度もグッと来るという素敵な体験ができた。
▲Explosions In The Sky
▲KULA SHAKER
また、キャンドル・ジュンのプロデュースによるPYRAMID GARDENでは、1日のスタートに相応し過ぎるほど相応しかったAM10:30からのCaravan & GOMAや、打って変わって神聖な世界が広がる深夜の原田郁子など、フジロック随一のチルの場はそっと深くその存在感を広めていたことも印象深い。他にも、野田洋次郎(RADWIMPS)、細美武士といった豪華なアーティストの演奏を親密な空間で体験できるという希少性もこのステージならではだろう。
▲PYRAMID GARDEN 風景
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